日本動物分類学会第60回筑波大会に参加しました。ポスター発表開始に2分遅刻してすみませんでした。
在野研究者はポスターを印刷できるか
前回はブランクを経ての学会発表復帰で、かなり間に合わせ感というか、リミテッドな味わいを強めに出しました。白背景ベースにして普通紙インクジェット印刷でもクタらないようなデザインを心掛け、実際にA4用紙をメンディングテープで貼り合わせて1枚のポスターとし、可搬性を高めました。
今回は多少慣れてきたのと、共著者の院生の実績にカウントされる可能性があるので格好をつけねばらなぬ部分がありました。また、生体写真を載せる関係で黒背景のデザインを採用したので、普通紙インクジェットでは対応が難しい感じになりました。かといって背面に砲身を装備する度胸もなかったので、人生初の布ポスターに挑戦しました。
布のポスターが出たての頃は一目置かれたものですが、今ではありふれたものになりました。大学に据え付けのプリンタを使うなら発表前日まで原稿を推敲でき、安く出力できるので、ジムキャノン小隊もとい紙ポスターがなくなることは無いのでしょうが。
さて、「布ポスター 印刷」でググると大量のサイトがヒットします。
納期により価格が違うようですが、これはオプション料金を払えば急いで割り込みをかけてくれるというものではなく、オプションなしの場合に印刷や発送を遅らせたり、着日指定で運送会社の倉庫で待たせるシステムのようです。
とりあえず激安コース(通常納期)で。
会場お届けや設置代行までやってる業者もいるみたいですね。
ウェブで注文しつつメールで入稿するシステムのようです。
納期通り届きました。
仕上がりも問題なし。
第n回全日本端脚類分類学振興会
今回も日本全国から端脚類分類学者が集まり、意見交換を行いました。参加者の集団はおよそ3時間ごとに移動を繰り返し、それぞれの移動先において3–10vol%のエタノールを含有する水溶液を不定期に経口摂取しました。
やはり近年、特に今大会の端脚類演題の充実ぶりには目を見張るものがあります。というわけで、要望があったのでカウントしてみました。
過去の各学会での端脚類発表本数 (CSJ:日本甲殻類学会大会;JSSZ:日本動物分類学会:P&B:プランクトンベントス学会合同大会). 大会区分に付記した(o)/(p)は口頭/ポスターを示す。 年次の横の開催回に付記したoはオンライン。 実際に発表の中に端脚類が登場したものでも、タイトルからうかがえないものはカウントしなかった。 |
簡単に発表数推移を表にしました。他の端脚類研究者の多くがコンスタントに参加していると思われる3つを選びましたが、私が行ける/行ったものに限っているため、過去5年で端脚類の発表があっても表に入れていないものもあります(日本動物学会早稲田大会,山形大会)。手元にある資料しか見ていないため、参加していない大会や、参加していてもすぐに要旨集が出てこない古い大会については集計していません。
過去5年くらいを見ても、特筆すべき大会だったことが分かります。
ただ増えればいいという数を競うような話をしたいのではありませんが、研究の裾野が広がれば、上記学会でいえば、甲殻類学・分類学・底生生物学(浮遊生物学)の発展・深化に寄与できるものと思います。
生物多様性が急速に失われていきながらも、労働人口の減少の曲がり角に差し掛かった我が国は、安定して国際競争力を発揮するあらゆる資源に目を向け、将来の真の豊かさというより真の破滅の回避のために、どういった姿の「国」を残すかということを本気で考えて実施しなければいけない状況になっています。生物多様性の一翼を担う端脚類相の解明ひいてはこういった分野における記載的研究の底上げという現象そのもの、生まれ育った国土のありのままの姿を見つめる若者が増えるという傾向は、国土の自然環境に対して野放図な開発というコマンドしか持ちえないことが改めて浮き彫りになりつつある世の中の残念なオトナ達とは、あまりに対照的に見えました。