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2024年2月11日日曜日

ディボフスキィのたそがれ(2月度活動報告)


 ~ とう場人ぶつ ~
 
こうたくん
ヨコエビのことが気になっている男の子。


ひろきくん
さいきん、こうたくんやはかせと、あそぶようになった男の子。
あまりしゃべらないけど、するどい。

 
よこえびはかせ
ヨコエビの本やひょうほんをいっぱいもっている。
ヨコエビのことにくわしくて、何でもしらべて教えてくれるけど、
そのほかのことにはまるっきりきょうみがないんだ。


~~~~~~~


よこえびたんていだん

だい5話 ディボフスキィのたそがれ




じけんはっ生


こうたくん: はかせ!ヨコエビの名前が長いんだって!

はかせ: どれどれ、見せてごらん。


これまでにつけられた学名で最も長いとされるものは51文字のGammaracan-thuskytodermogammarus loricatobaical-ensisという甲殻類ヨコエビの仲間だ。発音すれば「ガンマラカントゥスキトデルモガンマルス・ロリカトバイカレンシス」となる。(ソトコト


はかせ:ホッホッホッ、これはロマンのかけらじゃよ。

こうたくん:どこが?

はかせ:これはただのエッセイで、げんじつの「生ぶつ学」と、かんけいあるとは、かぎらないんじゃ。

こうたくん:なんだ~。じゃあうそなの?

はかせ:いやいや、「もっとも長いとされる」と、大じなところはだんげんしておらん。「生ぶつ学」の話ではないが、ウソでもないぞい。

こうたくん:じゃあ、いちばん長い名前は、ほんとにこのヨコエビなの?

はかせ:それはどうかのう。ちょっとしらべてみるぞい。



しつもん

はかせ:「ガンマラカントゥスキトデルモガンマルス・ロリカトバイカレンシス」は長すぎるので、これから[K1]と書いてあったら、これのことじゃと思ってくれい。

こうたくん:うん。

はかせ:この話は、メアリー・ジェーン・ラスバンさんが「どうぶつ めい名ほう 国さい しんぎ会」にしつもんをしたところから、はじまるようじゃのう。ラスバンさんといえば、カニかいわいでちょうゆう名なアメリカのけんきゅうしゃだぞい。

こうたくん:どうぶつ…めーめー?

はかせ:どうぶつに学名をつけるときに、おきることがある、いろいろむずかしいこと話しあうための、あつまりのことじゃよ。

こうたくん:ふーん。何があったの?

はかせ:ラスバンさんのしつもんは「ディボフスキィさんが Dybowski (1926a) でヨコエビにつけた学名はこのままでいいのか?」というのじゃのう。たとえばこんな名前じゃ。

  • Siemienkiewiczieshinogammarus siemienkiewitshi
  • Cancelloidokytodermogammarus (Loveninuskytodermogammarus) loveni
  • Axelboeckiakytodermogammarus carpenteri
  • Garjajewiakytodermogammarus dershawini
  • Parapallaseakytodermogammarus borowskii var. dichrous
※以下、[R1]~[R5]

こうたくん:げー、なにこれ。きもちわるっ。ダメにきまってんじゃん。

はかせ:そしてこれが Dybowski (1926a) にのってる「ぞく」の、いちらんなわじゃが、

I. Genus Boeckia Grimm.
II. Genus Siemienkiewicziella Dyb.
III. Genus Sowicnskiella Dyb.
IV. Genus Paradoxogammarus nov. gen. Dyb.
V. Genus Hyalellopsis Stebb.
VI. Genus Crypturopus Sow.
VII. Genus Micruropus Stebb.
VIII. Genus Baicalogammarus Stebb.
IX. Genus Microgammarus Sow.
X. Genus Echiuropus Sow.
XI. Genus Brandtha Bate
XII. Genus Rugosogammarus Dyb.
XIII. Genus Morawitzigammarus Dyb.
XIV. Genus Smaradinogammarus Dyb.
XV. Genus Paramicruropus Stebb.
XVI. Genus Pentagonurus Sow.
XVII. Genus Hakonboeckia Stebb.
XVIII. Genus Gymnogammarus Sow.
XIX. Genus Plesiogammarus Stebb.
XX. Genus Sukaczewigammarus Dyb.
XXI. Genus Poekilogammarus Stebb.
XXII. Genus Ignotogammarus Dyb.
XXIII. Genus Pictogammarus Dyb.
XXIV. Genus Sophianosigammarus Dyb.
XXV. Genus Bifasciatohammarus Dyb.
XXVI. Genus Branchialogammarus Dyb.
XXVII. Genus Hyacinthinogammarus Dyb.
XXVIII. Genus Ommatogammarus Stebb.
XXIX. Genus Kietlinskigammarus Dyb.
XXX. Genus Pulexogammarus Dyb.
XXXI. Genus Macropereiopus Sow.
XXXII. Genus Ursinopereiopus Dyb.
XXXIII. Genus Pristipereiopus Dyb.
XYXIV. Genus Odontogammarus Stebb.
XXXV. Genus Cyanogammarus Dyb.
XXXVI. Genus Unguisetosogammarus Dyb.
XXXVI. Genus Stanislaviechinogammarus Dyb.
XXXVIII. Genus Kietlinskiechinogammarus Dyb.
XXXIX. Genus Laeviechinogammarus Dyb.
XL. Genus Sophiaeechinogammarus Dyb.
XLI. Genus Lividoechinogammarus Dyb.
XLII. Genus Aheneoechinogammarus Dyb.
XLIII. Genus Ceratogammarus Sow. —Ceratoechinogammarus Dyb.
XLIV. Genus Leucophtalmoechinogammarus Dyb.
XLV. Genus Leptoceroechinogammarus Dyb.
XLVI. Genus Ibexoechinogammarus Dyb.
XLVII. Genus Crassicornoechinogammarus Dyb.
XLVIII. Genus Parvoechinogammarus Dyb.
XLIX. Genus Ibexiformiechinogammarus Dyb.
L. Genus Czerskiechinogammarus Dyb.
LI. Genus Maackiechinogammarus Dyb.
LII. Genus Strenuechinogammarus Dyb.
LIII. Genus Toxophthalmoechinogammarus Dyb.
LIV. Genus Longicornoechinogammarus Dyb.
LV. Genus Polyartroechinogammarus Dyb.
LVI. Genus Parvexigammarus Dyb.
LVII. Genus Nematoceroechinogammarus Dyb.
LVIII. Genus Kuzuniezowiechinogammarus Dyb.
LIX. Genus Capreoloechinogammarus Dyb.
LX. Genus Stenophthalmoechinogammarus Dyb.
LXI. Genus Schamanensiechinogammarus Dyb.
LXII. Genus Saphiriniechinogammarus Dyb.
LXIII. Genus Viridiechinogammarus Dyb.
LXIV. Genus Viridiformiechinogammarus Dyb.
LXV. Genus Vittatoechinogammarus Dyb.
LXVI. Genus Siemienkiewicziechinogammarus 
LXVII. Genus Petersiechinogammarus Dyb.
LXVIII. Genus Violaceoechinogammarus Dyb.
LXIX. Genus Sarmatoechinogammarus Dyb.
LXX. Genus Graciliechinogammarus Dyb.
LXXI. Genus Swartschewskiechinogammarus Dyb.
LXXII. Genus Ussolzewiechinogammarus Dyb.
LXXIII. Genus Cornutokytodermogammarus Dyb.
LXXIV. Genus Eucarinogammarus K. G. Dyb.
LXV. Genus Rhodophthalmo K. G. Dyb.
LXXVI. Genus Pulchello K. G. Dyb.
LXXVII. Genus Cheiro K. G. Dyb.
LXXVIII. Genus Bronislavia (Rakowski) K. G. Dyb.
LXXIX. Genus Coniurogammarus Sow. C. K.G. Dyb.
LXXX. Genus Conipleono C.K. G. Dyb.
LXXXI. Genus Ruber K. G. Dyb.
LXXXII. Genus Reissneri K. G. Dyb.
LXXXIII. Genus Parabrandtia K. G. Dyb.
LXXXIV. Genus Axelboeckia Stebb. K. G. Dyb.
LXXXV. Genus Gammaracanthus Bate K. G. Dyb.
LXXXVI. Genus Korotniewi G. K. Dyb.
LXXXVII. Genus Flavo K. G. Dyb.
LXXXVIII. Genus Neo K. G. Dyb.
LXXXIX. Genus Zienkowiczi K. G.
XC. Genus Garjajewia Sow. K. G. Dyb.
XCI. Genus Roseo K. G. Dyb.
XCII. Genus Dryshenkoi Garj.
XCIII. Genus Meyeri K. G. Dyb.
XCIV. Genus Nigro K. G. Dyb.
XCV. Genus Radoszkowski K. G.
XCVI. Genus Platytropo K. G. Dyb.
XCVII. Genus Armato K. G. Dyb.
XCVIII. Genus Cancelloido K. G. Dyb.
XCIX. Genus Pallasea Bate K. G. Dyb.
CI. Genus Acanthogammarus Stebb. Acantho K. G. Dyb.
CII. Genus Puzylli K G. Dyb.
CIII. Genus Parapallasea Stebb.
CIV. Genus Dawydowi K. G. Dyb.
CV. Genus Varinurus Sow. Carinuro K. G. Dyb.


こうたくん:長っ。

はかせ:ふしぎなことに、ラスバンさんは「原記さい」としてこのろん文を引用してるはずなのに、本当にのってる学名は[R1]しかないぞい。

こうたくん:元気なの?

はかせ:ちがわい!その「しゅ」を「記さい」したろん文、つまりこれらのヨコエビに名前をつけた「けっていてきしゅん間」じゃ。

こうたくん:じゃあ、めーめーなんとかとは、かんけいないの?

はかせ:いくつかパターンがあるようじゃのう。バブァーさんによると、ディボフスキィさんがつけた学名を「しんぎ会」がむこうにしたのは、つぎの4つだそうじゃ (Barbour 1943)。

  • Leucophthalmoechinogammarus leucophthalmus
  • Stenophthalmoechinogammarus stenophthalmus
  • Cornutokytodermogammarus cornutus
  • Brachyuropushkydermatogammarus grewinglii mnemonotus
※以下、[B1]~[B4]

はかせ:じゃが、ラスバンさんの[R1]~[R5]と同じ学名は、1つもないんじゃ。Dybowski (1926a) には1つだけ同じ学名が、のっておるがのう。

こうたくん:長いヨコエビの名前は、けっきょくどうなってるの?

はかせ:ヨズヴィアクさんが言うには、Dybowski (1926a) がつけた6つの学名を「しんぎ会」がむこうにして、同じろん文で名前がつけられた、あの長ったらしい[K1]は、むこうになってない、とのことじゃ (Jóźwiak et al. 2010)。

  • Crassocornoechinogammarus crassicornis
  • Parapallaseakytodermogammarus abyssalis
  • Zienkowiczikytodermogammarus zienkowiczi
  • Toxophthalmoechinogammarus toxophthalmus
  • Siemienkiewicziechinogammarus siemenkiewitschii
  • Rhodophthalmokytodermogammarus cinnamomeus
※以下、[J1]~[J6]

はかせ:じゃが、この中にラスバンさんの学名は[R1]しかないんじゃ。

こうたくん:どういうこと?みんなへんだよ?

はかせ:ヨバブァーさんもズヴィアクさんも、何かかんちがいをしてるとしか、かんがえられんのう。

こうたくん:つかれてたの?

はかせ:1つたしかなのは、こうたくんがさいしょに言っていた[K1]は、Dybowski (1926a) にも、ラスバンさんの[R1]~[R5]にも、本当はのってなかったということじゃ。

こうたくん:長すぎてダメになったからじゃないの?

はかせ:むこうになったという記ろくも、そもそも本当にあったしょうこも、何もないんじゃ。

こうたくん:わけがわからないよ。



「つみ」なき「つみ」

はかせ:ちなみに「Gammaracan-thuskytodermogammarus loricatobaical-ensis」というハイフネーションは「ソトコト」のあの記じオリジナルのようじゃ。

こうたくん:よこぼうがあるのは、うそってこと?

はかせ:そうでもないんじゃ。どうぶつでは今でこそゆるされないが、古い学名には Polygonia c-album みたいにハイフンが入ったものがある。

こうたくん:なんだ!よこぼう、あってもいいの?

はかせ:じゃか、このハイフンは「C」と「白」というように、べつのことばをつなぐように入っとるぞい。「ソトコト」のハイフネーションは、ことばのつながりとは、かんけいないところに入っておる。日本ごにすると、だいたいこんなかんじじゃ。


Gammaracan-thuskytodermogammarus 

ヨコエビ トゲあり 革質の ヨコエビ

loricatobaical-ensis

鎧を着た バイカル 産の


はかせ:acan-thus」は、ことばのとちゅうでハイフンが入っていて、ふしぜんじゃ。さいごの「baical-ensis」はたしかにハイフンを入れることはできるが、それよりも、その前のことばとの間に入れるほうが、くぎりとしてはしぜんじゃ。

こうたくん:「?」はどうしたの?

はかせ:「kyto」が何をいみするのか分からなかったんじゃ。くすぶるとか、やけるとか、そういういみとは思うんじゃが…

こうたくん:だっさ。

はかせ:うるさいわい!

こうたくん:じゃあ、その「-」がないのが本当なの?

はかせ:ハイフンがない[K1]がネットにあらわれるのは、21せいきからじゃ。2001年にはこういう記じがあったぞい。しらべたかぎり、これが[K1]のいちばん古いものらしい。

ひろきくん:でもこれ、こんきょが分からないっすね・・・

こうたくん:あれ、ひろきくん、いつの間に?

はかせ:うむ。さっきたしかめたとおり、ディボフスキィさんもラスバンさんも、本当は[K1]の話をしてなかったわけじゃ。

ひろきくん:この記じが、1から学名をつくったんですかね・・・

はかせ:そのことなんじゃが、[K1]のもとネタは、Dybowski (1926a) の「Gammaracanthus loricato-baicalensis」のことかもしれん。

こうたくん:これも長いじゃん!

はかせ:この学名は Dybowski (1926c) では「Gammaracanthus loricatus baicalensis」となっておるが、もともとこの「へんしゅ」に名前をつけたのはソウィンスキィさんで、ディボフスキィさんではないんじゃ (Sowinsky 1915)。[K1]はディボフスキさんがつけた名前と言われてるが、そこも話がもられているようじゃ。ちなみにもう1つ Dybowski (1926b) は「アカントガンマルス あか」の「Carinurus ぞく」をとりあげたもので、ぜんぜんかんけいないぞい。

こうたくん:キャラふえすぎて、入ってこないよ。

はかせ:ちなみに、このloricato-baicalensis」のハイフンの入れかたは「ソトコト」とはちがって、よりしぜんなばしょに入っておる。

ひろきくん:1927年というせつも、あるみたいっすね・・・

はかせ:がい当する文けんは、どうやら、そんざいしないようじゃ。10月にとうこうされた Dybowski (1926c) を、1927年のしゅっぱんだと、かんがえた人がいるようじゃ。

こうたくん:それからそれから?

はかせ:2009年12月には、クレタ大学の Poulakakisさんが[k1]を話だいにしたこうぎスライドをネットにあげておる。

こうたくん:学こうのじゅぎょうなの?

はかせ:そうみたいじゃのう。このスライドはラスバンさんのしつもんの「画ぞう」をはってるし、Dybowski (1926a) を引用してるんじゃが、今まで言ってきたように、これらに[K1]はのっていないはずじゃ。こんきょになってないんじゃ。

こうたくん:そうなの?

はかせ:2010年あたりには、この長ったらしい[K1]が「しんぎ会」でみとめられなかったことが、きせいじじつになっていくぞい。

こうたくん:こんきょがないのに?

はかせ:2014年には「だいきげんじほう」が目をつける。これで知った人も多いきがするのう。日本で[K1]が広まっていったのは、おそらく2015年からじゃ。

ひろきくん:長い[K1]は、引用文けんといっしょに、日本ばんウィキペディアにものってますよね・・・

はかせ:このウィキの内ようは、2017年3月に「ヨコエビ」のこう目へ、ついかされたぞい。そして引用文けんは、2019年1月についかされたわけじゃが、Poulakakisさんのスライドと同じで、こんきょはないんじゃ。そして今は、書きなおされておる。

こうたくん:えっ?ウィキペディアに書いてあることはぜんぶ正しいんじゃないの?

はかせ:いやいや、ウィキは、しろうとが書いている、いいかげんなサイトじゃわい。



けつろん

ひろきくん:ふたしかな話が、「生ぶつ学しゃ」もふくめて、広まってしまったんですね・・・

はかせ:ウィキや「ソトコト」のような「科学っぽい」記じが、ちゃんと作られなかったことが、もんだいじゃのう。ふつう「分るい」をせんもんにする「分るい学しゃ」は、けんきゅうのなかで「分けん」をよまず話をすすめることは、ありえないんじゃ。あの学名は「てきかく名」じゃないから、正しくあつかおうという心がけが足りず、手をぬいたのかもしれん。

こうたくん:いいかげんな人、多いんだね。

はかせ:ヨコエビの分るいは、こみ入っておるからのう。「ソトコト」のエッセイストはせんもん外の人じゃし、「原記さい」をよまないのは、むりもないと思うぞい。それはともかく、ウィキのほうは、それなりにヨコエビをべんきょうしてたはずじゃから、このまちがいは「たいまん」としか言いようがないのう。

こうたくん:どこをどうまちがえたら、ああなるの?

はかせ:[K1]は、今もつかわれている「Gammaracanthus」に「kytodermogammarus」をつけたものみたいじゃ。「ロリカトバイカレンシス」は、Dybowski (1926a) にある「loricato-baicalensis」のことみたいだのう。じゃがこれはもともと「loricatus baicalensis」として「しゅ」「へんしゅ」をならべていたものを、なぜかハイフンでつないだものだぞい。

  • [K1] Gammaracanthuskytodermogammarus loricatobaicalensis
  • [D1] Dybowski (1926)  Gammaracanthus loricato-baicalensis

ひろきくん:ほかのは、どうなんすかね・・・

はかせ:ラスバンさんが「しんぎかい」にあげた[R1]~[R5]のうち、 Dybowski (1926a) には[R1]だけ同じ。[R2]~[R5]は「ぞく」の頭だけ同じじゃ。

  • [R1] ICZN (1929) Siemienkiewiczieshinogammarus siemienkiewitshi 

 =[D2] Dybowski (1926)  Siemienkiewicziechinogammarus siemienkiewitshi


  • [R2] ICZN (1929) Cancelloidokytodermogammarus (Loveninuskytodermogammarus) loveni
  • [D3] Dybowski (1926)  Cancelloido loveni

  • [R3] ICZN (1929) Axelboeckiakytodermogammarus carpenteri
  • [D4] Dybowski (1926)   Axelboeckia carpenteri

  • [R4] ICZN (1929) Garjajewiakytodermogammarus dershawini
  • [D5] Dybowski (1926)  Garjajewia dershawini

  • [R5] ICZN (1929) Parapallaseakytodermogammarus borowskii var. dichrous
  • [D6] Dybowski (1926)  Parapallasea borowskii var. dichrous

 

はかせ:バブァーさんの[B1]~[B4]のうち、[B4]だけ Dybowski (1926a) に同じ名前がない。[B2]は「ぞく」だけラスバンさんの[R2]と同じじゃ。

  • [B1] Barbour (1943) Leucophthalmoechinogammarus leucophthalmus

 =[D7] Dybowski (1926)  Leucophthalmoechinogammarus leucophthalmus 


  • [B2] Barbour (1943) Stenophthalmoechinogammarus stenophthalmus

 =[D2] Dybowski (1926)  Stenophthalmoechinogammarus stenophthalmus  

  • [R1] ICZN (1929) Siemienkiewiczieshinogammarus  siemienkiewitshi

  • [B3] Barbour (1943) Cornutokytodermogammarus cornutus

 =[D8] Dybowski (1926) Cornutokytodermogammarus cornutus 


  • [B4] Barbour (1943) Brachyuropushkydermatogammarus grewinglii mnemonotus
  • [D9] Dybowski (1926) Brachyuropus grewinglii mnemonotus  


はかせ:ヨズヴィアクさんの[J1]~[J6]のうち、ラスバンさんと同じなのは[J5]だけ、Dybowski (1926a) と同じなのは[J1]だけで、あとはDybowski (1926a) とよくにているが、べつものじゃ

  • [J1] Jóźwiak et al. (2010) Crassicornoechinogammarus crassicornis

 =[D10] Dybowski (1926)  Crassocornoechinogammarus crassicornis


  • [J2] Jóźwiak et al. (2010)  Parapallaseakytodermogammarus abyssalis
  • [D11] Dybowski (1926)  Parapallasea abyssalis 

  • [J3] Jóźwiak et al. (2010) Zienkowiczikytodermogammarus zienkowiczi
  • [D12] Dybowski (1926)  Zienkowiczi zienkowiczi

  • [J4] Jóźwiak et al. (2010) Toxophthalmoechinogammarus toxophthalmus

 =[D13] Dybowski (1926)  Toxophthalmoechinogammarus toxophthalmus


  • [J5] Jóźwiak et al. (2010) Siemienkiewicziechinogammarus siemenkiewitschii

 =[R1] ICZN (1929) Siemienkiewiczieshinogammarus siemienkiewitshi 

 =[D2] Dybowski (1926)  Siemienkiewicziechinogammarus siemenkiewitschii

  • [J6] Jóźwiak et al. (2010) Rhodophthalmokytodermogammarus cinnamomeus
  • [D14] Dybowski (1926)  Rhodophthalmo cinnamomeus


はかせ:名前の後ろによけいにつけられがちなのは「kytodermogammarus」じゃな。これは、Dybowski (1926a) にのっている「Cornutokytodermogammarus」の後ろと、まったく同じじゃから、もとネタかもしれんのう。このぶぶんが、じっさいの学名につけられて、じっさいにはない、長い名前がつくられてきたようじゃ。

こうたくん:そうなんだ。

はかせ:バブァーさんのろん文からわかるように、ラスバンさんのしつもんから20年もたってないのに、話はかならずしも正しくつたわってないんじゃ。その後、ネットにあがってくる2000年台の間に[K1]のうわさが、出来上がったのかもしれんのう。じゃが、そのしんそうまでは、たどることができんかったぞい。

ひろきくん:でも・・・いっぱんの人が、じょうだん半分に楽しんでいる「としでんせつ」に、ここまでやるひつよう、ありますかね・・・ウィキペディアとかのネット記じはしょせんは「しろうと」ですし、「ソトコト」にしてもせんもん外の人が書いた「エスディージーズのエッセイ」ですし・・・

はかせ:科学をよそおった「としでんせつ」によくあるのが、ソースを見ないことや、ニセのソースをでっちあげることなんじゃ。日ごろからソースふめいの「科学だんぎ」になれきってしまうと、「エセ科学」にのみこまれる人を、ふやしてしまうかもしれんぞい。

こうたくん: そうなんだ!帰ったらお母さんにも教えてあげようっと。



(ついしん)

 ウィキまちがってた。ごめんね。


<さんこうぶんけん>

— Barbour, T. 1943. The Sea and the Cave. The Atlantic monthly, 99–103.

— Dybowski, B. 1926a. Spis synoptyczny i krótkie omówienie rodzajów i gatunko'w kiełży Bajkału.—Synoptisches Verzeichnis mit kurzer Besprechung der Gattungen und Arten dieser Abteilung der Baikalflohkrebse. Bulletin of the Polish Academy of Sciences, Scientific Letters B: 1–77. 

— Dybowski, B. 1926b. Prazyczynek do znajomości kiełży Bajkału. Rodzaj Paramicruropus (Stebbing). —Beitrag zur Kenntnis der Gammariden des Baikalsees. Die Gattung Paramicruropus (Stebbing). Bulletin of the Polish Academy of Sciences, Scientific Letters B: 79–94.

— Dybowski, B. 1926c. Uwagi i uzupełnienia do mojej praci o kiełżach bajkałskich —Bemerkungen und Zusätze zu meinen Arbeiten über die Gammariden des Baikalsees: 1924–1926. Bulletin international de l'Académie Polonaise des Sciences et des Lettres, Classe des Sciences Mathématiques et Naturelles, Série B, Sciences naturelles, 8B, S: 673–700.

— Dybowski, B. 1927. Bemerkungen un Zusatze zu meinen Arbeiten uber die Gammariden des Baikalsees. 1924–1926. Bulletin International de l'Academie Polonnaise des Sciences et des Lettres, Classe des Sciences Mathematiques et Naturelles, Serie B: Sciences Naturelles, 1927, 8B: 673–700.

International Commission on Zoological Nomenclature 1929. Opinion 105. Dybowski's (1926) Names of Crustacea Suppressed. Opinions Rendered by the International Commission on Zoological Nomenclature: Opinions 105 to 114, Smithsonian Miscellaneous Collections, 73: 1–3,

— Jóźwiak, P.; Rewicz, T.; Pabis, K. 2010. Inspiracje I osobliwości naukowego nazewnictwa zoologicznego. Kosmos, 59(1–2) (286–287): 39–59.

— Sowinsky, V. K. 1915. Amphipoda ozera Baikala (Sem. Gammaridae). Zoologicheskiye issledovaniya ozera Baikala, IX., Kiev, 381 pp. 37 pls.

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補遺 (15-VIII-2024)
・一部書式設定変更。

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「よこえびたんていだん」シリーズ

 ネットにただようヨコエビ(とか)のうわさを、じゅんすいすぎるこうき心をもった「はかせ」と「こうたくん」がすきかってにきりまくる!よむ人みんなをこんわくにつつみこむ、マイナー分るいぐんエンターテインメントここにばくたん!

だい1話「ダイダラボッチのなぞ」

だい2話「めいきゅうのヨロイヨコエビ」

だい3話「ようぎしゃ フトヒゲソコエビ」

だい4話「エイリアンとタルマワシ」

2022年8月23日火曜日

エイリアンとタルマワシ(8月度活動報告)

 

 ~ とう場人ぶつ ~
 
こうたくん
ヨコエビのことが気になっている男の子。


ひろきくん
さいきん、こうたくんやはかせと、あそぶようになった男の子。
あまりしゃべらないけど、するどい。


ひばりちゃん
 うつりぎな女の子。
ウミノミがすき。
 
 
よこえびはかせ
ヨコエビの本やひょうほんをいっぱいもっている。
ヨコエビのことにくわしくて、何でもしらべて教えてくれるけど、
そのほかのことにはまるっきりきょうみがないんだ。


~~~~~~~


よこえびたんていだん


だい4話 エイリアンとタルマワシ





じけんはっ生



こうたくん:はかせ!えい画に出たヨコエビがいるんだって!

はかせ:どれどれ、見せてごらん。

 



はかせ:ホッホッホ、こうたくん、これはタルマワシじゃよ。

こうたくん:タルマワシ?

ひばりちゃん:しん海生ぶつずかんとかにのってるやつ。かな。

こうたくん:・・・だれ?

ひばりちゃん:いいだ ひばり です。

こうたくん:せち こうた です。

はかせ:ひばりちゃんはときどき、ヨコエビとかウミノミの本を読みに来るんじゃよ。

こうたくん:ウミノミって、あの足をかじるやつ?

はかせ:それは、ごやくじゃったという話を、した気がするのう。ともかく、ヨコエビとウミノミはべつの生きものの名前なんじゃよ。そしてタルマワシは、ウミノミのほうのなか間なんじゃ。

こうたくん:じゃあ、えい画に出たのはウミノミってこと?

はかせ:どうじゃろうのう。ちなみに、こうたくんが見たのはこれかの?



こうたくん:そうそう!うちゅうせんがよその星?についたとこで、ねちゃった。

ひろきくん:ありえんほど、じょばんですね…。

こうたくん:ひろきくん、いたんだ。




かくにん

ひばりちゃん:「エイリアンのモデルはタルマワシ」って、テレビで水中しゃしん家の人が言ってた気がするかな。

はかせ:ツイッターでは日本のはくぶつかんのアカウントがそういうことを言っておったし、海外の「エイリアン」のデータベースにも書いてあるぞい。せかいさい大の学じゅつ組しきとも言われるスミソニアンきょう会も、「うわさ」としてしょうかいしておる。

ひばりちゃん:じゃあ、間ちがってないのかな。

はかせ:ちょっとしらべてみるかのう。「エイリアン」のえい画ではいろいろなデザイナーがしごとをしたみたいじゃが、「ゼノモーフ」のデザインはギーガーさんという画家のイラストが元になっているようじゃのう。

こうたくん:ゼノモーフ?

はかせ:いわゆる「エイリアン」のことじゃよ。

こうたくん:これゼノモーフっていうのか!

はかせ:ゼノモーフ、つまりエイリアンにはいろいろな形があるし、えい画のタイトルも「エイリアン」でまぎらわしいから、だい1作目のエイリアンだい3形たいのことは「ビッグチャップ」と、よぶことにするかのう。



はかせ:ギーガーさんの絵を気に入ったきゃく本家が、えい画につかうセットやきぐるみなんかを作るときに、ビッグチャップをふくめて、ギーガーさんにデザインをたのんだみたいじゃ。『ギーガーズ・エイリアン』のギーガーさんの日記には、このように書いてあるのう。

私はついていたのだ。画家仲間のボブ・ヴェノーサは,シュールレアリストのサルバドール・ダリの家にしばしば招待されていたが ふたりは同じ町,スペインのタガクに住んでいたのだ  あるとき私の作品カタログを彼に見せた。そしてダリに私の作品をどう思うかと尋ねた。ダリは明らかにそれを気に入ったようで,そのカタログをフランク・ハーバートのSF小説,『デューン』三部作の映画化を考えていたプロデューサーのアレハンドロ・ホドロフスキーに見せた。(中略)ホドロフスキーは私やほかの何人かが仕上げたものを携えて,プロデューサーを探すためアメリカに飛んだ。彼には運が味方しなかったとみえて,その後彼に会ったことはない。私の手に残った唯一のものは,もうひとりのがっかりした男(『デューン』では特殊効果を担当することになっていた)の住所だけだった。その男の名はダン・オバノン,『エイリアン』の作者である。(中略)

1977年7月 ハリウッドのダン・オバノンから,まったく予期していなかった電話が入った。(中略)話の内容は,彼の新しい映画『エイリアン』についてだった。(中略)『エイリアン』の恐ろしいモンスターたちは私に作られるべきだと提案した。

はかせ:『ギーガーズ・エイリアン』によると、そのあと7月11日にオバノンさんから手紙がとどいたようじゃのう。そこに、ギーガーさんにデザインしてほしいものが書いてあったそうじゃ。『メイキング・オブ・エイリアン』によると、こんなかんじだったそうじゃ

エイリアン(第3形態):宿主の身体から抜け出たエイリアンは急速に、人間の成人と同等のサイズにまで成長。この段階では非常に危険な生物と化している。あちこち動き回り、頑強で、人間をバラバラに引き裂くことも可能。人肉を食料とする。この生物は野卑で醜悪な、嫌悪感を抱かせる外見だ。プロデューサーは、巨大な奇形児のような感じにすれば忌まわしいイメージが出せるかもしれないと提案している。とにかく遠慮なく独自のデザインを編み出してほしい。

ひばりちゃん:タルマワシっぽいオーダーは、ないのかな。

はかせ:そこまでのしじはなかったみたいだのう。『ギーガーズ・エイリアン』にはその後のながれが書いてあるんじゃ

私は説明図やスケッチや模型を作ってオバノンの許に送り,そして待った。

ハリウッドからはなんの返事もなかった。ちょうど私の本,ネクロノミコン1(HRGiger’s Necronomicon 1)のフランス版が出たばかりだったので,できたての,まだインクが乾ききっていないものをオバノンに送った。

はかせ:エイリアン」のきゃく本を書いたオバノンさんがギーガーさんに、たまごがたくさんあった「いきせん」やゼノモーフのデザインをたのんだのは間ちがいないようじゃが、どうやらビッグチャップの元になったデザインは、その前からじゅんびされていた『ネクロノミコン1』という本の中の「ネクロノームⅣ」という絵のようじゃのう。

ひばりちゃん:それがタルマワシっぽかったのかな。

はかせ:『ネクロノミコン1』によると、「ネクロノームⅣ」は1976年に書かれたもののようじゃが、タルマワシがモチーフになっているとは書いてないぞい。

ひばりちゃん:じゃあ、モチーフは何なのかな。

はかせ:かいせつには、人間の体のパーツと、きかいのぶひんを組み合わたもの、と書いてあるんじゃ。「ネクロノームⅣ」を見ても、あえてタルマワシのようそをさがすより、人の体ときかいのイメージで、せつめいができると思うぞい。

ひばりちゃん:ギーガーのほかに、ゼノモーフのデザインこうほは、なかったのかな。

はかせ:そうじゃのう、じつはオバノンさんがきゃく本を書きはじめてから、ギーガーさんに手紙をおくるまでの間に、べつのすがたの「かいぶつ」が書かれたこともあったんじゃよ。

こうたくん:どういうこと?

はかせ:『メイキング・オブ・エイリアン』にはこのように書いてあるのう。オバノンさんは「クローンびょう」にかかっていて、友だちのシャセットさんの家で休ようしながら、きゃく本を書いてたみたいじゃ。

オバノンとシャセットは(中略)爆撃機が帰還途中に黒い嵐雲の中で隊からはぐれ、機内に忍び込んだ小さな悪魔に襲われるという展開になった。この凶悪な生物は機体後部の機銃塔から侵入し、機内を進みながら、遭遇した乗組員をひとり、またひとりと殺していく。

はかせ:『エイリアン|アーカイブ』には、その後のきゃく本について書いてあるんじゃ。

オバノンは「Star Beast(スター・ビースト)」と題した脚本を仕上げる。オバノンが監督、シャセットがプロデュースする計画で、独力で資金を集めようとしていた。しかし、オバノンは資金を調達するには何らかのビジュアル素材が必要だと考えた。それでオバノンは著名なイラストレーターで、ロサンジェルス・フリー・プレス紙の政治風刺漫画家だったロン・コブ(Ron Cobb)に頼み、脚本と一緒に送れるようなカラーイラストを依頼した。

はかせ:『メイキング・オブ・エイリアン』によると1976年の春ごろにえがかれたコブさんのイラストでは、かいぶつのすがたは「うろこ」におおわれた、はちゅうるいのようなイメージだったようで、タルマワシとはかんけいないんじゃ。そしてこれが、その「スター・ビースト」のあらすじと思われるのう。

乗組員たちは墜落した宇宙船の残骸と痩せこけたパイロットの亡骸を発見する。そして奇妙な形の頭蓋骨を自分たちの船に持ち帰るのだが、その頭蓋骨の内部に恐ろしい微生物が宿っており、それが急激に成長することは知る由もなかった。地球に向けて航行を開始するなり、その微生物が動き始める。

はかせ:このプロットはだいぶ「プロメテウス」っぽいのう。『メイキング・オブ・エイリアン』によると、その後、たねをうえつけられるアイディアが出てきたようじゃ。

「ダンは『ここで諦めちゃダメだよ。良い案が出かかってる。そんな気がする』と訴えた(中略)僕はダンのもとに駆け寄って、こう伝えた。『アイデアが浮かんだんだよ。謎の生命体は乗務員のひとりと<交わる>んだ。相手の顔に飛び乗って<種>を体内に植え付けるんだ』と」シャセットは当時の詳細をこのように語った。

はかせ:このアイディアができてから、タイトルも「エイリアン」にかわって、その後にギーガーさんへ手紙がおくられたみたいじゃのう。じゃが、『ネクロノミコン』がオバノンさんにとどいてからしばらくしても、まだビッグチャップのデザインには、きまっていなかったようじゃ。『ギーガーズ・エイリアン』にはこのように書いてあるぞい。

1787年(※注)2月23日,シェパートン・スタジオ(中略)まず第一に,『エイリアン』に登場するエイリアンがどんな姿をしているべきか定かでなかった。(中略)果しのない議論の末,エイリアンを昆虫のようなエレガントな形にしようということになった。(中略)

目の部分を前方から見たところは(図表番号省略),あまりにもオートバイ用のゴーグル然としている。これは黒く半透明の頭蓋に置き換えねばならなかった。頭蓋が長く延びて,前方に眼窩が見える(図表番号省略)

はかせ:この「ゴーグルっぽいかお」というのは、「ネクロノームⅣ」のイラストのことじゃのう。そこに、こん虫やとうがいこつのイメージを足して、ビッグチャップが出来上がったみたいじゃ。『エイリアン|アーカイブ』には、こんなコメントもあるんじゃ。

”地獄からやってきた、この黒いゴキブリを作ったのはギーガーだ” 

ロン・コブ

コンセプトアーティスト

はかせ:ちなみに、フェイスハガーやチェストバスターなど、ほかのゼノモーフについても、タルマワシとかかわりがありそうな話は、見つからなかったのう。

ひろきくん:「タルマワシ」というのは、見た目じゃなくて、べつのいみがあったりするんでしょうかね…

ひばりちゃん:あい手の中みを食べて子どもをそだてたり、にてるとこはあるかな。

はかせ:『メイキング・オブ・エイリアン』によると、ゼノモーフが人の体を食いやぶって生まれるのは、オバノンさんが「クローンびょう」のせいで、いつもおなかのいたみをかかえていたことが、かんけいあるみたいじゃ。そして、とうじオバノンさんが読んでいたという「エスエフ小せつ」「エスエフコミック」には、うちゅう生ぶつが人の体を食いやぶって出てくる話が、いろいろあるそうじゃ。タルマワシのえいきょうが、ぜったいなかったと言いきることはできんが、これだけほかのネタがあるのに、わざわざ引き合いに出すほどのこんきょもないのう。

ひろきくん:このひとによると、ビッグチャップより、「エイリアン2」にでてくる「エイリアンクイーン」のほうが、タルマワシににてるということです…

はかせ:たしかに、そのとおりに思えるのう。おなじことがマイケル・ボックさんののページにも書いてあって、さいしょに「クイーンのデザインはタルマワシが元になってる」という話が出たのは、デイヴィッド・アッテンボローさんのナレーションでゆう名なドキュメンタリーばん組「ブルー・プラネット」へのネットでのひひょうだった、と言われておる。

こうたくん:これできまりなの?

はかせ:じゃが、『エイリアン|アーカイブ』には、クイーンがタルマワシを元にしているとは、書いてないんじゃ

エイリアンクイーンはジェームズ・キャメロンのデザインに基づき、スタン・ウィンストンが監督の意向を取り入れて、デザインに忠実に造形した。(中略)「彼女はジムのコンセプト、構想、デザインなんだ。プロジェクトについて最初に話し合ったとき、ジムが美しい絵を見せてくれた。即座に気に入ったよ」

「拒食症の恐竜だと言った人がいた。仕方がないけれど、僕が思い描いていたのとは違う。実際、恐竜みたいな感じにするつもりもなかった。それだと少し、平凡で退屈になっただろうね。僕にとってクイーンは、ギーガーのデザインと、僕が欲しかったデザインの融合だ。大きくて力が強く、恐ろしくて、素早く動く雌の生物なんだ。醜悪で、なおかつ美しい。まるでクロゴケグモのように」と、キャメロン。

はかせ:『メイキング・オブ・エイリアン2』には、こんなこともかいてある。マハンさんはクイーンの「あたま」と「かお」、ローゼングラントさんは「うで」を、それぞれたんとうした、クリーチャーエフェクトコーディネーターじゃ。

マハンとローゼングラントはロンドン自然史博物館に赴き、インスピレーションを得るために化石のリサーチを行った。「先史時代から存在する魚、シーラカンスの化石を見て、思い浮かんだアイデアをスケッチしていった」と、マハンは語る。「そのシーラカンスが、エイリアン・クイーンの頭部に活かされているんだ。この博物館でのリサーチをもとに、僕らは頭部の彫刻にディテールを加えていった」

はかせ:そんなわけで、タルマワシではない生きもののイメージがあったようじゃ。

ひばりちゃん:ビッグチャップより、いろいろな生きもののイメージを活かすようになったのかな。

はかせ:『エイリアン|アーカイブ』には、とくしゅぞうけいコーディネーターのウッドラフさんのコメントも、のっておるんじゃ。

「物理的な構造の点から言うと、クイーンについてそれほどメカニカルな感じもなく、それほど完成された形でもない」と語るのはウッドラフ。「ギーガーのエイリアンが本質的には虫だったように、エイリアンクイーンの本質は甲殻類に近い。すごく細くてすごく貧弱な手足はそのままで、エイリアンの最初の見た目に比べると、海中生物らしさがある。だけど、原型は確かに同じで、顔だけはエイリアンの顔を思わる(※原文ママ)ものになっていた。うまく変化させたものだ」

はかせ:クイーンはビッグチャップを元にしながら、キャメロンさんが「クモっぽいかんじ」を入れたり、マハンさんが「シーラカンスのイメージ」を入れたりして、「こうかくるい」っぽく作り上げたもの、みたいじゃのう。キャメロンさんは学生じだいに「海よう生ぶつ学」をせんこうしておったようで、2009年の「アバター」ではパンドラのジャングルの中にクラゲのような生きものをとうじょうさせるなど、じぶんのえい画に「海よう生ぶつ」のイメージを入れたことがある。クイーンをデザインするときに、「海よう生ぶつ」があたまのかたすみにあったとしても、ふしぎではないと思うぞい。

ひばりちゃん:「ブルー・プラネット」より前から、「こうかくるい」ににてるという話があったなら、タルマワシとかんけいあるという話も、あったのかな。

はかせ:「ブルー・プラネット」のさいしょのほうそうは2001年じゃから、このせつでは2001年から2009年の間に「クイーンのモデルはタルマワシ」という話ができあがったことになるのう。えい画シリーズでは「エイリアン4」までこうかいされておるから、「エイリアン2」よりずっと後なんじゃ。ちなみに、『エイリアン|アーカイブ』を読んだかぎりでは、「エイリアン4」までに出てくるキャラクターにも、タルマワシのイメージが入ったものは、見あたらないぞい。

こうたくん:えっ、これできまりじゃないの?

はかせ:2011年にアイルランドのしん聞に「クイーンのモデルはタルマワシ」というきじがのったのがそうとうふるいんじゃが、2009年より前にエイリアンとむすびつけたコメントを見つけることはできなかったぞい。

こうたくん:なんだーちゃんとさがしたの?



すいり

はかせ:プリオサウルスさんは「エイリアンのデザイナーがタルマワシをモデルにした」と、はっきりかいてある本を見つけて、さらにべつのえい画がかんけいしているかも、とかんがえたようじゃな。じっさいに『うつくしいプランクトンのせかい』には、こう書いてあるぞい。

そして、タルマワシには風変わりなエピソードがある。フランスの漫画家メビウス(Moebius)がタルマワシの形態に触発されて描いた絵が、ハリウッド映画の大ヒット作「エイリアン」に登場するモンスターの元となったのだ。

はかせ:これの元になったしりょうがないか、さんこう文けんもかくにんしてみたんじゃが、えい画かんけいのものは見あたらなかったのう。げんしょもかくにんしたかったんじゃが、日本にはざいこがなくて、ゆ入もできないと、きの国やしょてんに言われてしまったぞい。

ひばりちゃん:メビウスという人が、キーパーソンなのかな。

はかせ:プリオサウルスさんも言っておるが、これまで見てきたとおり「エイリアン」に出てくるビッグチャップのデザインはギーガーさんが手がけたもので、メビウスさんはかんけいないはずじゃ。

ひばりちゃん:メビウスがエイリアンをデザインしたかのうせいは、ほんとうにないのかな。

はかせ:このサイトではしょきコンセプトにさんかしたとかいてあって、たしかに『エイリアン|アーカイブ』にはメビウスさんが書いた「わく星」や「いきせん」のしょきデザイン画ものっておる。じゃが、『メイキング・オブ・エイリアン』には、このように書いてあるのう。ちなみにスコットさんというのは、1作目「エイリアン」のかんとくじゃ。

 「メビウスには、映画全体の作業は引き受けられないが、宇宙服のデザインだけならやれると言われた」と、スコットは振り返る。(中略)

 「そうやってメビウスは宇宙服のデザインを描き、飛行機に乗ってフランスへ帰っていった」と、オバノンが顛末を説明する。「そのデザインは実際に採用されたが、メビウスとのかかわりも彼への支払いも、そこで終わりになった」

はかせ:『ギーガーズ・エイリアン』のギーガーさんの日記では、うちゅうふくをデザインしたメビウスさんとは1978年2月14日にホテルでかおを合わせたと、書いてあるんじゃ。ギーガーさんが「ネクロノームⅣ」を書いたり、オバノンさんにデザインをおくったりしたのは、それより前の話じゃからのう。「いきせん」のデザインもけっきょくギーガーさんがやることになったし、しりょうを見たかぎり、メビウスさんがビッグチャップのデザインにかかわったかのうせいは、ないと言ってよいじゃろう。まあ、『メイキング・オブ・エイリアン』にあるえい画のクレジットには、「いしょうデザイン」としてもメビウスさんはのってないようじゃから、クレジットに名まえがないだけでかんけいないときめつけることは、できんがのう。

こうたくん:なんだ、本はうそじゃん。

はかせ:プリオサウルスさんの話だと、えい画「アビス」にでてくるキャラクターのデザインはタルマワシとクラゲを合体させたような形をしとるから、デザイナーのメビウスさんつながりで「エイリアンのモデルはタルマワシ」という話になったんじゃないか、ということみたいじゃのう。

こうたくん:アビス?

はかせ:海をぶたいにした、エスエフえい画じゃよ。さっきの「エイリアン2」をふまえると、かんとくが「アビス」とおなじキャメロンさんという、きょうつうてんもあるのは、せっとく力としてかなり強いぞい。

ひろきくん:でも「アビス」と「エイリアン」って、間ちがえますかね…

はかせ:たとえば「かんとくがジェームズ・キャメロンでメビウスがデザインにかかわったえい画」みたいな話を聞いたときに、「エイリアン」を思いうかべるのは、正しいとはかぎらんが、むりもない気はするのう。

ひばりちゃん:じゃあ、メビウスがタルマワシを元に「アビス」の「うちゅう生ぶつ」をデザインしたのは、本とうなのかな。

はかせ:「アビス」のムック本『DANCING ON THE EDGE OF THE ABYSS』には、こう書いてあるのう。ジョンソンさんは、「アビス」の「うちゅう生ぶつ」のパペットを作った人じゃ。

キャメロン監督は地球外生物のデザインを何人ものアーチストとつくり出そうと何か月もかけた。「私の意図は天使のような異生物だった。(中略)興味ある形や模様を得るために、周囲の目を気にせず、高価なものから安価なものまであらゆる雑誌類に目を通した。イカからクラゲまで、ひかれるものはすべて見た。これらの生物が脅威的でなく美しいということが私にとって重要だった。(中略)メビウスのコンセプトは実際かなり愛らしかったが、私が望む特定のクオリティがなかった。私はそれらのクラゲのような、あるいはまったく未知の生物を人格化させたかったのだが、メビウスはその要求に抵抗したんだ」(中略)

「スタート時点でわかっていたのは、彼らが美しく、発光し、水中で機能し、まったく透けて見えるということだけだった」とジョンソンは言う。「きれいで発光し、水中にいる。この3つの要素を含んだ難しい作業をやらねばならなかった。ジムが選んだ大量の絵を渡されたが、それらすべてがエイや蝶のような外見だった(中略)」数週間が過ぎ、数か月がたったが、依然、承認されるデザインはなかった。(中略)

「最終デザインは脚本の中で描かれていた生物にとてもよく似ていた。デリケートな人間のような体をもち、広がった大きな羽と尻尾のある、透き通った流線形の生物だった。人間の全長より大きいが、頭が多少小さく、手や腕がかなり細かった。色を変え、模様をつくる、発光性の姿をしていたんだ。(中略)漂うマントのようなもののため、それはエイのようにも見えた。(以下鉤括弧まで省略)

はかせ:タルマワシがさんこうにされたとは、書いてないんじゃ。えい画のパンフレットにも、デザインのいきさつは書いておらんのう。

ひばりちゃん:そういわれてみると、「アビス」の「うちゅう生ぶつ」は、ほとんどエイみたいなものかな。

はかせ:画ぞうけんさくするといろいろイラストを見れるが、タルマワシに見えるかどうかは、人によるかもしれんのう。じゃが、「アビス」のデザインで海の生きものがとり入れられたのは、「うちゅう生ぶつ」だけじゃないぞい。「ぼせん」や「のりもの」、「ていさつてい」も、どくとくなコンセプトがつらぬかれておる。『DANCING ON THE EDGE OF THE ABYSS』には、こう書いてあるぞい。バーグさんはミニチュアデザインたんとうのスタッフじゃ。

「地球外生物の乗り物のインスピレーションは、いくつかの海洋微生物から得たものだった」とキャメロン監督は言う。「それらは地球的でなく、異様で視覚的におもしろい必要があった。(中略)たとえば乗り物が形を変える、いろんな幾何学的な状態や、エイのように動く羽のような構造など、多くのアイディアを検討した。(中略)」。(中略) 
「何年間もジムは何種もの海洋生物の写真を集めていた」とバーグは言う。「エイ型の乗り物はそれらのひとつをもとにしたもので、それは不気味な組織をもつ軟体動物だった。その生物自体のように、乗り物は透明な吹きガラスのような外見をもつ発光性のものだった。1・5~1・8㍍の翼長があり、ヘリコプターや偵察機のような機能をもつものだった。(中略)私のお気に入りは、ピンクで内部に球状の形をもつ、つばの垂れ下がるベレー帽に似たもので、エイリアンを載せる目に見えないコントロール脚やコックピットとして考えられた。ジムはそれに手を加えた。前部の先端周囲を変えて彼自身で絵を描き、腹部の下に取り入れ口がある、くぼんだ形を与えた。相互に連結した細い柄のワイン・グラスのような内装の特徴は、そのままだった」。(中略)「最初、偵察艇はリモコンで操作される、とても小さな乗り物になるはずだったが、結局、大きなバイクのサイズになってしまった。初めのアイディアは巨大なぞうり虫のようなものだった中略)」 



はかせ:「のりもの」と「ていさつてい」は、ムック本にもしゃしんなどはなくて、えい画のなかではみじかい間しか出ないのじゃが、エイのほかにはクシクラゲやサルパに見えなくもないのう。キャメロンさんがデザインをねり上げるよう子はこのように書いてあるのじゃが、「メビウスさんがタルマワシにしょくはつされた」とは、書いてなかったぞい。

こうたくん:じゃあ、うそなの?

はかせ:しょう言が見つからないだけかもしれんのう。いろいろな、うみの生きものをさんこうにしたみたいじゃから、タルマワシが目にふれなかったと言いきるのも、むずかしいと思うぞい。メビウスさんはざんねんながらすでになくなっておるから、しんそうは、ふかい海のようにくらいやみの中じゃ。

こうたくん:アッテンボローさんのやつはどうなったの?そっちがただしいの?

はかせ:「ブルー・プラネット」からの広まりは、大きかったんじゃろう。そもそも「メビウスさんデザインせつ」があって、それが「ブルー・プラネット」をきっかけにネットに広まったのかもしれんのう。

ひばりちゃん:ちょっとまって、ということは、ふかくじつな「うわさ」をはいじょすると、「アビス」と「エイリアン」をつなぐのは、メビウスじゃなくてキャメロンかんとくのかのうせいが高い、ということかな。

はかせ:そうじゃのう、もしかすると、「アビス」でキャメロンさんが「うちゅう生ぶつ」や「のりもの」にタルマワシのデザインをつかったという話があって、それがねじれて「エイリアン」になったのかもしれんのう。「しんそう」にせよ、「うわさ」にせよ、「エイリアン」ではなく「エイリアン2」から、タルマワシとむすびつけられたように思えるぞい。

ひばりちゃん:もし「アビス」でタルマワシを元にした「うちゅう生ぶつ」のデザインにかかわったキャメロンかんとくが、「エイリアン2」にそのイメージをもちこんだとしたら、「うわさ」ははんぶん「しんじつ」ということに、なるのかな。

はかせ:「エイリアン2」が「アビス」より、先に作られておるから、ありえないことになるのう。

ひばりちゃん:そうなんだ。

はかせ:もしかすると、キャメロンさんは「エイリアン2」で、本とうにエイリアンクイーンのデザインにタルマワシをつかったのかもしれんし、「こうかくるいみたい」というコメントが一人あるきしたのかもしれんのう。

ひばりちゃん:それにしてもタルマワシは、うちゅうせんみたいなサルパにすんでいたり、「うちゅう生ぶつ」っぽいとこはあるかな。

はかせ:さいしょに広まったのは、えい画「エイリアン」じゃなくて、「うちゅう生ぶつ」といういみで「エイリアン」に見える、という話だったのかもしれんのう。「ブルー・プラネットきげんせつ」が正しいとしても、もともと「うちゅう生ぶつっぽいイメージ」があったかもしれんからのう。

ひろきくん:なんか「きょくひどうぶつが、エイリアンのモデル」というせつも、あるみたいですね…

はかせ:たしかに、イギリスのしん聞のページにはこう書いてあって、ウミユリのしゃしんがそえられておるのう。

絵画「ネクロノームⅣ」を見たリドリー・スコットに見いだされ、エイリアンのクリエーターとなったスイスのシュールレアリスムアーティスト、ハンス・ルドルフ・ギーガーだが、彼のたくさんのデザインの一部は化石を元にしているといわれている。

はかせ:そもそもこの「いわれている」のこんきょがはっきりしないぞい。ウミユリに、にているのは「ネクロノームⅣ」が元になったビッグチャップではなくてフェイスハガーなんじゃが、これはギーガーさんがオバノンさんにたのまれてデザインしたものなんじゃ。たしかに『ネクロノミコン1』にはレリーフのような絵がたくさんあって「か石」のように見えるが、フェイスハガーはその後にえい画のためにデザインされたものじゃからのう。これは2013年のきじじゃが、こうしてあたらしい「うわさ」は作られつづけておるようじゃのう。




けつろん

ひばりちゃん:けっきょく「エイリアンのモデルはタルマワシ」は、しんようできる「しょうこ」が見つからなくて、しかも1作目の「エイリアン」については、ほとんど「しんぴょうせい」がないかんじ、かな。

こうたくん:なんだ、うそじゃん。

はかせ:すくなくとも『うつくしいプランクトンのせかい』に書いてあった「メビウスさんがエイリアンをデザインした」というのは、間ちがいじゃったのう。もしかするとギーガーさんはタルマワシを見たことがあったのかもしれんが、ご本人はもうなくなっていて、しんじつはうちゅうのように、くらいやみの中、なんじゃ。

ひばりちゃん:「エイリアン2」のクイーンは、ひょっとするのかな。

はかせ:キャメロンさんがタルマワシを元にデザインした「しょうこ」はないが、あたらしい「かせつ」にはなりうる気がするのう。

ひばりちゃん:「エイリアンのモデルはタルマワシ」と言いはじめた人も、けっきょくわからなかったかな。

はかせ:「エイリアン」にせよ「エイリアン2」にせよ、「うわさ」がどこからはじまったのか、たどれなかったのう。

ひばりちゃん:「アビスせつ」がただしいのかも、わからなかったかな。

はかせ:「うちゅう生ぶつ」も「のりもの」も、「しょうこ」はなかったし、そこまでにてるように見えんが、デザインが作られる「かてい」からかんがえると、タルマワシが元になったかのうせいはクイーンより高い気がするぞい。じゃが、それが「エイリアン」につながるようになった「けいい」は、はっきりせんかったのう。

こうたくん:せいかなしか、だらしないなあ。

はかせ:そうじゃのう、こんかいは手に入りやすい、ほんやくずみのムック本だけを読んだわけじゃが、ほかにもしらべようがあるはずじゃからのう。

こうたくん:ちょうさぶ足ってこと?

はかせ:えい画やドキュメンタリーばん組のしりょうをたくさんあつめられれば、何かわかったかもしれんぞい。どこかに「うわさ」の元になった、そのものズバリなインタビューがあるとも、思えるのう。

ひばりちゃん:それがあれば、かんぺきなのにね。

はかせ:じゃが、かんけいしゃのインタビューがたとえばぜんぶ手に入ったとしても、言ってることが食いちがうかのうせいはあるぞい。『エイリアン|アーカイブ』でも、出えんしゃと、せい作スタッフがわとの言いぶんが、ちがっていることがしょうかいされておる。

こうたくん:けっきょく、わからないってこと?

はかせ:人によっておぼえていることがちがったり、話をもったりするのは、しかたないと思うぞい。こういう、かんけいしゃしか「しんそう」がわからない話には、よくあることじゃ。

こうたくん:じゃあ、よの中のことは、ぜんぶ「わからない」ってこと?そりゃないよ。

はかせ:そうじゃのう、たとえば本などの活字に「しんそう」があれば、そこだけは「わかる」と言うことができるぞい。

こうたくん:どういうこと?

はかせ:「エイリアンのモデルはタルマワシ」が「しんじつ」かどうかはべつにして、そう書いてある本があって、後からそれを読んだ人が「この本にこう書いてあった」と言いながらべつの本を書けば、その話のながれだけは、おいかけることができるんじゃ。今はただの「でん言ゲーム」みたいな「うわさ」でそれすらもよくわからんから、「しんそう」を知ることにも、くろうしておる。

こうたくん:そういうもんなのか。

はかせ:これまでこのコーナーでとりあげたような「ろん文」や「しん聞きじ」などの活字だと、そういうながれをおいかけやすい「くふう」があるんじゃ。活字を読むことのいみは、こういうことなんじゃよ。

こうたくん:メタはつ言?いみがわからないよ…

はかせ:そうじゃな、活字をいやがる人もおるが、もんだいかいけつのためには、いやがらずに読むことは、ときにはとても大せつなんじゃ。

こうたくん:でも、ちょくせつ見たわけじゃないでしょ?あなたのかんそうですよね?それ「しんじつ」って言えるんですか?

はかせ:一人の人間がちょくせつ見たり聞いたりして「しんじつ」にふれられるのは、ごくかぎられておるぞい。気にしてないだけで、ふだんからむかしの人の見たこと聞いたことには、たすけられておるはずじゃ。活字を読むことにかぎらず、な。もちろん、だれかのかんがえの「出てん」をかくして「ひょうせつ」するのはダメじゃが、むかしの人の見たこと聞いたことの「かりもの」とむえんに生きてると思ってるのは、それはそれで、かなりごうまんなかんがえな気がするのう。

こうたくん:そうなの?

はかせ:そういう、だれかが活字にしてのこしたことを、うまくつかいこなして、じぶんでも活字にのこすようにすれば、さらに後の人にもやくだつぞい。それは、読む人と書く人がいるからできることで、だれかに教えようとせずだまっていたら、そのまま土にかえるだけになってしまうんじゃ。

 こうたくん:なんかせっ教くさいね。

はかせ:何でもかんでも人に教えるひつようはないが、もし何かをしらせたいなら、ふさわしいやりかたにのっとるのが、オススメじゃ。

 こうたくん:うん!帰ったらお母さんにも教えてあげようっと。


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※注:1978年の誤りと思われる。


<さんこう文けん>

 H.G.ギーガー(画)/伊藤俊治・武邑光裕(解説)1986.『H.G.ギーガー/ネクロノミコン1』.トレヴィル,東京.

 H.G.ギーガー(著)/田中克己(訳)1986.『ギーガーズ・エイリアン』.トレヴィル,東京.

 クリスティアン・サルデ(著)/吉田春美(訳)2014.『美しいプランクトンの世界』.河出書房新社,東京.

 マーク・ソールズバーリー(インタビュー)/株式会社Bスプラウト(訳)/平谷早苗(編)2014.『エイリアン|アーカイブ』.ボーンデジタル,東京.

 ニュータイプ編集部 1990.『DANCING ON THE EDGE OF THE ABYSS』.角川書店,東京.

 J.W.リンズラー(著)/阿部清美(訳)2019.『メイキング・オブ・エイリアン』.玄光社,東京.

 J.W.リンズラー(著)/阿部清美(訳)2021.『メイキング・オブ・エイリアン2』.玄光社,東京.

 20世紀フォックス極東映画会社 1990.『アビス』(パンフレット).東宝出版事業室,東京.


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補遺 (15-VIII-2024)
・一部書式設定変更。

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「よこえびたんていだん」シリーズ

だい1話「ダイダラボッチのなぞ」

だい2話「めいきゅうのヨロイヨコエビ」

だい3話「ようぎしゃ フトヒゲソコエビ」

2017年8月17日木曜日

ようぎしゃ フトヒゲソコエビ(8月度活動報告)



 ~ とう場人ぶつ ~



こうたくん
さいきんヨコエビとまりちゃんのことが気になっている男の子。


まりちゃん
ヨコエビのことがすきなちょっとおませな女の子。  
こうたくんとはかせのことはあまりすきじゃない。
今日はお休み。


ひろきくん
まりちゃんのきんじょにすんでいる。
あまりしゃべらないけど、するどい。



よこえびはかせ
ヨコエビの本やひょうほんをいっぱいもっている。
ヨコエビのことにくわしくて、何でもしらべて教えてくれるけど、
そのほかのことにはまるっきりきょうみがないんだ。




~~~~~~~


よこえびたんていだん


だい3話 ようぎしゃ フトヒゲソコエビ




(1)じけんはっせい



こうたくん:はかせ!こわい生きものがいるんだって!

はかせ:どれどれ、見せてごらん。





こうたくん:ウミノミっていうやつで、日本にもいるらしいよ!しってた?

はかせ:ホッホッホ、こうたくん、これはごやくじゃよ。

こうたくん:ごひゃく?ウミノミって番ごうがついてるの?

はかせ:ちがわい!えいごから日本語にしたときに、まちがえたのじゃ。

こうたくん:えー!じゃあこのウミノミはうそなの?

はかせ:まあまあ、これからたしかめるぞい。






はかせ:これはワシントンポストのニュースじゃよ。

こうたくん:しってる!ワシントンにあるポストでしょ!

はかせ:ちがわい!アメリカの新聞じゃよ。

こうたくん:えいごじゃん!

はかせ:アメリカなんじゃから、当たり前じゃよ。

こうたくん:なんて書いてあるの?

はかせ:とりあえず、日本語にしてみるかのう。



『肉食性の海の虫がオーストラリアの十代の若者の足を襲った「血が止まらなかった」』

 先週金曜日、
16歳のサム・カニザイはブリンストンビーチの水の中を歩いていた。それはこのオーストラリアの少年にとってよくあることだった。彼はメルボルンのこの地域で育ち、トライアスロンに参加したり、よく海で泳いだりするような、活動的な家族に囲まれていた。

 今日早くからのサッカーの練習で足には痛みがあり、それを冷たい海水で鎮めようと、アイフォーンで音楽を聴きながら、暗闇の中で30分ほど腰の深さほどの海に立っていた。

 水から揚がって間もなく、彼は足からの出血に気付いた。それもかなりの量だった。

”私たちは道路をはさんで海岸の向かいに住んでいます。”サムの父、ジャロッド・カニザイ氏はワシントンポストの取材にこう話した。

”サムはびっこを引きながらとても急いで家に戻ってきた。彼はすぐ外から私に電話をしてきた。そして彼は言った「父さん、外に出てきてくれないかな?」私が「どうして?」と訊くと、彼はこう言った「すぐに来て!」”

”私たちはとても驚きました。”

 彼らが少年の足に発見した、何千もの細かな噛み跡は、ピンで何度も突き刺したのとほとんど同じだった。大量の血もまた同様だった。

”血が止まらなかった。”ジャロッドは言った。”私たちはすぐに彼を病院に連れて行きました。”

 湾に立っている間に噛まれたのを感じなかったとき、水によってサムの足は全く感覚がなくなるまで冷えきっていた。

 しかし、病院へ向かう途中、サムは”8割以上”痛みが増した、と話したという。

 緊急措置室でそう長く待たねばならないということはなさそうだったため、ジャロッドは息子に、痛みについて正直に看護士へ話すよう言い聞かせた。

 サムの足と血だまりを一目見て、病院のスタッフはすぐにサムを収容してくれた。心配はなかったと、カニザイ氏は言った。
 

(サムへのインタビュー動画)

 当初、サムの傷は医師と看護士を困惑させた。

 彼らは出血を手当てするとともに足を診察したが、誰一人サムの足が映画『ピラニア 3D』 に出てくるエキストラのように血塗れになった原因について、確かなことを言えなかった。

 20年ほどブリンストンビーチの地区に住んでいるというカニザイ氏は、サムの足の写真をフェイスブックに投稿し、近所の住民や友人にミステリーとして話した。

”私も、ご近所さんも友人も、医療関係者の誰も、こんな事件は聞いたことがなかった。”ジャロッドは言った。”報道されるまで、何人かは小さな出血をしたことがあっても、地方の医者に行っただけだったのです。”

 カニザイ氏は湾に戻り、サムが立っていたのと同じ場所に歩いて行った - 皮膚を護るためにウェットスーツを二重に身に付けた上ではあったが。

 プールのゴミ取り用すくい網と生肉を使い、彼は体長2mmほどのダニのようなものを何千匹も採集した。

”御存知の通り、病院の看護士と医者は、この生物に言及することも捕らえようと試みることもしなかったんですよ?”カニザイ氏は言った。”何がサムの足を食ったのか、誰かがその難題を解いてくれると思っていました。”


(サムの写真)

 メルボルンにあるヴィクトリア博物館はフェイスブックの記事で、海洋生物学者ジェニファー・ウォーカースミスが、カニザイ氏が採集した生物を、分解されている肉から出る化学物質などに誘引される腐肉食性の小型生物であるフトヒゲソコエビの仲間の端脚類と同定したことを明かした。

 端脚類の仲間はしばしば”海のノミ”と呼ばれるが、傷が長引く原因にならないだろうと、彼女は言った。

”彼らは大群をなし、死んだ魚に群がり、瞬く間に食べてしまう”と、ウォーカースミス女史はABC(オーストラリア放送協会)に語った。

 彼女はこの事件はサムの”不幸”によって起きたものとして、ビーチを楽しむ他の人は同じような攻撃を怖がる必要のないことを付け加えた。

”食事をしている群れをサムがかき乱した可能性がありますが、彼らは普通はピラニアのように攻撃の期を待っていることはありません。”彼女はABCの取材に語った。”この甲殻類は死んだ魚の肉片に群がっていて、サムの足に接触したのでしょう。サムには恐らくすでに切り傷があって、彼らはその匂いや化学物質を嗅ぎつけたのです。”

(フトヒゲソコエビ類の動画)

 サムは快方に向かっている。

”確実に治ってきている。私たちは完治することを願っています。”父は言った。”彼が帰宅するとき、たぶん幾つか傷跡があるのでしょう。望んではいませんが。”


 サムは水を避けることは考えていない - もっとも、彼は水中の同じ場所に長い時間立つ前に2倍は考えなくてはいけない、と父は言っている。

”彼は大人しい子です。大人しくて落ち着いている。”カニザイ氏は言った。”これはちょっと人生が脇道に逸れただけ。些細なことです。息子の身に起こった本当に奇妙な一つの出来事に過ぎないのです。私たちは気持ちよく水辺に戻り、安心を感じることだってできます。”




こうたくん:かんじが多すぎるよ!

はかせ:シーエヌエヌのほうも読んでみるかのう。




『オーストラリアの十代の若者の足の噛み跡からの出血は、’海のノミ’によるものか?』

 オーストラリア メルボルンの十代の若者がビーチを訪れたところ、そこはホラー映画の世界へと変貌してしまった。真相はちょっとしたミステリーだが、おそらく小さな甲殻類によるものだろう。

 7ニュースによると、土曜日、16歳のサム・カニザイは友人とサッカーをした後、火照った筋肉を鎮めようと、慣れ親しんだブライトンデンジー通りの浜に足を浸していた。そして予期せぬことが起こった。

”歩いて水から揚がろうとしたら、ふくらはぎから足首に砂が覆っているのが見えて、強く振るうと、それは落ちたんだ。”彼はオーストラリアのセブンネットワークニュースに語った。だが、その時彼の足から振り落とされたのは砂ではなかった。

 サムの父、ジャロッド・カニザイは、サムが水から足を引き揚げたとき、大量の血を見たと言っている。

”サムはびっこを引きながらとても急いで家に戻ってきた。彼はすぐ外から私に電話をしてきた。そして彼は言った「父さん、外に出てきてくれないかな?」私が「どうして?」と訊くと、彼はこう言った「すぐに来て!」”

 彼らが少年の足に発見した、何千もの細かな噛み跡は、ピンで何度も突き刺したのとほとんど同じだった。大量の血もまた同様だった。

”私たちはこの細かい出血を拭き取ったほうがよいと考えたのですが、洗い流すことができないことがわかりました。”サムの母親、ジェーン・カニザイはセブンネットワークニュースに語った。

”血が止まらなかった。”サムの父はワシントンポストの取材に語った。”私たちはすぐに彼を病院に連れて行きました。”

 地方病院では医師たちが止血を試みていたが、サムの足にできた無数の針穴の大きさの噛み跡からは血が流れ続けていた。

 ジャロッドはワシントンポストの取材に、痛みについてサムは”8割以上”と言っていたと語り、病院のスタッフはサムの負傷に困惑していたと付け加えた。

 自ら調査すべく、ジャロッド・カニザイはウェットスーツを二重に着込むと、息子が足を休めていた場所へと戻って、生肉を餌に未知の有害生物をプールのゴミ取りネットに収めた。ワシントンポストによると、彼は体長2mmほどのダニのような小虫を数千匹採集した。

 その後、彼の信じる犯人が生肉の塊を貪る映像をユーチューブにアップロードした。

(フトヒゲソコエビの動画)

”奴らは肉片から血を啜り、表面に食らいつき続けたんです。”ジャロッド・カニザイはオーストラリアのセブンネットワークニュースにそう話した。

 ヴィクトリア博物館のフェイスブックの投稿によると、この甲殻類が出す抗凝血物質によって血が止まらなかったものと考えられるという。同組織の海洋生物学者ジェニファー・ウォーカースミスはカニザイ氏が捕獲したサンプルを検討し、”腐肉食性甲殻類の一種フトヒゲソコエビの仲間の端脚類”が容疑者らしいと結論づけた。

 投稿によると”端脚類はときに「海のノミ」と呼ばれる。”  ”メディアは加害者を「海のシラミ」と記述して報道したが、この用語は、甲殻類の別のグループである等脚類に対して用いられるものである。”
 端脚類は咬むことが知られている”自然にいる腐肉食生物”である。しかしながら、投稿によるとこのような類の負傷を引き起こすことは普通は無いという。

 ”血が止まらなかったことは抗凝血物質によって説明でき、また非常に冷たい水によってサムは噛まれたのを感じなかった”ことが有り得るという。

 投稿によると、彼らは有毒物質をもっておらず、ケガはそう長引かない、サムはすぐ回復するだろうという。

 オーストラリアのモナシュ大学生物科学部のリチャード・レイナ助教授は、フェイスブックの投稿で”海のシラミ”がサムのケガを引き起こしたとした。

 サムが足を齧られているのに気づかなかったことに対して、レイナ氏は”私の想像に余りある非開放創だが、長時間水の中に立ち続けたことが原因となったのだろう。”と記している。

”これは、あなたが蚊をとまらせるのに少し似ているが、もし何千匹もの蚊に腕の上で30分も食事を続けさせたなら - ただならぬ反応を示すだろうが、普通はそんなことをする人はいない。”そうレイナ氏は記した。彼は人々にさほど心配しなくていいと、加えてこう綴っている。

”水から出ていなければいけない、ということはないのです。”


 

はかせ:ワシントンポストとシーエヌエヌは、どっちも「うみのノミ」ということばがあるんじゃ。えいごでは「sea flea」と書いてあったものじゃよ。

こうたくん:じゃあウミノミは、ほんとうにいるの?

はかせ:ワシントンポストには「Sometimes referred to as “sea fleas,” the amphipods will not cause lasting damage, she said.」と書いてあったんじゃ。じつは、この「シ―フリー(sea flea)」は、ヨコエビのなかまのことなんじゃよ。

こうたくん:ウミノミはヨコエビってこと?

ひろきくん: ・・・こっちは・・・ヨコエビって・・・書いて・・・あるっす。



はかせ:ひろきくん、来てたのかい。

こうたくん:だれ?

ひろきくん:・・・まりちゃんの・・・きんじょに・・・すんでます。・・・あんのひろきです。

こうたくん:せちこうたです。

はかせ:ウミノミはヨコエビとはちがう生きもので、ひろきくんがおしえてくれたほうが、正しいんじゃよ。

こうたくん:ひろきくん、すごいじゃん!

はかせ:シ―フリー(sea flea)はざっくりしたよびかたなんじゃが、ニュースのしゃしんのヨコエビは、ウミノミのなかまとは、ぜんぜんちがうんじゃよ。


こうたくん:ふ~ん。





(2)ひぎしゃのなまえ




はかせ:ウミノミと書いてあるニュースは、かなりあるんじゃ。いくつかのニュースは、あとで気づいて、「ウミノミはまちがいでした」といって、あやまったりしておるんじゃよ。

こうたくん:どうしてそうなっちゃったの?

はかせ:まず、このニュースがどうやってつたわったのか、たしかめてみようかのう。

こうたくん:うん!




国内ニュース12本,海外ニュース15本を調査。
 記事に明記されていた出典を収録したが、3AWとHerald Sunは原典を確認できず。


はかせ:ネットにあるニュースをしらべてみたんじゃ。日本のニュースはだいたいシーエヌエヌワシントンポストを元にしておるのう。
 
こうたくん:そうなんだ!

はかせ:シーエヌエヌが「ウミノミ」と言いはじめたようなんじゃが、シーエヌエヌをそのままのせているヤフーライブドアのニュースにも「ウミノミ」ということばが出てきて、いっきに広まったのじゃ。ナショナルジオグラフィックカラパイアは、べつの新聞を元にしてるんじゃが、「ウミノミ」というなまえは、つられてつかってしまったようじゃのう。

こうたくん:へえ~、ニュースっていつも正しいのかとおもってた!


はかせ:「ウミノミ」と書いてないのが、ビービーシーと、ひろきくんがおしえてくれた、ギガジンなんじゃ。ビービーシーでは「フトヒゲソコエビ」と書いてあるし、ギガジンは「ヨコエビ」と書いてあったのう。

こうたくん:つられなかったんだね!


はかせ:おそらくそうじゃろう。ニュースの書きかたが、ちがったんじゃな。

こうたくん:つられないには、どうすればいいの?

はかせ:そうじゃのう・・・ たとえば左下にギガジンがあって、その上にエーエフピービービーというニュースがあるじゃろう。

こうたくん:うん!


はかせ:エーエフピーは、とてもれきしが長いニュースのかいしゃで、あんしんのブランドなんじゃ。サムくんの話も地元のラジオなどから聞いて、オーストラリアの海にくわしい人からも話を聞いて、ほかとはちがうニュースを書いているんじゃよ。それを元にしたギガジンも、シーエヌエヌやワシントンポストとはちがうニュースになっておるのう。

こうたくん:へえ~

はかせ:あと、よく見ると、右上のエイジという新聞は、赤い線が多いじゃろう。

こうたくん:たしかに!

はかせ:エイジはメルボルンの新聞で、4本の地方ニュースと、1本のしゃせつを出しておるんじゃ。地元の海でいつもおよいでいる人にインタビューするなど、ほかの新聞のやらないことをやっておるのう。ナショナルジオグラフィックは、いっしゅんつられてしまったようじゃが、エイジを元にして、ほかとはちがうニュースを書いていたんじゃよ。

こうたくん:そうなんだ!

はかせ:ナショナルジオグラフィックは、エイジなどがとりあげている「sea lice(海のシラミ)」「ウオジラミ」として、ほかの新聞がのせていない話もとりあげているんじゃ。


こうたくん:ほかの新聞がやらないことをやればいいんだね!

はかせ:それがそうでもないんじゃ。シーエヌエヌなどの日本のニュースに、つられずに書かれたハザードラボのニュースだと、「リシエンサス両生類(りょうせいる)」という、わけの分からないことばが生まれたりしておる。「amphipod(端脚類)」を「amphibia(両生類)」に、してしまったんじゃろう。

こうたくん:むずかしいんだね!

はかせ:そうじゃのう。とりあえず、日本でもともと「ウミノミ」と言っているものと、海外のニュースで「シ―フリー(sea flea)」と言っていたものとは、ちがうことはわかったかな?


こうたくん:うん…。でも、どっちもヨコエビのなかまなんでしょ?


はかせ:そうじゃのう・・・・。こうたくん、セミとカメムシが同じなかまというのは知ってるかな?

こうたくん:カメムシってあのくさいやつ?

はかせ:そうじゃ。セミとカメムシは見た目やくらしかたがちがうんじゃが、ハリのような口をもっているとか、よくにているところもあるから、おなじ目(もく)にぶんるいされているんじゃ。ヨコエビとウミノミも、そんなかんじなんじゃよ。


フトヒゲソコエビ(ヨコエビ)とウミノミ(クラゲノミ)の関係。Lowry and Myers (2017)に基づく。



こうたくん:じゃあ、このあぶないウミノミはヨコエビなの?ウミノミなの?

はかせ:「Genefor Walker-Smith, a marine biologist at Museum Victoria in Melbourne, identified the creatures Kanizay had collected as lysianassid amphipods, minuscule scavenging crustaceans that are attracted to the chemicals emitted by decaying meat, the museum said in a statement.」と書いてあるじゃろう。ウォーカースミスさんが言うには、これはフトヒゲソコエビというなかまのヨコエビなんじゃよ。

こうたくん:フトヒゲソコエビは人を食べるの?こわーっ!

はかせ:フトヒゲソコエビのなかまはたくさんおるんじゃが、ふつうはしんだ魚を食べたりしておるんじゃ。

こうたくん:フトヒゲソコエビは日本にもいるの?

はかせ:東北のりょうしさんは「スムス」といって、海にしずんだしたいを食べる虫をよく知っているようなんじゃよ。ここには、そんな話が書いてある。あと「とやまわん」で、りょうしさんが魚がかかったあみをひとばん海に入れておいたら、ほねとかわだけになったという、そんな話がテレビに出たこともあったんじゃ。そのはんにんもフトヒゲソコエビのなかまじゃよ。

こうたくん:こわすぎじゃん!

はかせ:フトヒゲソコエビのなかまは、日本のすなはまでは、ほとんど見つからないんじゃ。

こうたくん:よかった~。これであんしんして海に行けるよ!

はかせ:海水よくのときには、クラゲやエイなどあぶない生きものも多いから、気をつけるんじゃぞい。

こうたくん:うん!



(3)けんしょう



ひろきくん:・・・でも・・・フトヒゲソコエビはほんとうに・・・はんにん・・・なんですかね・・・。



はかせ:ひろきくん、なかなかするどいのう。じつは、何とも言えないんじゃよ。

こうたくん:ええっ!?こんなに引っぱったのに!?

はかせ:ホッホッホ、すまんのう。ニュースには「ちが止まらなくなった」と書いてあったじゃろう?

こうたくん:そうだったかも…

はかせ:ちが止まらないのは、フトヒゲソコエビが「ちをかたまらなくするぶっしつ」を出しているから、という人もおるんじゃが、それはヒルのように、ふだんから「ちをすっている」生きものが出すもので、しんだ魚を食べているフトヒゲソコエビのような生きものが出すとは、思えないんじゃよ。

こうたくん:そうなの!?

ひろきくん:・・・ヨコエビのなかまについて・・・日本一か二か三か四のせいたいけんきゅうしゃの人が・・・このブログで・・・ニュースにダメ出ししてる・・・っすね・・・

こうたくん:すごい人がいるんだ!


はかせ:これはすごい人のブログを見つけたのう。じゃが、ユーチューブを見て「ナミノリソコエビ」と言っておる。 ナミノリソコエビ科は、2004年からほかのヨコエビも入ることになったんじゃが、もともとは、すなはまにもぐって小さなエサのカケラを食べているヨコエビなんじゃ。

こうたくん:ちがうヨコエビなの?

はかせ:フトヒゲソコエビとはちがうんじゃ。日本にいるものとくらべても、目はここまで大きくないし、こんなに力強くおよがないし、「生にく」にむらがったりはせんのじゃよ。

ひろきくん:・・・オーストラリアにいるのが・・・とくべつということは・・・ありませんかね・・・?

はかせ:そうじゃのう・・・すなにもぐるナミノリソコエビは今のところ12しゅいるが、中国、かんこく、日本、カナダ、アメリカなど北たいへいようだけにすんでおるんじゃ。今のところオーストラリアでは見つかっておらん、ということじゃ。あと、ABCなどの新聞には、ウォーカースミスさんは、サムくんのお父さんがあつめた「ひょうほん」をその目でたしかめてから、「フトヒゲソコエビ」という答えを出したと書いてある。このユーチューブのヨコエビを「ナミノリソコエビ」と言うのは、むりがあるのう。

こうたくん:なんだ~またうそか~。


フトヒゲソコエビ類とナミノリソコエビ類
太い触角など似ている特徴もあるが複眼の形状は全く異なる。


はかせ:それが、あながちウソとも言えんのじゃ。このブログでは、ヨコエビがとれたからといってケガはさせてないと思う、スナホリムシがやったのではないか、と言っておるじゃろう。たしかに、明らかにスナホリムシにかまれてケガをしたという話はネットで見かけるんじゃが、生きた人がヨコエビにかまれてケガをしたという話は、これといったものがないんじゃ。

こうたくん:え~!?

はかせ:これは、こうかくるいのけんきゅうをしている人が、フェイスブックでしょうかいしてくれた話じゃ。海外のけんきゅうしゃが教えてくれたらしい。



  このニュース記事を見てすぐ、私は博物館のコレクションにあるPseudolana concinna(スナホリムシ科)の標本のことを思い出した。

 これは1959年の夏にパース海岸にほど近いロットネスト島(西オーストラリア)で採集されたものだ。古い登記書類にはこのような備考がある ”水辺に座っていた小さな子供のペニスに取り付いて食らいついてた;非常に出血していた”。確証はないが、その小さな子供は、当時の西オーストラリア博物館理事長の息子だったと考えられる。


アンドリュー・ホジー氏(西オーストラリア博物館)の証言





こうたくん:ふぇぇ・・・っ・・・

はかせ:男子には、ちとつらい話じゃのう。これは、サムくんのお父さんが海にもどってフトヒゲソコエビをあつめてウォーカースミスさんに見てもらう前のニュースじゃが、この時に、うたがわれていたのが、スナホリムシのなかま(モモブトスナホリムシぞく)なんじゃよ。このニュースはオーストラリアのゆうめいなおいしゃさん、ドクター・クリス・ブラウンがフェイスブックでしょうかいして、ネットで広まったんじゃ。ほかにも、スナホリムシがあやしい、と言っている人はけっこういるんじゃよ。


こうたくん:ってことは、スナホリムシがやったの?

はかせ:それじゃあ、これまでのニュースやしょうげんを、まとめてみよう。

こうたくん:うん!

各メディアの報道より抜粋した専門家の意見。
Facebookへの投稿を記事に掲載したものなど、
メディアによる直接取材に基づかないものもあるが、特に区別せずに集めた。


はかせ:この中で、ヨコエビのろんぶんをよく書いているのは、ニューサウスウェールズ大学の「プアじょきょうじゅ」と、メイン大学の「ワットリングきょうじゅ」じゃのう。シドニー大学のはかせは、お父さんがつかまえた「ひょうほん」を見ないで「ニセスナホリムシ」ときめつけておるようじゃが、あやしいもんじゃ。

こうたくん:「きょうじゅ」や「はかせ」でも、分からないの?


はかせ:たとえば、サムくんの足に食らいついている時につかまえたら、何でキズがついたのか、なやむことはないじゃろう。

こうたくん:そうだね。

はかせ:おしいことじゃが、サムくんは「しんはんにん」をつかまえてないし、すがたを見てもいないんじゃ。ただ、「水から上がる時に足にすなのようなものがモヤモヤまとわりついていた」という話をしておるから、小さな生きもののしわざとかんがえてみよう。そうすると、やはりフトヒゲソコエビとスナホリムシが、ようぎしゃになるんじゃ。「はかせ」や「きょうじゅ」も、答えを出すために、もっと知りたいことがあると思っているはずじゃ。

こうたくん:なるほどね。

フトヒゲソコエビ類とスナホリムシ類の比較。
人を出血させる可能性は、スナホリムシ類の方が高い。
一方、サム・カニザイ君の近くにいた可能性が高いのは、フトヒゲソコエビ類である。
サム君に傷を負わせたことについて、
どちらも裏が取れている状態ではない。


はかせ:ところでこうたくん、ダイダラボッチの話をおぼえているかな?

こうたくん:えっと・・・大きいヨコエビはうそだったっていう・・・

はかせ:ちがわい!ダイダラボッチはたしかに海の中におるんじゃが、つかまえようとしても、ちょっと日がたったりすると、もうつかまらないという話じゃわい。

こうたくん:ああ、そういえば・・

はかせ:サムくんのお父さんはフトヒゲソコエビをたくさんつかまえたが、それがほんとうにサムくんが海に入っていた時にもいたのか、たしかめることはできないんじゃよ。

こうたくん:ほかにかまれた人は、ほんとうにいないの?

はかせ:サムくんのニュースが広まったあと、オーストラリアのクイーンズランドにある「ゴールドコースト」というところで、3年前に同じような生きもの「シーライス(sea lice)」にかまれた、ということがあったらしく、アデーレ・シュリンプトンという女の人の話が、オーストラリアの新聞に出たんじゃ。2015年には、ヴィクトリアにある「サンドリンガム」というところで、ニック・マリーとウィル・マリーという父子が、サムくんほどではないが、こまかいキズをたくさんうけていたんじゃ。この時はメルボルン大学「マイケル・キーオきょうじゅ」が、「シーライス(sea lice)」だったと言っていたんじゃ。

こうたくん:シーライス?カレーライスみたいなの?

はかせ:ちがわい!ナショジオの話にも出たじゃろう。この「ライス」はお米じゃなくて、「シラミ」のほうじゃ。ウオジラミのことを「シーライス」とよぶこともあるが、シーエヌエヌのニュースでウォーカースミスさんは、スナホリムシのなかまの「とうきゃくるい」のことじゃと言っておる。どのみち、ヨコエビとはちがうんじゃ。

こうたくん:ええ~!じゃあ、スナホリムシがはんにんじゃん!

はかせ:そうとも言えるんじゃが、シュリンプトンさんがかじられてケガをしているとき、あせっていたはずじゃから、スナホリムシヨコエビを正しく見分けていたとは思えんじゃろう?これも、はんにんときめつけることはできないんじゃ。

こうたくん:けっきょく、どっちも人を食べるってこと?



(4)さいはんのおそれ



はかせ:サムくんやシュリンプトンさんをおそったのは、どっちか分からんが、もしこうたくんが海でかじられるとすれば、スナホリムシの方かも知れないのう。

こうたくん:そうなの!?





ニセスナホリムシとフトヒゲソコエビ類の比較。
矢印は、大顎のナイフ状突起の有無を示す。
体長は、Auroi onagawaeが11mmで、
ニセスナホリムシは12~13mmである。
スナホリムシ類の大顎の切歯部および中間突起は、
Auroi onagawaeより発達していると考えられ、
より肉食に特化している可能性がある。



はかせ:ヨコエビやスナホリムシは、「大あご」をもっておる。これをつかって、食べものをこまかくするようなんじゃが、食べものによって、かたちはちがうんじゃ。「ワットリングきょうじゅ」が言っていたのも、これじゃな。


こうたくん:ふ~ん。

はかせ:スナホリムシのなかま(ニセスナホリムシCirolana harfordiは、「大あご」に大きなナイフのようなものがついておる。じゃが、フトヒゲソコエビのなかま(アウロイ・オナガワエAuroi onagawaeには、それはないんじゃ。おそらくじゃが、にくを食べるのがとくいなのは、スナホリムシの方なんじゃよ。

こうたくん:そうなんだ!



(5)そうさしゅうりょう



はかせ:けっきょく、はんにんのきめては、見つからなかったのう。


こうたくん:どうすればいいの?

はかせ:たしかなことを、1つずつ、つみかさねることが、ちかみちになるんじゃ。さっき、シーエヌエヌのニュースが日本でいろいろなニュースにそのままながしていた、という話があったじゃろう?

こうたくん:あったかも。

はかせ:シーエヌエヌは”「ウミノミ」原因か”という見出しだったんじゃが、ライブドアニュースは”原因はウミノミと判明”と、きめつけたんじゃ。おんなじニュースなのに、見出しだけ、おおげさに書いたんじゃよ。

こうたくん:ええー!?うそじゃん!

はかせ:ライブドアだけではないぞい。カラパイアはヨコエビのしゃしんを、ウィキペディアコモンズから引っぱってきたんじゃ。これはBathyporeia sarsi(バシポレイア・サルシィ)というヨコエビなんじゃが、「Amphilochideaあもく」のフトヒゲソコエビではなく、べつの「Senticaudataあもく」「Gammaridaかもく」のなかまなんじゃ。カラパイアはほかにも、「half an hour」を「30分」ではなく「一時間半」と言ったり、かなりざつなんじゃ。


こうたくん:ええーっ!?これもうそじゃん!


はかせ:「ウミノミ」というなまえも、よくしらべてみるとまちがっていたし、お父さんがつかまえたフトヒゲソコエビも、しらべてみると、はんにんとは言いきれないことが分かったじゃろう。あせって、おおげさに言うと、知らず知らずのうちに、うそをついてしまうこともあるんじゃ。

こうたくん:うん!帰ったらお母さんにも教えてあげようっと。







(参考ウェブページ)

- ABC. 'Sea bug' creatures behind bloody attack on Melbourne teen's legs identified as amphipods. (投稿:現地時間2017.8.7 15:27)
- abc 10 NEWS. Teen taken to hospital after dozens mysterious sea creatures bite his feet. (投稿:現地時間2017.8.7 14:30)
- AFP BB. 海に漬かって血だらけに、足に原因不明の無数の穴 オーストラリア.(投稿:日本時間2017.8.7 22:00)
- AFP BB.  海で両足血まみれの少年、原因は肉食小型甲殻類? 父親が写真公開.(投稿:日本時間2017.8.10 12:17)
- Au one. 海水に浸した両足が血まみれに、「ウミノミ」原因か 豪州. (投稿:日本時間2017.8.8 11:47)
- BBC news. Sea bug attack: Why was a wading teenager left covered in blood? (投稿:現地時間2017.8.8)
- BBC日本版.豪の16歳、海に足をつけたら血だらけに 出血止まらず.  (投稿:日本時間2017.8.8)
- BIGLOBE.  海の中にある恐怖。オーストラリアの少年を襲った人食いヨコエビ(小型甲殻類大量注意).(投稿:日本時間2017.8.12 22:30)
- BUZFEED NEWS. An Australian Teenager's Legs Were Eaten By Sea Fleas And Everyone Is Traumatised. (投稿:現地時間2017.8.7 20:13)
- CNN. Are 'sea fleas' to blame for bloody bites on Australian teen's legs? (投稿:グリニッジ標準時2017.8.8)
- CNN日本版. 海水に浸した両足が血まみれに、「ウミノミ」原因か 豪州. (投稿:日本時間2017.8.8 11:47)
- Daily mail. 'He was in the wrong place at the wrong time': Expert solves mystery of exactly what ate teen's flesh when he went for evening swim at Melbourne beach - and why he was targeted. (発行:英国夏時間2017.8.7 11:25,投稿:英国夏時間2017.8.7 13:45)
- Dr. Chris Brown Facebook (投稿:現地時間2017.8.8 11:47)
- excite NEWS. 海の中にある恐怖。オーストラリアの少年を襲った人食いヨコエビ(小型甲殻類大量注意).(投稿:日本時間2017.8.12)
- フジテレビ FNSアワード. 第19回FNSドキュメンタリー大賞ノミネート作品 『不可解な事実 ~黒部川ダム排砂問題~』 (制作:富山テレビ)
- GIGAZINE. 海から上がった少年の足に出血を伴う無数の穴ができるホラー現象発生、その原因とは? (投稿:日本時間2017.8.8 17:00)
- ハザードラボ. 閲覧注意「血が止まらない!」ビーチで謎の生物に足を食われた少年 豪州. (投稿:日本時間2017.8.8 13:48)
- Herald Sun. Gold Coast woman recalls sea flea bites after Melbourne teen likely ‘eaten’ by critters. (投稿:現地時間2017.8.8 22:56)
- Herald Sun. Sea lice bite and draw blood from swimmers at Sandringham beach. (投稿:現地時間2015.8.6 2:17)
- Independent. Experts reveal why Australian teenager's legs were ravaged by 'meat fleas' on Melbourne beach.  (投稿:英国夏時間2017.8.8 10:36)
- カラパイア. 海の中にある恐怖。オーストラリアの少年を襲った人食いヨコエビ(小型甲殻類大量注意). (投稿:日本時間2017.8.12,訂正:日本時間2017.8.14)
- 駒井智幸  Facebook (投稿:日本時間2017.8.11 12:32)
- LIVE SCIENCE. Horror at the Beach: 'Sea Fleas' Dine on Aussie Teen's Legs. (投稿:東部標準時2017.8.7 20:11)
- livedoor NEWS. オーストラリアで海に入った少年の足が血だらけ 原因はウミノミと判明. (投稿:日本時間2017.8.8 11:47)
- msn. Flesh-eating bugs at Brighton beach: What really ate Sam and why. (投稿:現地時間2017.8.7)
- National Geographic. Mysterious Flesh-Eating Sea Creature Causes Shocking Injury. (投稿:現地時間2017.8.7)
- ナショナルジオグラフィック日本版ニュース. 【動画】海で脚が血まみれに、犯人は?対策は? (投稿:日本時間2017.8.8,訂正:日本時間2017.8.9)
- 漁師の徒然なるブログ. 海の分解者 スムス. (投稿:日本時間2010.08.27 17:3'57")
- The Age. It's not a movie: Did marine critters eat Brighton teenager's legs? (投稿:現地時間2017.8.7)
- The Age. Explainer: What are sea fleas anyway? (投稿:現地時間2017.8.7)
- The Age. Bitten teen's dad films Brighton Beach sea fleas enjoying a meal of fresh meat. (投稿:現地時間2017.8.7)
- The Age. Flesh-eating bugs at Brighton beach: What really ate Sam and why.  (投稿:現地時間2017.8.8)
- The Age.Flesh-eating sea fleas enter the great Aussie wildlife folklore. (投稿:現地時間2017.8.8)
- The New York Times. Mysterious Sea Creatures in Australia Chew Up Teenager’s Legs. (投稿:現地時間2017.8.7)
- The Washington Post. Flesh-eating sea bugs attacked an Australian teen’s legs: ‘There was no stopping the bleeding.’ 
- Time. Strange Sea Creatures Chewed Up This Teen Boy's Legs. (投稿:東部標準時2017.8.7 11:37)
- 超サーランピー.【取り急ぎ】オーストラリアの海辺で青年が「ウミノミ」に足を食われて血まみれ事故案件について、ご質問へのお応えと所感.(投稿:日本時間2013.8.13) 
- Wikipedia commons. File:Bathyporeia sarsi.jpg
- Yahoo! ニュース.海水に浸した両足が血まみれに、「ウミノミ」原因か 豪州. (投稿:日本時間2017.8.8 11:48)
- YAHOO! 7. WATCH: Mystery sea creatures devour meat after vicious attack on teen.  (投稿:現地時間2017.8.7)





(参考文献)

- Barnard, J.L., G.S. Karaman 1991. The families and genera of marine gammaridean Amphipoda (except marine gammaroids). Part 1-2. Records of the Australian Museum, Supplement 13(1), (2): p.1–866. 
- Bousfield, E.L., N.L. Tzvetkova 1982. K izucheniju Dogielinotidae (Amphipoda, Talitroidea) iz priborezhnijh vod severnoij chasti Tihogo okeana. In; Korotkebich, B.S. (ed.) Bespozvonochnije pribpezhijh biochenozov Sebernogo ledovitogo i Tihogo okeanov. Issledovaniya faunij morej L.: Zool. in-t AN SSSR. 29(37): 76-94. (in Russian with English abstract)
- Jo, Y.W. 1988. Taxonomic studies on Dogielinotidae (Crustacea - Amphipoda) from the Korean coasts. Bijdragen tot de Dierkunde, 58(1): 25-46.
- Lowry, J.K., A.A. Myers 2017. A Phylogeny and Classification of the Amphipoda with the establishment of the new order Ingolfiellida (Crustacea: Peracarida). Zootaxa, 4265 (1): 1-89.
- Ren, X. 2006.  Fauna Sinica, Invertebra. Vol. 41, Crustacea, Amphipoda, Gammaridea (I). Science Press, Beijing, China. 588 pp.
- Serejo, C.S. 2004. Cladistic revision of talitroidean amphipods (Crustacea, Gammaridea), with a proposal of a new classification. Zoologica Scripta, 33: 551–586.






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補遺(18 VIII 2017)
・コメント欄を通して指摘を受け、ブログ記事に対する「よこえびはかせ」のコメントを修正(赤字)。

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補遺[2] (15-VIII-2024)
・一部書式設定変更。