2017年5月6日土曜日

めいきゅうのヨロイヨコエビ(5月度活動報告)



~ とう場人ぶつ ~


こうたくん
さいきんヨコエビとまりちゃんのことが気になっている男の子。 

まりちゃん
ヨコエビのことがすきなちょっとおませな女の子。  
こうたくんとはかせのことはあまりすきじゃない。 

よこえびはかせ
ヨコエビの本やひょうほんをいっぱいもっている。
ヨコエビのことにくわしくて、何でもしらべて教えてくれるけど、
そのほかのことにはまるっきりきょうみがないんだ。 



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よこえびたんていだん

だい2話 めいきゅうのヨロイヨコエビ


こうたくん: はかせ!すごいヨコエビがいるんだって!

はかせ: どれどれ、見せてごらん。


こうたくん: このヨコエビ、南きょくにいるんだって!でもってトゲトゲなんだって!

はかせ: こうたくん、これはビッパー(VIPPER)じゃよ。

こうたくん: ビッパー?なにそれおいしいの?

はかせ: ビッパーは、大きなとく名「ネットけいじばん」の「ニュースいた」をよくつかう人のことじゃよ。

こうたくん:このヨコエビ、インターネットできるの?

はかせ: ちがわい!ノリのよさや耳の早さがもとめられる「ニュースいた」の人は、とくべつなそんざいなんじゃよ。

こうたくん: ビッパーはヨコエビがすきなの?

はかせ: そのようじゃ。ここに「日本ごのぶんけんは少ない」と書いてあるじゃろう。いろいろな本をいっぱい読んでいるということじゃ。

こうたくん: すごーい!

まりちゃん: それにしては、書きかたがぼやっとしてるじゃない。 あやしいものよ。

こうたくん: え~?じゃあこのヨコエビはうそなの?

はかせ:まあまあ、1まいずつたしかめるぞい。




まりちゃん: 1まい目。スレとツイートとは少しちがうけど、もとは同じよ。

はかせ: スレのしゃしんは海外のサイトにのったものじゃ。ツイートのしゃしんはこのブログにあったものがネットをただよっていたものじゃよ。

こうたくん: このえいごがヨコエビの名前なの?

まりちゃん: これは学名。ラテンごやギリシャごをつかうことが多いの。

はかせ: では、これが本当にエピメリア・ルブリエクエス(Epimeria rubrieques)かどうかをたしかめてみようかのう。これがきさいろんぶんじゃよ。

こうたくん: げ~!またえいご!

はかせ: せかいにいるヨロイヨコエビのなかま(Epimeria)は55しゅいるんじゃ。これからじゃよ。

こうたくん: もう帰りたいよ~

はかせ: この話をはじめたのはこうたくんじゃろ!

まりちゃん: すぐに55しゅをぜんぶたしかめられるとは思えないけど。

はかせ: きさいろんぶんには、ほかのしゅるいとの見分けかたが書かれておる。

こうたくん: やった!

はかせ: じゃが、トゲが大きくよくにているものや、同じ海にいるものについてしか書かれておらんし、この時にはヨロイヨコエビのなかまは、今とくらべて3ぶんの2しか見つかってなかったんじゃ。

こうたくん: やっぱ帰る。

まりちゃん:はかせ、もっと何かないの?

はかせ:このろんぶんにのってないものは、それぞれのきさいろんぶんを読むしかないようじゃのう。2014年にどのヨロイヨコエビのなかまがどの海にいるかをまとめたろんぶんが出ておるから、これも読んでみるんじゃ。



Reference: Andres (1985), J.L.Barnard (1961, 1971), K.H.Barnard (1916, 1930), Birstein & Vinogradov (1958), Coleman (1990, 1994), Coleman & Lowry (2014),  De Broyer & Klages (1991), Griffiths (1977), Gurjanova (1972), Hurley (1957), Ishimaru (1994), Ledoyer (1986), Lörz (2008, 2009, 2011, 2012), Lörz & Coleman (2001, 2009, 2014), Lörz et al. (2007), McCain (1963), Nagata (1963), Shimomura & Tomikawa (2016), Varela & García-Gómez (2015), Wakabara & Derejo (1999), Walker (1906), Watling (1981), Winfield et al. (2012)

はかせ: 何とかおわったのう・・・

まりちゃん: トゲが長く見えるのは3しゅだけみたいね。

はかせ: エピメリア・オキシカリナータ(Epimeria oxicarinata) は、「だい2きょうせつ」のトゲがほかより小さいから、ルブリエクエスとはかんたんに見分けられるんじゃよ。エピメリア・ロリカータ(Epimeria loricata)は、「だい6きょうきゃく」のつけねのトゲがないから、これもかんたんに見分けられるんじゃ。

Reference: De Broyer & Klages (1991) , Coleman (1990), Sars (1895).


まりちゃん: ということは、このしゃしんはエピメリア・ルブリエクエスでまちがいないわね。


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はかせ:つぎは2まい目じゃ。これは「ぞく」がちがうんじゃ。

こうたくん: ぞくってなに?

はかせ: おお、こうたくん。やっと目がさめたかい。

まりちゃん: ぶんるいのまとまりのことでしょ。じょうしきじゃない。

こうたくん: へぇ~。っていうか、外がまっくらだけど、今なんじなの?

はかせ: にている「しゅ」をあつめたものが「ぞく」なんじゃよ。

まりちゃん: このヨコエビ、よくインターネットでみかけるよね。

はかせ: ヘッジホッグ・アンフィポッド、ハリネズミヨコエビなどとよばれているものじゃのう。学名はパランフィソエ(Paramphithoe)というんじゃ。

こうたくん: すっごいトゲトゲ!

まりちゃん: この「ぞく」はせかいに7しゅいるみたいだけど、ちゃんと見分けられてるのやら。

こうたくん: さっきよりぜんぜん少ない!

はかせ: ネットではパランフィソエ・ヒストリクス(Paramphithoe hystrix)とされていることが多いのう。これを見るんじゃ。

Reference: d'Udekem d'Acoz & Vader (2004), Gurjanova (1972).


こうたくん: みんな同じじゃん。

はかせ: ほっほっほっ、よーく見てごらん。トゲが生えるところやむきがちがうじゃろう。

こうたくん: でも、上のれつも下のれつもトゲが立ってる3つのヨコエビは、見分けがつかないよ?

はかせ: パランフィソエ・ブッフホルツィ(Paramphithoe buchholzi)は頭の前に長くとがっているところがあるじゃろう?ここがパランフィソエ・ヒストリクスと大きくちがうところじゃ。

こうたくん: なるほど!

はかせ: パランフィソエ・カスピダータ(Paramphithoe cuspidata)は、パランフィソエ・ヒストリクスとくらべて、頭のすぐ後ろにあるトゲとそのまわりがなみうって大きくはりだしてくるといわれておる。

こうたくん: そういわれてみれば・・・

はかせ: ようするにパランフィソエ・ヒストリクスの頭はかくれているところが少なくて、デコが広いんじゃよ。目も、パランフィソエ・ヒストリクスのほうがパランフィソエ・カスピダータよりもちょっと小さいんじゃ。

こうたくん: それじゃあ・・・?

まりちゃん: だいじなところが見えないけど、このしゃしんはパランフィソエ・ヒストリクスっぽいわね。


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はかせ: さいごは3まい目じゃ。これは1まい目と同じ「ぞく」じゃろう。

まりちゃん: ひょうほんみたいね。

はかせ: これはもともと、ウォームス(WoRMS)のギャラリーにあったものじゃな。

こうたくん: もーむす?はろぷろ?

はかせ: ちがわい!ヨコエビのなかまについてけんきゅうしゃがまとめているサイトじゃよ。

まりちゃん: ここに書いてあるなら名前はまちがいないでしょ。

はかせ: それがそうでもないんじゃ。学名の後ろに「?」がついておるじゃろう。まだプロの人のチェックがおわっていないんじゃよ。

こうたくん: えー、じゃあこのヨコエビはうそなの?

はかせ: さっきのヨロイヨコエビぞくの見分けかたをおもいだすんじゃ。

まりちゃん:さっき二つ目のトゲの大きさで見分けたやつじゃない。

はかせ: そのとおりじゃ。エピメリア・オキシカリナータじゃよ。

まりちゃん: このサイトに書いてある名前でまちがいないということね。


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まりちゃん: けつろん。1まい目いがいは、ちがうヨコエビだったね。

こうたくん: いっぱいリツイートされてサイトにものってるのに・・・

はかせ: もとツイをけしたり、まとめサイトにはたらきかけることで、このヨコエビのようにしゃしんをかくすことはできるぞう。

こうたくん: そっか~良かった~。

はかせ: 人間じゃからまちがえるのはしかたないんじゃが、このくらいまちがえてもだいじょうぶ、というのは、話をするほうじゃなくて、話をきくほうがきめるものだということは、わすれないようにしたいものじゃのう。

こうたくん: うん!帰ったらお母さんにも教えてあげようっと。っていうか、今なんじなの?




(参考文献)

- Andres, H.G. 1985. Die Gammaridea (Crustacea: Amphipoda) der Deutschen Antarktis-Expeditionen 1975/76 und 1977/78. 4. Acanthonotozomatidae, Paramphithoidae und Stegocephalidae. Mitteilungen aus dem Hamburgischen Zoologischen Museum und Institut, 82: 119–153. [in Germany]
- Barnard, J.L. 1961. Gammaridean Amphipoda from depths of 400 to 6000 meters. Galathea Report, 5: 23–128.
- Barnard, J.L. 1971. Gammaridean Amphipoda from a deep-sea transect off Oregon. Smithsonian Contributions to Zoology, 61: 1–86.
- Barnard, K.H. 1916. Contributions to the crustacean fauna of South Africa. 5. The Amphipoda. Annals of the South African Museum, 15: 105–302. [pls 26–28]
- Barnard, K.H. 1930. Crustacea. Part XI. — Amphipoda. British Antarctic ("Terra Nova") Expedition, 1910, Natural History Reports, Zoology, 8: 307–454.
- Бирштейн Я.А., Виноградов М.Е. 1958. Пелагические гаммариды (Amphipoda, Gammaridea) себеро-западной части тихого океана. Акаемия Наук СССР, Труды Институт Океанологии, 27: 119-257. [in Russian]
- Coleman, C.O. 1990. Two new Antarctic species of the genus Epimeria (Crustacea: Amphipoda: Paramphithoidae), with description of juveniles. Journal of the Royal Society of New Zealand, 20: 151–178.
- Coleman, C.O. 1994. A new Epimeria species (Crustacea: Amphipoda: Epimeriidae) and redescription of three other species in the genus from the Antarctic Ocean. Journal of Natural History, 28: 555–576.
- Coleman, C.O. & J.K. Lowry 2014. Epimeria rafaeli sp. nov. (Crustacea, Amphipoda, Epimeriidae) from Western Australia. Zootaxa, 3873 (3): 218–232.
- d'Udekem d'Acoz, C., W. Vader 2004. Occurrence of Paramphithoe buchholzi Stebbing, 1888 in the Barents Sea (Crustacea, Amphipoda, Epimeriidae). Sarsia, 89: 292-295.
- De Broyer, C., M. Klages 1991. A new Epimeria (Crustacea, Amphipoda, Paramphithoidae) from the Weddell Sea. Antarctic Science, 3 (2), 159–166.
- Griffiths, C.L. 1977. Deep-sea amphipods from west of Cape Point, South Africa. Annals of the South African Museum, 13 (4): 93–104. [6 figs]
- Гурьянова, Е.Ф. 1955. Новые виды бокоплавов (Амфипода, Гаммаридэ)  из северной части Тихого Океана. Акаемия Наук СССР, Труды Зоологического Института, 18: 166-218, фиг. 23 . [in Russian]
- Гурьянова, Е.Ф. 1972.  Новые виды бокоплавов (Амфипода, Гаммаридэ) из северозападной части тихого окена и высокой лрктики. Акаемия Наук СССР, Труды Зоологического Института, 52: 129-200. фиг. 43.  [in Russian]
- Hurley, D.E. 1957. Some Amphipoda, Isopoda and Tanaidacea from Cook Strait. Zoology Publications from Victoria University College, 21: 1–20.
- Ishimaru, S. 1994. A catalogue  of  gammaridean and  ingolfiellidean Amphipoda recorded  from the vicinity of Japan. Report of the Sado Marine Biological Station, Niigata University, 24: 29-86.
- Ledoyer, M. 1986. Crustacés Amphipodes Gammariens. Familles des Haustoriidae Vitjazianidae. Faune de Madagascar, 59: 599–1112.
- Lörz, A.-N. 2008. Epimeriidae (Crustacea, Amphipoda) from New Zealand with a description of a new species. Zootaxa, 1847: 49–61.
- Lörz, A.-N. 2009. Synopsis of Amphipoda from two recent Ross Sea voyages with description of a new species of Epimeria (Epimeriidae, Amphipoda, Crustacea). Zootaxa, 2167: 59–68.
- Lörz, A.-N. 2011. Pacific Epimeriidae (Amphipoda: Crustacea): Epimeria. Journal of the Marine Biological Association of the United Kingdom, 91: 471–477.
- Lörz, A.-N. 2012. First records of Epimeriidae and Iphimediidae (Crustacea, Amphipoda) from Macquarie Ridge, with description of a new species and its juveniles. Zootaxa, 3200: 49–60.
- Lörz A.-N., C.O. Coleman, 2001. Epimeria reoproi n. sp., a new amphipod (Epimeriidae) from the Antarctic. Crustaceana, 74: 991–1002.
- Lörz A.-N., C.O. Coleman, 2009. in: Lörz, A.-N., E.W. Maas,  K. Linse, C.O. Coleman 2009. Do circum-Antarctic species exist in peracarid Amphipoda? A case study in the genus Epimeria Costa, 1851 (Crustacea, Peracarida, Epimeriidae). Zookeys, 18: 91–128.
- Lörz A.-N., C.O. Coleman 2014. Amazing new Amphipoda (Crustacea, Epimeriidae) from New Zealand’s deep-sea. Zootaxa, 3838 (4): 423–434.
- Lörz, A.-N., E.W. Maas, K .Linse & G.D. Fenwick, 2007. Epimeria schiaparelli sp. nov., an amphipod crustacean (family Epimeriidae) from the Ross Sea, Antarctica, with molecular characterisation of the species complex. Zootaxa, 1402: 23–37.
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- Nagata, K. 1963. Two new gammaridean amphipods (Crustacea) collected by the second cruise of the Japanese Expedition of Deep Sea (JEDS-2). Publications of the Seto Marine Biological Laboratory, 11(1): 1-5.  
- Sars, G.O. 1895. The Crustacea of Norway. Vol 1: Amphipoda. Alb Cammermeyers Forlag, Christiania.
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- Varela, C., J. García-Gómez, 2015. Especie nueva de Epimeria (Amphipoda: Epimeriidae) del Golfo de México y el Mar Caribe.  SOLENODON, 12: 1-8.
- Wakabara, Y., C.S. Serejo 1999. Amathillopsidae and Epimeriidae (Crustacea, Amphipoda) from bathyal depths off the Brazilian coast. Zoosystema, 21: 625–645.
- Walker, A.O. 1906. Preliminary descriptions of new species of Amphipoda from the "Discovery" Antarctic Expedition, 1902–1904. Annals and Magazine of Natural History, 18: 13–18. [Series 7]
- Watling, L. 1981. Amphipoda from the northwestern Atlantic: The genera Jerbarnia, Epimeria, and Harpinia. Sarsia, 66: 203–211.
- Winfield, I., M. Ortiz, M.E. Hendrickx, 2012. A new deepwater species of Epimeria (Amphipoda: Gammaridea: Epimeriidae) from the continental slope of western Mexico. Journal of the Marine Biological Association of the United Kingdom, 93, 991–997.




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