2018年6月2日土曜日

銚子を整えて(6月度活動報告)



 銚子のヨコエビリティに気づいてしまったため、再訪したりして掘り下げています。
 これまで外川(長崎海水浴場)まで足を伸ばしていましたが、銚電沿線はかなり攻め甲斐があると思います。


 今回は、終点の外川から2駅手前、君ヶ浜に下りてみます。

 君ヶ浜駅は外川駅とは異なり無人駅で、ホームのほかには、掲示板と自販機を収めるあずまやと、仮設トイレしかありません。

 一方、君ヶ浜の海岸はレジャー用に整備されており、駅から近いだけでなく、自販機、トイレ、シャワーまで備えた管理事務所があります。強い味方です。



 Googleで予習済みでしたが、海岸と後背環境は明瞭に分断されており、砂浜から突如堤が立ち上がり遊歩道のようになってそこから海浜草地となり、低木林が始まるあたりでアスファルト敷の車道が横切り、少し勿体なくも見えます。





 さて、とりあえず道すがら、そのへんの林のあたりに横たえてある木にヨコエビリティを感じたので、めくってみます。

オカトビムシのこども

 やはりオカトビというのは恐ろしいほどの低密度分布ですね。

 このあたりはオカダンゴムシよりコシビロダンゴムシが多く、クビナガカメムシもいたりして、素敵な環境です。



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 砂浜を見渡すと、打ち上げられたばかりの新鮮な海藻が塁々としています。



 これはいけませんねぇ。



 ハマトビムシがよくいるのは打ち上げられてから時間が経って乾いた海藻の下の湿った砂地です。

 そういうのが少ないということは、どうやら海水浴場らしく海岸清掃には余念がないようです。


 提案:

 埋めてみては?


 砂浜に海藻が埋まっているあたりはフツフツと砂が立ち、海藻を掘り返すとたくさんハマトビムシがいました。オスが全く見つからなかったので採集していませんがPlatorchestiaと思われます。
ハマトビムシ写真ヘタクソ選手権

 砂浜に海藻が落ちてるのがみっともなくても、埋めたら邪魔にはなりませんよね。
 人とヨコエビが共存するためにご検討よろしくお願いします。

ハマヒョウタンゴミムシダマシのようですね




 

 さて、海水浴場の端、犬吠埼灯台側は磯になっています。

長崎海水浴場に似てるっちゃ似てます

 砂の間からごつごつした岩がのぞいており、海藻が生えたりイガイが着いたりしています。


ワカメを中心に褐藻が多く、隙間を縫うように紅藻や海草が


 ただ、あちらは防波堤があるのに対して、こちらはわりと外洋に面していて、波の威力が全く違います。
 

 砂浜に寄せる波もそうですが、磯を歩いていてもかなりうねりがあり、水中を覗いたり海藻をガサったりするにも踏ん張ったり落ち着くのを待ったりしなければならないという不便さを感じました。



 怪獣のようなアメフラシ



 まず何でしょうこれは。




 磯でよく見るようなヒゲナガヨコエビと、見たことのないドロクダムシ下目です。

 Granidierellaのように見えますがまたもやオスは採れていません。


テングヨコエビ科 Pleustidae

 紫の小さなテング。
 他にも3つくらい明らかに違うテングがいました。

 

 あとはイソヨコエビとスンナリヨコエビ。

イソヨコエビ属 Elasmopus

スンナリヨコエビ科 Maeridae


 ヤドカリモドキもいました。

 モクズもいろいろ。

モクズヨコエビ科 Hyalidae


 カマキリヨコエビは見掛けません。
 ソコエビ属っぽいのが少しいます。

 これはクダオソコエビのようです。

クダオソコエビ科 Photidae


 海藻の間から、何か白いものが泳いできました。

クチバシソコエビ科 Oedicerotidae

 砂質底生のイメージがありましたが、どうやらクチバシソコエビのようです。海藻を砂ごととったからなのか、海藻の間にもいるのか・・・



 そしてとうとう、赤いアイツの営巣を確認しました。



 しかし、オスらしき姿は無し。

 



 そして、前から気になってたアレが。


 シロトビノカツオノエボシ


 始めて見ましたがこれは確かに美しい。



 銚子はなかなか良いです。
 オスが採れない限り進展はなさそうですが・・・



 
 
 

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