毎年恒例、年に一度の総決算の時期がやってまいりました。
新種記載のみですが、一年間を振り返ってみます。
※2017年分はこちら
記載者については、論文中あるいは私信で明言のある場合のみつけています。
New Species of
Gammaridean Amphipods
Described in 2018
(Temporary list)
January
Verheye, Lörz & d’Udekem d‘Acoz (2018)
Epimeria cleo
南極からごつごつしたヨコエビの新種です.ロス海において
Epimeriidaeヨロイヨコエビ科
Epimeriaヨロイヨコエビ属はこれで9種となったとのことです.分類は形態と分子の両刀使いで,本種は
Drakepimeria亜属に含まれるようです.本文は有料ながらアブストに詳細な形態の記述があります.
Tandberg & Vader (2018)
Amphilochus anoculus
北大西洋でのプロジェクトで発見されたチビヨコエビ属の新種を記載.形態による分類です.
Amphilochopsis属の議論を行いつつ,大西洋北東部に産するチビヨコエビ属の検索図を提供しています.Zookeysなのでタダで読めます.
Krapp-Schickel (2018)
Leucothoe vaderotti
Tandberg & Vader (2018)と同じプロジェクトで発見されたマルハサミヨコエビ属の新種を記載.形態による分類です.既知のこの属の分布一覧も掲載しています.Zookeysなので無料で読めます.
Peart (2018a)
Byblisoides bellansantini
Haploops dauvini
Haploops kaimmalkai
こちらもTandberg & Vader (2018)と同じプロジェクトで得られたスガメソコエビ科の3新種です.
Byblisoides属の検索表および
Haploops属の形質マトリクスを提供しています.Zookeysなので無料です.
Peart & Lörz (2018)
Exampithoe plumosa
Pseudopleonexes evensis
ニュージーランドよりヒゲナガヨコエビ科の2種を記載.ニュージーランドに産するヒゲナガヨコエビ科の検索表も提供しています.Zookeysなので無料です.
Jung, Coleman, Kim & Yoon (2018)
Anonyx exilipes
韓国からフトヒゲソコエビ上科ツノアゲソコエビ属の新種を記載.
Anonyx abeiの再記載も行っています.Zookeysなので無料です.
Ayati, Dhaouadi, Mahmoudi & Piscart (2018)
Echinogammarus carthaginiensis
Echinogammarus tunetanus
チュニジアから淡水性ヨコエビ科
Echinogammarus属の2新種を記載.Crustaceanaなので本文は有料ですが,アブストで形態への言及があります.
February
Angyal, Solís, Magaña, Balázs & Simoes (2018)
Mayaweckelia troglomorpha Angyal in Angyal et al., 2018
メキシコからハッジヨコエビ科の新種を記載.
Mayaweckelia属はメキシコの淡水域のみから得られており,これで3種目となります.この研究では分子と形態による分類を行っており,詳細な採集情報とジーンバンクIDを対応させた丁寧な仕事が印象的な研究です.第1触角と,第6,7胸脚が非常に長く伸長するのが特徴.Zookeysで本文から美麗生体写真まで見れます.
Lee, Tomikawa, Nakano & Min (2018)
Pseudocrangonyx daejeonensis
韓国よりメクラヨコエビ科メクラヨコエビ属の新種を記載.分子と形態の両刀使いです.本属はユーラシア極東に分布する淡水性ヨコエビで,日本にもいます.この研究では,同属他種(未記載種含む)と外群の28S,16S,ヒストンH3,Mt DNA COIの4つの遺伝領域を分子系統解析に使用した上で,データをCSVでアップロードするという凝った構成になっています.Zookeysなので無料で読めます.
Myers, Plaiti & Rousou (2018)
Microdeutopus periergos
地中海のキプロスからユンボソコエビ科
Microdeutopus属の新種を記載.これにより本属の種数は12種となったとのことで,オスの形態に基づく検索表を提供しています(本属やユンボソコエビ科の概要については
こちらをご参照くださいませ).本文は有料.
Sorrentino, Souza-Filho & Senna (2018)
Stephonyx transversus
ブラジルよりフトヒゲソコエビ類
Stephonyx ツマミソコエビ属の新種を記載。下目として
Amphilochidaを採用しており、Lowry & Myers (2017) の新体系を採用した記載論文としては初ではないでしょうか.グレースケールのシェードが入った全身図が良い感じです.本文は有料.
Labay (2018a)
Vinogradovopleustes punctatum
オホーツク海よりテングヨコエビ科の新種新属を記載。
Pleusymtinae(エゾテングヨコエビ亜科)の検索表も提供.亜目に
Gammmarideaを採用していてドキドキする論文.本文は有料.
March
Narahara-Nakano, Nakano & Tomikawa (2018)
Eurythenes aequilatus ヒロメオキソコエビ
北海道からオキソコエビ属の1新種.分子と形態の両方からアプローチしており,沖縄から得られた
E. magellanicus コブオキソコエビ も含め,近縁種の系統樹を描いています.本文は有料.
※昨年7月にオンラインで閲覧可能となったものの、出版が2018となっていたため、そちらに従っています。
Corbari & Sorbe (2018)
Dulichiopsis dianae
大西洋の深海熱水噴出孔まわりから,Dulichiidae シャクトリドロノミ科 の1新種を記載するとともに,生態を記述しています.遺伝子情報も解析し,Zoobankとも連携しています.本文は有料.
※昨年10月にオンラインで閲覧可能となったものの、出版が2018となっていたため、そちらに従っています。
Hupało, Mamos, Wrzesińska & Grabowski (2018)
Gammarus plaitisi
クレタ島から淡水性
Gammarus属初の固有種が見つかったというセンセーショナルな見出しが付いています.従来の付属肢の形態比較と分子系統解析の手法に加えて,SEMを用いて体表構造の検討も行っている,かなり面白い研究です.Peer Jで公開されており,本文が無料で読めます.
Myers, Trivedi, Gosavi & Vachhrajani (2018)
Elasmopus sivaprakasami
インドからイソヨコエビ属の1新種を記載. 日本産の種に含まれるものとして処理されていた隠蔽種のようです.本文は有料.
Hou & Li (2018a)
Gammarus altus
Gammarus gonggaensis
Gammarus limosus
Gammarus kangdingensis
チベット高原より4新種を記載するとともに,同地域に産する15種の形態分類キーと、その他の近似種との違いを議論.Zookeyなので無料.
Bastos-Pereira, Alves de Oliveira & Ferreira (2018)
Hyalella troglofugia
ブラジルから
Hyalella属の1新種を記載.盲目種ながら表層水から見つかるというレアなケースで,今後の研究での課題となるでしょう.提携していないと本文を読めませんが,アブストに形態の記述あり.
Fišer, Alther, Zakšek, Borko, Fuchs & Altermatt (2018)
Niphargus luchoffmanni
Niphargus tonywhitteni
スイスから
Niphargusの2新種を記載.この属は西ユーラシアに約340種が分布し, 驚異的な多様性を誇ります.ミトコンドリアDNAの1領域(COI)と核DNAの3領域(リボソームRNA 28S,ヒストンH3,ITSII,II)を用いた分子系統解析に加え,DELTA(DEscription Language for TAxonomy)でデータベースを構築して形態の解析を行った上で,スイス国内から得られている19種(および種群)について比較表を提供しています.Zookeysなので無料で読めます.
April
Johansen & Vader (2018)
Halicoides borealis
昨年,一世を風靡した
Nicippe recticaudata トヨタマミコヨコエビ と同じ
Pardaliscidae科に属する深海性ヨコエビの1新種を報告.本文は有料ですがアブスト内で詳細な形態の記述があります.
Hou, Zhao & Li (2018)
Gammarus vallecula Hou & Li in Hou et al., 2018
Gammarus qinling Hou & Li in Hou et al., 2018
Gammarus zhigangi Hou & Li in Hou et al., 2018
Gammarus jidutanxian Hou & Li in Hou et al., 2018
Gammarus longdong Hou & Li in Hou et al., 2018
Gammarus mosuo Hou & Li in Hou et al., 2018
Gammarus caecigenus Hou & Li in Hou et al., 2018
中国南部の陝西省,四川省,湖北省から
Gammarus属の7新種を記載.
G. caecigenusは無眼種とのこと.Zookeysなので無料です.
Marin & Sinelnikov (2018)
Stenothoe nhatrangensis
Stenothoe irinae
ヴェトナムのニャチャン湾からタテソコエビ属の2新種を記載.生体カラー写真を掲載しています.付属肢の線画は,基節に底節板の影を点描で書き込むという特殊な手法で描かれています.本文は有料.
Nakano, Tomikawa, Hou & Morino (2018)
Myanmarorchestia nunomurai Nakano & Morino in Nakano et al., 2018
昨年ミャンマーの産地から記載された
Myanmarorchestia属の新種を,中国雲南省から記載.
Beermann, Westbury, Hofreiter, Hilgers, Deister, Neumann & Raupach (2018)
Epimeria frankei Beermann & Raupach in Beerman et al., 2018
北海のヨロイヨコエビ属に1新種を追加.形態と分子を解析して隠蔽種をあぶりだすだけでなく,姉妹群の類縁関係についてかなり掘り下げています.固定し標本にした状態での形態的特徴は既知種(
E. cornigera)とよく似ていますが,生時には色彩が明瞭に異なるという例でもあります.無料で読めます.
Stokkan, Pérez-Fernández, Baena & Jaume (2018)
Pseudoniphargus morenoi Stokkan & Jaume in Stokkan et al., 2018
Pseudoniphargus gevi Stokkan & Jaume in Stokkan et al., 2018
スペインからマミズヨコエビ類(小目)に属する
Pseudoniphargusの2新種を記載.この属は地中海を中心に欧州からアフリカにかけて70種以上が報告されている地下水性ヨコエビです.形態形質のマトリクスを掲載.Zootaxaなので基本的に本文は有料ですが,今はタダで読めるようになってるみたいです.
May
Tomikawa & Nakano (2018)
Pseudocrangonyx akatsukai アカツカメクラヨコエビ
Pseudocrangonyx komaii コマイメクラヨコエビ
本邦のメクラヨコエビ属の隠蔽種を2新種として記載.これまで西日本から報告されてきた
Pseudocrangonyx shikokunis シコクメクラヨコエビ は
P. akatsukai アカツカメクラヨコエビ に置換され,
P. kyotonis キョウトメクラヨコエビ とされてきた中日本の個体群は
P. komaii コマイメクラヨコエビに置換されました.また,メクラヨコエビ科の分子系統樹とメクラヨコエビ属の形態分類検索表を提供しています.本文は有料です(めっちゃ高い).
Tomikawa, Hirashima, Hirai & Uchiyama (2018)
Melita choshigawaensis チョウシガワメリタヨコエビ
三重県の銚子川河口から採取されたメリタヨコエビの1新種.NHKスペシャルでも取り上げられ,銚子川の美しさとともに全国に紹介され,大いに盛り上がりました.本種の記載は,従来形態学に基づいてきたメリタにも,とうとう分子系統のメスが入ったことを宣言するものでもあります.河口域のメリタといえば
M. shimizui シミズメリタヨコエビが代表種ですが,ミトコンドリアDNAのCOI領域を検討した上で,メスの第6胸脚底節板やオスの第3尾肢の形状が明瞭に異なることを示しています.Zookeysなので本文は無料です.
Tomikawa, Nakano, Othman & Morino (2018)
Brevitalitrus pangkorensis Tomikawa & Morino in Tomikawa et al., 2018
マレーシアからハマトビムシ科の1新種を記載.メス咬脚の表面構造をSEMで探ったりしています.属内の検索表を提供.SDなので無料で読めます.
June
Joseph, Nandan & Jayachandran (2018)
Victoriopisa cusatensis
インドのマングローブ帯から,当国においてセンドウヨコエビ科ホソオヨコエビ属の第3の種にあたる1新種を記載.
種小名の"cusat"とは「Cochin University of Science and Technology」の略で,インドの大学の名前がついたということで,幾つかのメディア(
The New Indian Express,
The Times of India)で取り上げられました.
Zootaxaに掲載された記載論文の本文は有料ですが,アブストにてそこそこ形態の記述があります.
Ariyama (2018)
Maeropsis okinawaensis オキナワスンナリヨコエビ
Orientomaera decipiens フトベニスンナリヨコエビ
Orientomaera obliquua ホソベニスンナリヨコエビ
Orientomaera rotundicoxa マルカドスンナリヨコエビ
スンナリヨコエビ界隈に新知見をもたらす連載がスタートします.かねてより懸案であった
「日本のスンナリヨコエビがすんなりいかない問題」に,有山先生のメスが入るとの話は既に耳にされた方も多かったかと思いますが,とうとうその第一弾がリリースされました.手始めに沖縄から
Maeropsis(新・スンナリヨコエビ属)の
M. okinawaensis オキナワスンナリヨコエビを記載した上で,ホームグラウンドである和歌山や大阪から得られた標本を中心に検討し,3新種を含む
Orientomaera トウヨウスンナリヨコエビ属という新属を建てています.
Lörz, Jażdżewska & Brandt (2018)
Rhachotropis saskia Lörz & Jażdżewska in Lörz et al., 2018
千島列島の深海から テンロウヨコエビ科 リュウグウヨコエビ属 の1新種を記載.分子と形態の両刀遣いで,スケッチに加えて
標本の落射光カラー写真,
SEM画像まで掲載されています.貴重な
捕食の瞬間を固定した写真もあり,
属内の検索表もあり,千島海溝から得られた
他のヨコエビの深度分布もあり,盛りだくさんで,亜目には
Gammmarideaを採用しています。PeerJで記載される種というのはあまり多くない気がしますが,無料で読めるのでありがたい限りです.
Peart (2018b)
Byblisoides monicae
Byblisoides richardi
南極とニュージーランドから深海性のスガメヨコエビである
Byblisoides属の2新種を記載.深海性ヨコエビのサンプル数があまり採れない問題に関する議論も交えつつ,属内の検索表も提供しています.本文は有料.
Drumn (2018)
Cerapus slayeri
Cerapus ryanadamsi
メキシコから
Cerapusホソツツムシの2新種を記載。Senticaudata亜目を採用.巣の様子がよく分かる標本の落射光写真に加えて,今どき珍しい殻の厚みを表現したスケッチがとても印象的です.本文は有料です.
Sidorov, Hou & Sket (2018)
Gammarus troglomorphus
Gammarus parvioculatus
Tadzocrangonyx alaicus
淡水性ヨコエビ科の2属について,トルクメニスタンから2新種,キルギスタンから1新種を記載.聞き慣れないTadzocrangonyxという属はタジキスタンやキルギスタンの地下水系に生息するグループで,これで3種目のようです.Zootaxaですが無料で読めます.
Sidorov, Taylor, Sharina and Gontcharov (2018)
Adaugammarus kasiani
Kruberia relicta
新科 Zenkevitchiidae を設立するとともに、2新種と属位変更を行っています。2021年8月11日現在、なぜかこの論文はWoRMSへ反映されていません。
July
Zettler & Myers (2018)
Ledoyerella kunensis
ナミビア,アンゴラ近海から Kamakidae カマカヨコエビ科の1新種を記載.インド洋から太平洋にかけて近縁種の比較を行っています.本文は有料.
August
Hancock (2018)
Haustorius galvezi
Haustorius allardi
メキシコ湾からツノヒゲソコエビの2新種を記載し,
H. jayneaeの新産地を報告.
Haustorius属と
Lepidactylus属のレビュー,メキシコ湾内のツノヒゲソコエビ科の検索表を提供している盛りだくさんな論文です.本文は有料.
September
Dole-Olivier, Hafid & Piscart (2018)
Pseudoniphargus djemoi
アルジェリアからマミズヨコエビ下目の暗居性ヨコエビ1新種の報告。本属は欧州からアフリカにかけて70種以上が分布しているわりと大きなグループです.アブストにて簡単に形態の解説あり.本文は有料.
White & Machida (2018)
Leucothoe batillum
Leucothoe cracentis
Paranamixis lunata
台湾から
Leucothoidae マルハサミヨコエビ科の3新種を記載.南シナ海とフィリピン近海の既知種リストに加えて,新たに13種を記録しています.全16種の美麗な生体写真を掲載という気合いの入りまくった論文ですが、無料で読めます.
October
Hou & Li (2018b)
Bogidiella pingxiangensis Hou & Li, 2018
中国南部江西省萍郷市の洞窟よりカンゲキヨコエビ属の新種.既知種のタイプロカリティから500km離れているとのこと.ホロタイプのlabiumを破損という衝撃の告白に震えます.Zookeysなので無料で読めます.
Wongkamhaeng, Dumrongrojwattana & Shin (2018)
Allorchestoides rosea
タイから
Dogielinotidae ナミノリソコエビ科の新属新種の記載です.Zoobankと連携しています.Coleman (2003) で紹介されたColeman methodに則って描画されています.
Allorchestes ヘッピリモクズ属と似て海藻に付着する種らしく,”rosea”という種小名の通り,鮮やかな赤色を帯びている様子が生態写真からも確認できます.ただ,
掲載されている検索表はkey1から重大な欠陥があり、分類には使用できません.
また,今ジタバタしてもしょうがないですが,
AllorchestesはHiwatari
et al. (2011)の分子系統解析によって,狭義のナミノリソコエビ科とは類縁関係に隔たりがあることが示唆されているため,本属も将来的にナミノリソコエビ科から外される可能性がありそうです.とりあえず論文は無料で読めます.
Sidorov, Reddy & Shaik (2018)
Orientogidiella reducta
Bogidiella hindustanica
Indoniphargus subterraneus
インドから地下水性ヨコエビ3新種を記載するとともに,
Orientogidiellaという1新属を建てています.また,
Bogidiella indicaの再検討を行い,この種を新属の
Orientogidiellaに移したりしています.さらに,これまでマダガスカル固有種のみで占められていた
Austroniphargidae科に,
Mesogammaridae ナギサヨコエビ科から
Indoniphargus属を移動させたようです.
Momtazi, Maghsoudlou & Just (2018)
Cephaloecetes ungulatus
イランからヤドカリモドキ類(ハイハイドロクダムシ類)の1新種を記載.本文は有料.
Just (2018)
Sebadexius cebuense
フィリピンのセブ島からエンマヨコエビ亜科の1新種を記載.ニューカレドニアから記載された単形分類群
Sebadexius neocaledoniensis Ledoyer, 1984をレビューし,新種を見出したとのこと.本文は有料.
Myers, Lowry & Barnes (2018)
Eriopisella moretoni
オーストラリア初となる
Eriopisella属の1新種を記載.センドウヨコエビ科は欧州・アフリカ・南米・アジアなど広く分布しているものの,オーストラリアにいる属は限られています.既知種の属内検索表を提供.本文は有料.
Labay (2018b)
Cognateosymtes serraticoxae
樺太からテングヨコエビ科の新属新種を記載.
Eosymtinae亜科内の属までの検索表を提供しているようです.本文は有料ですが,アブストで詳細に形態的特徴が述べられています.
November
Esmaeili-Rineh (2018)
Niphargus lorestanensis Esmaeili-Rineh, 2018
イランから
Niphargus属の1新種を記載。Mt DNA COI,28srDNA,ヒストンH3を使った分子系統解析を実施するとともに,しっかり形態も見ています.本文は有料.
December
Alves, Neves & Johnsson (2018)
Quadrimaera yemanjae
Quadrimaera miramirandella
ブラジルからスンナリヨコエビ類の2新種を記載.
Q. cristianaeと
Q. pieteriの新産地の報告と,
Q. rocasensisについては新産地に加えてメスの形態を初記載しています.属内の検索表を提供.本文は有料.
以上,私の調べた限り,2018年は
7779種の新種が確認されました.昨年の108種より少なめですが,昨年はd’Udekem d’Acoz & Verheye (2017) という28種にのぼる巨大な記載論文もありましたので,概ね同じペースと考えてよいでしょう.
なお,Ortiz
et al. (2018) は
Shoemakerella fissipro を新種として記載しています(2020年の論文で記載し直されたため,カウントしていません).
<特報>
あと,これは未出版ですが,今年5月にオーストラリア近海の水深1000mで見つかった端脚類,フトヒゲソコエビ小目のThoriellidae科らしいのですが,あまりに珍奇すぎて新属が建つようです(
Tweet of Dr. Halfer).
記載準備は進んでいるようで(
線画が公開されてしまっています),どのような論文が出るのか楽しみです.