3月も半ばというのに、雛を出し入れするでもなく、誰かにディナーをプレゼントするでもなく、年度末の何かに追われるでもなく、マイペースに過ごしております。
さて、ヨコエビ とは何か、webで検索すると豊かな情報が手に入るかとは思いますが、以下はあえて独断と偏見で述べていきます。
卒論を書くときに初めてヨコエビとタイマンを張ったわけですが、それまでは「面倒くさい奴」と思っていました。
ヨコエビといえば、海の至るところにいて、多分何かの餌にはなってるんだろうな、とは思えるけれど、害がある訳でも薬になる訳でもなく、皆同じような姿をしていて種類が分からない。調査をしていて、もし出てしまったら、とりあえず「ヨコエビ類」にしとけばいい。
そんな風に思っていました。
実際に調べてみてその考えが変わったかというと、実はあまり変わってません。ほぼ、最初に思ったまんまの生き物だと思います。
その代わり、姿かたちが様々、資料が少ない、研究すると呪われる、未記載種が多い、など、 色々な印象が増えていきました。
別にヨコエビのことを知らなくても(知らない方が?)幸せに生きていくことはできるのですが、掘り下げてみると何となく面白い世界がある。自分なりの考えが出てくる。地味さの中に光るものを、ヨコエビは教えてくれる。少なくとも私は、そう思っています。
「いつか名前を調べよう」と思って、大学2年のころに撮影したヨコエビ。時空を超えて宿題は果たされ、現在ではこの写真を見るだけで「ドロクダムシ上科ヒゲナガヨコエビ科モズミヨコエビAmpithoe validaの成熟メスと推測」などと早口言葉を唱えながらキメ顔を作れるまでになりました。
資料がまとまったら、もう少しまともな解説を試みたいと思います。