2013年8月15日木曜日

8月の活動報告(大阪遠征)


更新が遅いです!どうもすみません!


お盆に調査とかアリだな、って言ったりしていましたが、それほど暇にならず、できないことが判明。で、何を狂ったのか遠征。


http://www.mus-nh.city.osaka.jp/tokuten/

大阪市立自然史博物館

「いきもの いっぱい 大阪湾 ~フナムシからクジラまで~」



に行ってきたで~~♪♪♪


撮影制限がほぼないというネ申展示。



大阪水試絡みという話をきき、これはドロソコエビの展示を外す訳がない。そう信じて、確証もないまま大阪まで来ちゃいました。


で、結果は










思ったより扱いが良すぎて震える





 初めて見るオオサカドロソコエビGrandidierella osakaensisはダーラム管越しだからやっぱりよく見えなかったけど、有山氏の仕事を間近で見れることに感動。連れの友人たちにAriyama,1996の素晴らしさを力説するも反応薄い。

そりゃ、ヨコエビ好きの集まりじゃないからね・・




これだけでも相当満足したのに、まだまだヨコエビが続く。


ヒゲツノメリタヨコエビMelita rylovae setiflagellaヒメハマトビムシ
三番瀬にもいるコンビ!

ヒメハマトビムシの学名にPlatorchestia platensisが当てられている!
解剖したい!
(※投稿後、学名の誤りを訂正しました)


展示構成は生息環境を軸にしていて、その場所ごとに様々な生物の標本が展示されています。すごい物量。ぎっしり並べてあるのに見やすいです。
貝や海藻の乾燥標本,イルカ・クジラの骨格標本,鳥類の剥製、とにかくバラエティに富んでいます。パネルも、最低限の地理や社会的な説明を入れつつ、メインはやはり実物を見せるという姿勢が感じられました。
生体展示は、クロベンケイガニ,ヤマトシジミ,アシハラガニ。そして、フナムシ,キタフナムシ。空前のクラスタセアン推し。タカノケフサイソガニもいると書いてありましたが見れず残念。




そしてヨコエビはまだまだ続く。 

イソヨコエビElasmopus japonicaきた!
小さくてぜんぜん見えないよ!
でもかわいいよ!


モクズヨコエビHyale grandicornisニッポンモバヨコエビAmpithoe lacertosaも!
モクズヨコエビは初見!
ニッポンモバヨコエビは小櫃とか横浜のより小さい!
たまたまかな。



 興奮のうちに企画展を出て、本館へ。時間の都合で若干駆け足になりましたが、本館もまた素晴らしい。オーソドックスな標本の展示,豪華な模型、そして愛を感じるラベルや説明文ですね。

(ただ、クビキリギスとヤブキリの標本はいちど全て再同定したほうがいいかもしれませんね・・・)


 驚いたのは植物生態学の展示。メタ個体群など最新の知見をいちはやく取り込み、明快かつ視覚的に訴求する展示の技術と思想に感服しました。あのコーナーは、生態学を学ぶ大学生にはぴったり。 

(生態学なんて大学で選択しちゃだめだと思いますけどね・・・)





さて、大阪市立自然史博物館は、実はグッズも充実していました。



これは博物館オリジナルバンダナ。
ヨコエビが書かれているバンダナ初めて見た!
即購入!



オリジナルリーフレット『大阪湾の磯の甲殻類』のほうは、ヨコエビ類に関しては永田,1975のデチューン仕様。
『干潟ベントスフィールド図鑑』は恐らくこないだ教えてもらったやつ。これってWIJのフィールド図鑑の焼き直しじゃないですか。ただ、ヨコエビ類に関しては多留氏が担当と思われ、ヒメハマトビムシにPlatorchestia pasificaを、フサゲモクズにPtilohyale barbicornisをあてるなど、ちょっと新しくなってる気がする。Ampithoe validaからはcf.を外してもいいような気もしますが、標本がないということでしょうか。



さて、大満足のうちに 遠征は終了し、私はお土産を抱えて大阪を後にました。
サヨナラ、ありがとう。
付き合ってくれた皆さんも本当にありがとう。
たまにはいいよね、こういうの。


あとは、上野の深海展かなあ・・
カイコウオオソコエビHirondellea gigasの標本があるはずなんだよね・・
(これも憶測)





<引用文献>

- 永田樹三. 1975. 端脚目 (AMPHIPODA) 概説. In; 岡田要『新日本海岸動物図鑑〔中〕』 第六版. 北隆館, 東京.

- Ariyama, H. 1996. Four species of the genus Grandidierella (Crustacea: Amphipoda: Aoridae) from Osaka Bay and the Northern Part of Kii Channel, Central Japan. Publication of the Seto Marine Biological Laboratory, 37(1/2): 167-191.