2017年12月26日火曜日

2017年の新種ヨコエビを振り返って(12月度活動報告)


 2017年のヨコエビ界隈を総括するにあたり、適当な切り口と思われる「新種記載」の集計をしてみようと思います。

 Amphipod Newsletterでは毎年のヨコエビ論文というものを洗いざらい紹介しているためいずれキャッチアップは可能ですが、今年の新種は今年のうちに振り返りたい、それが人情と言うモノではないでしょうか(何がだ)(どこがだ)。


 本来、こういったリストは学名のアルファベット順あるいは上位分類ごとに並べたほうが親切ですが、振り返り的なテイストを持たせるため敢えてここではウェブ公開日または出版日に従い時系列にしてみます。目録として使用したい場合は各自で並び替えてください。
 そして追加の注意事項。当方はいわゆる「ヨコエビ」のみを興味の対象としているためワレカラ類,クジラジラミ類は含まれていないことと、私の情報収集方法は偏っているため全ての新種を追うことはできていないと思います。予めご了承ください(今年、ワレカラの新種を記載した論文が出ているということは一応存じております)。






New Species
of
Gammaridean Amphipods
Described 
in 2017

(Temporary list)






1月 January



Zhao & Hou, 2017

Pseudocrangonyx elegantulus Hou, 2017

 中国河南省の洞窟からPseudocrangonyxメクラヨコエビ属の新種。この類は極東のみに分布する暗居性淡水ヨコエビです。メクラヨコエビ属各種の検索表と分布地図を提供しています。Zookeysなので無料で読めます。





2月 February



Davolos, Matthaeis, Latella & Vonk, 2017

Cryptorchestia ruffoi Latella & Vonk, 2017

 ギリシャのロードス島からTalitridaeハマトビムシ科の新種。形態と遺伝子を検討しています。Zookeysなので無料です。





Bastos-Pereira & Ferreira, 2017

Spelaeogammarus uai

 ブラジルより洞窟性カンゲキヨコエビ類の新種。この類は近年ブラジルを中心に研究が盛んです。第5~6歩脚の前節に剛毛が多く、オールのように使って水中を泳ぐようです。属内の検索表を提供しています。本文は有料であるものの、アブストに詳細な形態的特徴の言及あり。





Myers, Lowry & Billingham, 2017

Fluviadulzura spinicauda

 オーストラリアより淡水性Hadzioideaハッジヨコエビ科の新種新属記載。本文は有料。





3月 March




Momtazi, Lowry & Hekmatara, 2017

Persianorchestia nirvana

 イランから砂浜性ハマトビムシ科の新属新種。本文は有料。




Tomikawa, Nakano & Hanzawa, 2017

Jesogammarus (Jesogammarus) bousfieldi ナガレヨコエビ
Jesogammarus (Jesogammarus) uchiyamaryui ウチヤマヨコエビ

 山形県と長崎県から、淡水性Anisogammaridaeキタヨコエビ科の記載です。富川先生の過去の仕事の流れを汲み、形態と分子系統学的解析を行っています。キタヨコエビ科の産地と遺伝子情報(28S,COI,16S領域)を表にまとめており、しかも無料で読めます。




4月 April



Esmaeili-Rineh, Mirghaffari & Sharifi, 2017

Niphargus hakani

 イランから地下水性ヨコエビを記載。このNiphargus属は第3尾肢が非常に長く伸長するという特徴的な形態をしており、欧州から中東にかけて旧北区の地下水系から既に320種ほどが記載されているという、驚異的な多様性をもちます(詳しく知りたい方にはNIPHARGUS infoというサイトがオススメです)。形態分類と遺伝子解析を併用。本文無料公開。




Matsukami, Nakano & Tomikawa, 2017

Nicippe recticaudata トヨタマミコヨコエビ

 今年一番の話題をさらったヨコエビです(たぶん)。
 日本で馴染みの薄いPardaliscidae科に属します。宮崎県都井岬沖の水深265~367mから採取され、海に縁のある「豊玉姫」の名が冠せられました。大学がプレスリリースを行い、ニュースにもなりました。富川先生によると、やはり学生さんが筆頭著者で記載したことで大学が大きく取り上げたようです。
 Zookeysなので無料で読めます。形態分類のみならず遺伝子の差異についても分析しており、加えてNicippeミコヨコエビ属の和名提唱と検索表の提供まで行っています。





5月 May


Sawicki, Holsinger, Lazo-Wasem & Long, 2017

Crangonyx sulphurium

 フロリダの地下水系よりCrangonyctidaeマミズヨコエビ科の新種を記載。本文は有料。





Zeina & Asakura, 2017

Cerapus maculanigra

 紅海からIschyrocerinaeカマキリヨコエビ亜科Cerapusホソツツムシ属の新種を記載。筒に入ったまま泳いだりするヨコエビの仲間です。触角の色素斑が目立つ特徴的な種です。属内全21種の検索表を提供しています。本文は有料。





Peart, 2017

Sunamphitoe angrox
Sunamphitoe batavia
Sunamphitoe dampierensis
Sunamphitoe jonathani
Sunamphitoe lehae
Sunamphitoe mixtura
Sunamphitoe naturaliste
Sunamphitoe stevesmithi

 ニュージーランドとオーストラリアよりAmpithoidaeヒゲナガヨコエビ科Sunamphitoeニセヒゲナガヨコエビ属の8種を記載。本属には昨年 Peramphithoeイッケヒゲナガヨコエビ属が編入された(Sotka et al., 2016)ばかりで、それを踏まえた属全体の議論も行っています。有料。





White & Krapp-Schickel, 2017

Leucothoe minoculis
Leucothoe pansa
Leucothoe reimeri
Paranamixis sommelieri 

 紅海からLeucothoeマルハサミヨコエビ属3種とParanamixisタンゲヨコエビ属1種の記載です。いずれも付着生物に棲み込みを行うグループです。タンゲヨコエビ属はオスの第1咬脚が退化・消失するという極めて珍しい特徴をもち、片腕の剣士・丹下左膳にちなみこの名があります。
 近縁種の報告と生息地および形態の比較にも余念のない、非常に密度の濃い論文です。European Journal of Taxonomyというあまりヨコエビ界隈で馴染みのない学術誌ですが、無料で公開されています。





 Delić, Švara, Coleman, Trontelj & Fišer, 2017

Niphargus alpheus
Niphargus anchialinus
Niphargus antipodes
Niphargus arethusa
Niphargus doli
Niphargus fjakae
Niphargus pincinovae  

 バルカン半島西部より、地下水性ヨコエビNiphargus属の中で特に大型の体躯を誇るNiphargus arbiterNiphargus salonitanus species complexから隠蔽種7種を記載。本文は有料。






6月 June



Zhao, Meng & Hou, 2017

Gammarus simplex
Gammarus glaber

 中国北西部から淡水性Gammarusヨコエビ属の記載です。類縁関係にある種について検索表を提供しています。本文は有料でのリリースですが、アブストに具体的な形態の記述があります。 






Delić, Trontelj, Rendoš & Fišer, 2017

Niphargus chagankae
Niphargus cvajcki
Niphargus goricae
Niphargus gottscheeanensis

Niphargus iskae
 Niphargus kapelanus
Niphargus kordunensis
Niphargus malagorae

 スロヴェニアから、地下水系ヨコエビNiphargus stygiusの隠蔽種8種を記載。驚くべきことに形態の記述は一切なく、104個体37種を使った分子系統樹を描いた上で、種を識別する遺伝子配列をmolecular diagnosisとして掲出しています。従来記述されてきたN. stygiusの識別形質を全て兼ね備え、他種とは識別できても互いには形態での見分けがつかない、ということでしょう。新しい時代の幕開けを感じさせます。本文をタダで読めます。





Andrade & Senna, 2017

Ampithoe robustimana
Cymadusa ygar 

 ブラジル北部よりAmpithoidaeヒゲナガヨコエビ科2種の記載。アブスト中で識別形質の言及あり。本文は有料。






7月 July



Suzuki, Nakano, Nguyen, Nguyen, Morino & Tomikawa, 2017

Solitroides motokawai 

 ヴェトナムからオカトビムシ類の新属新種。メスしか見つかっていないため、TalitrusグループかOrchestiaグループかは不明です。本文までタダで読めます。





Ortiz & Winfield, 2017

Nuuanu jaumei

 カリブ海からNuuau属の記載。地中海や中米,南太平洋など暖かい海域に分布するハッジヨコエビ上科の仲間です。属内の検索表も提供。本文は有料です。





Myers, Trivedi, Gosavi & Vachhrajani, 2017

Parhyale piloi

 インドよりHyalidaeモクズヨコエビ科の記載。既知種との比較を実施。本文は有料です。





Hudec, Fišer & Dolanský, 2017

Niphargus diadematus

 チェコから地下水性ヨコエビNiphargus属の記載。形態を重視した分類です。本文は有料。






8月 August




Tato & Moreira, 2017

Pareurystheus vitucoi
Photis guerra

 欧州イベリア半島北西部からCorophiidaeドロクダムシ科とPhotidaeクダオソコエビ科の記載です。いずれも盲目種です。本文は有料ですがアブストに形態の言及があるのと、なぜかこちらPhotis guerraの美麗イラストを拝むことができます。





Heo & Kim, 2017

Eocorophium longiconum

 韓国よりドロクダムシの記載。Eocorophium属は1997年にBousfield & Hooverにより分離新設されたグループで、それから20年の間、E. kitamoriタイガードロクダムシ(原記載は瀬戸内海)のみが含まれる単形分類群でしたが、これで2種目が見つかったことになります。本文は有料。





Jung, Choi, Kim & Yoon, 2017

Photis stridulus
Podoceropsis clavapes

 韓国よりPhotidaeクダオソコエビ科の2種の記載と1種の再記載です。本文は有料ですが、アブストで形態的特徴について言及があります。





Arfianti & Wongkamhaeng, 2017

Victoriopisa bantenensis

 インドネシアのジャワ島から、Eriopisidaeセンドウヨコエビ科ホソオヨコエビ属の記載。日本におけるこのグループの代表種として、V. ryukyuensis リュウキュウホソオ,V. wadai シコクホソオヨコエビが知られます。世界的には眼があったりなかったりしますが、本種は無眼です。本文は有料ですが、アブストで識別形質を挙げています。






Ball, Webber & Shepherd, 2017

Waematau kohuroa
Waematau rereke
Waematau ringanohinohi

 ニュージーランドから3種のオカトビムシ類の記載。Orchestiaグループに属します。分子系統学的な解析も行っています。本文は有料。





Heo & Kim, 2017
Sinocorophium jindoense

 韓国からドロクダムシ1種の記載です。尾節がすべて分節するSinocorophium属の仲間で、日本の河口干潟泥底などに産するS. japonicum二ホンドロクダムシとは近縁ということになります。本文は有料でのリリースとなっているものの、アブストに形態と分布の記述あり。



Huges & Lowry, 2017

Hermesorchestia alastairi

 オーストラリアから砂浜性ハマトビムシの新属新種を記載。本文は有料。





9月 September



Lowry, Springthorpe & Azman, 2017

Talorchestia bunaken
Talorchestia dili
Talorchestia seringat
Talorchestia sipadan
Talorchestia yoyoae

 東ティモール,シンガポール, マレーシア,インドネシアから5種のハマトビムシ類の新種。加えてパプアニューギニアなどから既知種の報告も行っています。本文は有料。






10月 October



Jung, Coleman & Yoon, 2017

Aroui minusetosus

 韓国からクツミガキソコエビ類の記載です。日本のA. onagawaeとは近縁ということになります。Zookeysなのでタダで読めます。





Hou & Zhao, 2017

Myanmarorchestia peterjaegeri Hou, 2017
Myanmarorchestia seabri Hou, 2017

 ミャンマーからTalitridaeハマトビムシ科の2新種1新属の記載。森林性のオカトビムシです。Zookeyなので無料です。






d’Udekem d’Acoz & Verheye, 2017

Epimeria (Drakepimeria) acanthochelon 
Epimeria (Drakepimeria) anguloce 
Epimeria (Drakepimeria) colemani 
Epimeria (Drakepimeria) corbariae 
Epimeria (Drakepimeria) cyrano 
Epimeria (Drakepimeria) havermansiana 
Epimeria (Drakepimeria) leukhoplites 
Epimeria (Drakepimeria) loerzae 
Epimeria (Drakepimeria) pandora 
Epimeria (Drakepimeria) pyrodrakon 
Epimeria (Drakepimeria) robertiana 
Epimeria (Epimeriella) atalanta 
Epimeria (Hoplepimeria) cyphorachis 
Epimeria (Hoplepimeria) gargantua 
Epimeria (Hoplepimeria) linseae 
Epimeria (Hoplepimeria) quasimodo 
Epimeria (Hoplepimeria) xesta 
Epimeria (Laevepimeria) anodon 
Epimeria (Laevepimeria) cinderella 
Epimeria (Pseudepimeria) amoenitas 
Epimeria (Pseudepimeria) callista 
Epimeria (Pseudepimeria) debroyeri 
Epimeria (Pseudepimeria) kharieis 
Epimeria (Subepimeria) adeliae 
Epimeria (Subepimeria) iota 
Epimeria (Subepimeria) teres 
Epimeria (Subepimeria) urvillei 
Alexandrella chione

 Epimeriidaeヨロイヨコエビ科の27新種とStilipedidae科の1新種を記載した上で、Epimeriaヨロイヨコエビ属の中に4亜属を新設して整理を試みた意欲作で、ネット記事でも盛り上がりました。
 掲載されているのは、ヨロイヨコエビ科2属8亜属59種(+未記載6種)のほか、Acanthonotozomellidae科3属7種,Dikwidae科1属1種,Stilipedidae科3亜科4属14種(+未記載4種),Vicmusiidae科1属1種の、計5科11属82種(+未記載10種)に及び、近年稀に見る大著といえます。
 南極から亜南極にかけて分布するテンロウヨコエビ上科の7科から、各亜属を構成する種に至るまで、各分類群ごとにまめに検索表を提供しています。種の記載および亜属のグルーピングにあたって形態分類と遺伝子解析を併用しており、非常に説得力のある仕上がりになっています。
 こちらもEuropean Journal of Taxonomyで無料公開されています。美麗な写真が多数掲載され、オススメです。





Streck, Cardoso, Rodrigues, Graichen & Castiglioni, 2017

Hyalella gauchensis 
Hyalella georginae

 ヒアレラ属にブラジルから2新種。このグループは、アメリカ大陸で多様性を誇るモクズヨコエビ系淡水ヨコエビです。本文は有料ですが、アブストで識別形質を確認できます。




Winfield, Hendrickx & Ortiz, 2017


Stephonyx californiensis

 カリフォルニア湾水深1150mの深海で得られた腐肉食性ヨコエビの新種。アブストで識別形質の言及あり。種群の分布についても属内での比較検討を行った決定版的な文献です。本文は有料。




11月 November


Rodrigues, Senna, Quadra & Bueno,  2017

Hyalella montana Rodrigues, Senna, Quadra, & Bueno, 2017

 ブラジルの標高2200mよりヒアレラ属の2新種を記載。モクズヨコエビ類に近縁の淡水性ヨコエビです。本文は有料。




Esmaeili-Rineh, Sari, Fišer, Bargrizaneh, 2017

Niphargus persicus
Niphargus hosseiniei
Niphargus ilamensis
Niphargus sohrevardensis

 イランより4種の地下水系ヨコエビNiphargus属を記載。形態分類と分子系統解析の手法を併用し、今後の研究に資する分類形質の開発にも取り組んだ研究とのことです。本文は有料。





Mamaghani-Shishvan, Esmaeili-Rineh & Fišer, 2017

Niphargus kurdistanensis

 イランの洞窟から地下水系ヨコエビNiphargus属を記載。形態分類と分子系統解析に基づいています。Zoological Studiesという聞きなれない学術誌ですが、無料で読めます。





Jung, Coleman & Yoon, 2017

Pseudorchomene boreoplebs

 韓国からLysianassidaeフトヒゲソコエビ科の記載。これまで南極および亜南極から報告されていたPseudorchomene属において、初の北半球産種かつ寒帯域外の記録となります。属内の検索表を提供。本文無料公開。





Labay, 2017

Sextonia caecus 

 サハリン島よりLiljeborgiidaeトゲヨコエビ科の1新種の記載と、Sextonia属内の検索表を提供しています。本文は有料。





Ortiz, Winfield & Ardisson, 2017

Psammogammarus barrerai

 メキシコ湾南西部の水深1317mよりEriopisidaeセンドウヨコエビ科スキマヨコエビ属の記載です。その属は日本からはP. mawatariiマワタリスキマヨコエビなどが知られます。本文は有料ですが、アブストに具体的な形態の記述があります。






12月 December


Ariyama & Taru, 2017

Grandidierella rubroantennata Ariyama & Taru, 2017 アカヒゲドロソコエビ
Grandidierella sanrikuensis Ariyama & Taru, 2017 サンリクドロソコエビ

 待望のドロソコ論文です。
 予報(藤田ほか, 2017)があったり、何かと気配が感じられていたAoridaeユンボソコエビ科Grandidierellaドロソコエビ属のニューフェイスが満を持して登場です。
 本邦において最もポピュラーと思われる、ベストオブ干潟ヨコエビことユンボソコエビ科のドロソコエビ属から、2種の新種に加えて、G. osakaensisオオサカドロソコエビを神奈川,静岡県,伊豆大島という新産地から報告しています。オオサカドロソコといえばかつて大阪市立自然史博物館に見に行った思い出のヨコエビですが、この分布を見るにもう(後略)
 かつて、アカヒゲドロソコエビという和名は、オーストラリアから記載されたG. insulaeという種に対応されていました(Ariyama, 1996)。しかし、後の研究により日本の個体群はオーストラリアのものとは別種と分かり、この度新種として記載されました。ヨコエビでは珍しく、和名を元に学名がつけられるというパターンで、rubro(紅い)+antennata(触角=ヒゲ)という種小名になっています。サンリクドロソコエビはその行く末が気になります。
 日本動物分類学会のSpecies Diversityに掲載されており、J-Stageから無料DL可能です。美麗な生体写真つきです。





Lowry & George, 2017

Leucothoe coelocarteriensis
Leucothoe coscinoderma
Leucothoe ircinia

 グレートバリアリーフにおいて3種の海綿から、Leucothoeマルハサミヨコエビ属の3新種を含む14種のヨコエビを記載。2017年の最後の記載となりました。他に、ブラブラソコエビ属の一種Aoroides parvusのハイパーアダルトを記録しています。本文は有料。





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 今回の集計では、今年の新種ヨコエビは109種です。
 ヨロイヨコエビの大量記載により種数がぐんと増えました。Niphargusが20種近く記載されているのもなかなかのハイペースだと思います。
 分子系統解析による隠蔽種の記載がトレンドとなっている感もあります。

 






(2017年新種記載論文)

Andrade, L.F., A.R. Senna 2017. Two new species of Ampithoidae (Crustacea: Amphipoda) from northeastern Brazil. Zootaxa, 4282(3).
Arfianti, T., K. Wongkamhaeng 2017. Restricted Access Subscription or Fee Access A new species of Victoriopisa bantenensis (Crustacea: Amphipoda: Eriopisidae) from West Java, Indonesia. Zootaxa, 4306(2).
Ariyama, H., M. Taru 2017. Three Species of Grandidierella (Crustacea: Amphipoda: Aoridae) from Coastal Areas of the Tohoku and Kanto-Tokai Districts, East Japan, with the Description of Two New Species. Species Diversity, 22(2): 187–200.
Ball, O.J.-P., W.R. Webber, L.D. Shepherd 2017. New species and phylogeny of landhoppers in the genus Waematau Duncan, 1994 (Crustacea: Amphipoda: Talitridae) from northern New Zealand. Zootaxa, 4306(2).
Bastos-Pereira, R., R.L. Ferreira 2017. Spelaeogammarus uai (Bogidielloidea: Artesiidae): a new troglobitic amphipod from Brazil. Zootaxa, 4231(1).

Davolos, D., E.D. Matthaeis, L. Latella, R. Vonk 2017. Cryptorchestia ruffoi sp. n. from the island of Rhodes (Greece), revealed by morphological and phylogenetic analysis (Crustacea, Amphipoda, Talitridae). ZooKeys, 652: 37–54.
Delić, T., V. Švara, C.O. Coleman, P. Trontelj, C. Fišer 2017. The giant cryptic amphipod species of the subterranean genus Niphargus (Crustacea, Amphipoda). Zoologica Scripta, 46(6): 740–752. 
Delić, T., P. Trontelj, M. Rendoš, C. Fišer 2017. The importance of naming cryptic species and the conservation of endemic subterranean amphipods. Scientific Reports, 7(3391).
d’Udekem d’Acoz,C., M.L. Verheye 2017. Epimeria of the Southern Ocean with notes on their relatives (Crustacea, Amphipoda, Eusiroidea). European Journal of Taxonomy, 359: 1–553.
Esmaeili-Rineh, S., S.A. Mirghaffari, M. Sharifi 2017. The description of a new species of Niphargus from Iran based on morphological and molecular data. Subterranean Biology, 22: 43–58. 
Esmaeili-Rineh, S., A. Sari, C. Fišer & Z. Bargrizaneh 2017. Completion of molecular taxonomy: description of four amphipod species (Crustacea: Amphipoda: Niphargidae) from Iran and release of database for morphological taxonomy. Zoologischer Anzeiger - A Journal of Comparative Zoology, 271: 57–79.
Heo, J.-H., Y.-H. Kim 2017. A new species and new record of the genus Sinocorophium (Crustacea, Amphipoda, Corophiidae) from Korean Waters. Zootaxa, 4312(1).
Heo, J.-H., Y.-H. Kim 2017. A new species of The genus Eocorophium
(Amphipoda, Corophiidae) from Korea. Crustaceana, 90(11-12): 1405-1414.

Hou, Z., S. Zhao 2017. A new terrestrial talitrid genus, Myanmarorchestia, with two new species from Myanmar (Crustacea, Amphipoda, Talitridae). Zookeys, 705: 15–39.
Hudec, I., C. Fišer, J. Dolanský 2017. Niphargus diadematus sp. n. (Crustacea, Amphipoda, Niphargidae), an inhabitant of a shallow subterranean habitat in South Moravia (Czech Republic). Zootaxa, 4291(1).
 — Huges, L. E., Lowry, J. K. 2017. Hermesorchestia alastairi gen. et sp. nov. from Australia (Talitridae: Senticaudata: Amphipoda: Crustacea). Zootaxa, 4311(4).
Jung, T.W., H.K. Choi, M.-S. Kim, S.M. Yoon 2017. Two new species of amphipods (Crustacea: Amphipoda: Photidae) from Korean waters with a redescription of Gammaropsis longipropodi. Zootaxa, 4300(3).
Jung, T.W., C.O. Coleman, S.M. Yoon 2017. Aroui minusetosus, a new species of Scopelocheiridae from Korea (Crustacea, Amphipoda, Lysianassoidea). Zookeys706: 17–29.
Jung, T.W., C.O. Coleman, S.M. Yoon 2017. Pseudorchomene boreoplebs, a new lysianassid amphipod from Korean waters (Crustacea, Amphipoda, Lysianassoidea). Zoosystematics and Evolution, 93(2): 343–352.
Labay, V.S. 2017. A new species of Sextonia Chevreux, 1920 (Crustacea: Amphipoda: Liljeborgiidae) from the Okhotsk Sea. Zootaxa, 4353(3).
Lowry, J.K., R.T. Springthorpe, B.A.R. Azman 2017. The talitrid amphipod genus Talorchestia from the South China Sea to the Indonesian Archipelago (Crustacea, Senticaudata). Zootaxa, 4319(3).
Mamaghani-Shishvan, M., S. Esmaeili-Rineh, C. Fišer 2017. An Integrated Morphological and Molecular Approach to A New Species Description of Amphipods in the Niphargidae from Two Caves in West of Iran. Zoological Studies, 56(33): 1–20.
Matsukami, S., T. Nakano, K. Tomikawa 2017. A new species of the genus Nicippe from Japan (Crustacea, Amphipoda, Pardaliscidae). Zookeys, 668: 33–47.
Momtazi, F., Lowry, J.K., Hekmatara, M. 2017. Persianorchestia, a new talitrid genus (Crustacea: Amphipoda: Talitridae) from Gulf of Oman, Iran. Zootaxa, 4238 (1): 119–126.
Myers, A.A., A.M. George 2017.  Amphipoda living in sponges on the Great Barrier Reef, Australia (Crustacea, Amphipoda). Zootaxa, 4365:(5).
Myers, A.A., J.K. Lowry, Z. Billingham 2017. A new genus and species of freshwater Hadziidae, Fluviadulzura spinicauda gen. nov., sp. nov. from rivers in Victoria, Australia (Amphipoda). Zootaxa, 4232(1).
Myers, A.A., J.N. Trivedi, S. Gosavi, K.D. Vachhrajani 2017. A new species of genus Parhyale Stebbing, 1897 (Crustacea, Amphipoda, Hyalidae) from Gujarat State, India. Zootaxa, 4294(5).
Ortiz, M., I. Winfield 2017. A new species of Nuuanu (Crustacea, Amphipoda, Nuuanuidae) from a Caribbean coral reef with identification keys to males and females of Nuuanu species. Zootaxa, 4294(2).
Ortiz, M., I. Winfield, P.-L. Ardisson 2017. A new deep-sea Psammogammarus species (Crustacea: Amphipoda: Eriopisidae) from the continental slope of the SE Gulf of Mexico.  Journal of Natural History: 1–16.
Peart, R.A. 2017. Analysis of the genus Sunamphitoe Spence Bate, 1857 (Amphipoda: Ampithoidae) with descriptions of eight new species. Zootaxa, 4269(3).
Rodrigues, S.G., A.R. Senna, A. Quadra, A.A.P. Bueno  2017. A new species of Hyalella (Crustacea: Amphipoda: Hyalellidae) from Itatiaia National Park, Brazil: an epigean freshwater amphipod with troglobiotic traits at 2,200 meters of altitude. Zootaxa, 4344(1):147–159. 
Sawicki, T.R., J.R. Holsinger, E.A. Lazo-Wasem, R.A. Long 2017. A new species of subterranean amphipod (Amphipoda: Gammaridae: Crangonyctidae) from Florida, with a genetic analysis of associated microbial mats. Journal of Crustacean Biology, 37(3): 285–295.
Streck, M.T., G.M. Cardoso, S.G. Rodrigues, D.A.S. Graichen, D.D.S. Castiglioni 2017. Two new species of Hyalella (Crustacea, Amphipoda, Hyalellidae) from state of Rio Grande do Sul, Southern Brazil. Zootaxa, 4337(2).
Suzuki, Y.,  Takafumi  Nakano,  Son  Truong  Nguyen,  Anh  Thi  Thu  Nguyen,  Hiroshi  Morino &  Ko  Tomikawa 2017. A  new  landhopper  genus  and  species  (Crustacea:  Amphipoda:  Talitridae)  from  Annamite  Range,  Vietnam. Raffles Bulletin of Zoology, 65:  304–31.
Tato, R., J. Moreira 2017. Two new species of the Suborder Senticaudata (Crustacea: Amphipoda) from the upper continental slope off Galicia (NW Iberian Peninsula). Zootaxa, 4300(2).
Tomikawa, K., T. Nakano, N. Hanzawa 2017. Two new species of Jesogammarus from Japan (Crustacea, Amphipoda, Anisogammaridae), with comments on the validity of the subgenera Jesogammarus and Annanogammarus. Zoosystematics and Evolution, 93(2): 189–210.
White, K.N., T. Krapp-Schickel 2017.  Red Sea Leucothoidae (Crustacea: Amphipoda) including new and re-described species. European Journal of Taxonomy, 324: 1–40.
Winfield, I., M.E. Hendrickx, M. Ortiz 2017. Stephonyx californiensis sp. nov. (Amphipoda: Lysianassoidea: Uristidae), a new bathyal scavenger species from the Central Gulf of California, Mexico, and comments on the bathymetric and geographic distribution of the Stephonyx species group.  Journal of Natural History, 51(47-48) :2793–2807.
Zeina、A., A. Asakura 2017. A new species of Cerapus Say, 1817 (Amphipoda: Ischyroceridae) from the Red Sea, with a key to the worldwide species of the genus. Journal of Crustacean Biology, 37(3): 296–302.
—  Zhao, S., Z. Hou 2017. A new subterranean species of Pseudocrangonyx from China with an identification key to all species of the genus (Crustacea, Amphipoda, Pseudocrangonyctidae). ZooKeys, 647: 1–22.
Zhao, S., K. Meng, Z. Hou 2017. Two new Gammarus species and a new name (Crustacea: Amphipoda: Gammaridae) from Northwest China. Zootaxa, 4273(2).



(その他参考文献)
Ariyama, H. 1996. Four species of the genus Grandidierella (Crustacea:Amphipoda: Aoridae) from Osaka Bay and the northern part ofthe Kii Channel, central Japan. Publications of the Seto Marine Biological Laboratory, 37: 167–191.
Bousfield, E.L.,  P.M. Hoover 1997. The amphipod superfamily Corophioidea on the Pacific coast of North America. Part V. Family Corophiidae. Corophiinae, new subfamily. Systematics and distributional ecology. Amphipacifica, 2: 67-139.
藤田喜久, 下村通誉, 多留聖典, 有山啓之, 逸見泰久 2017. 近年国内から発見された希少甲殻類(端脚目,等脚目,十脚目)についての話題. Cancer, 26: 65-70.
Sotka, E.E., T. Bell, L.E. Hughes, J.K. Lowry, A.G.B. Poore 2016. A molecular phylogeny of marine amphipods in theherbivorous family Ampithoidae. Zoological Scripta, 46(1): 85-95.





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補遺(6-Mar.-2018)


*Winfield, Hendrickx & Ortiz (2017) を追加。
*種数に+1。


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補遺(9-Feb.-2019)
・Momtazi, Lowry & Hekmatara (2017) , Huges & Lowry (2017) を追加。
*種数に+2。

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補遺3 (30-VIII-2024)
・一部書式設定変更。