2024年7月29日月曜日

ORCHIDを取ってみよう(7月度活動報告)

※本稿のほとんどの部分の執筆時期は公開時よりも2年ほど前です。最後の一文のみ加筆した感じです。


 某出版社のサイトに登録しようとしたら、ORCHID ID の入力を求められました。あー、DOIの人間版みたいなやつですか?

 そういえばあれってどうやって授けられるものなんだろうか。


研究者を識別する「ORCID(オーキッド)ID」とは?調べ方と登録方法(ソウブン・ドットコム)


 創文の記事によると…

オーキッドとは

 Open Researcher and Contributor ID の略で、世界中の研究者に識別子を発行する無料サービスということですね。

 運営しているのは2010年に設立されたアメリカの非営利団体で、登録者数は2019年当時でおよそ780万人。かなり支持を集めているシステムと言えそうです。近年のヨコエビ絡みの論文で、6名くらいいる著者の全員がIDを持っているのも見たことあります。


 その使い方は…なんとサイトに登録するだけで自動付与?

 必要なのは名前とメアドだけ?


 そんなバカな…


 ポチっとな。


 あっ、届いた。


 登録確認メールのリンクを開くだけでNo.発行されてました。

 お手軽~。



 オーキド・ユキナリ氏のアカウントがあるのか気になるところですが、それにしても、ドイ(DOI)姓もオオキド(ORCID)姓もある日本は研究大国ですね。著者名に「Doi」とあったら、たまげる海外研究者もいるのではないか。


 閑話休題。

 さっそく、アクティブと思われるヨコエビ研究者の名前を片っ端から検索してみました。サイトの窓に名前を入れて検索するだけなのですが、名前が一致しても端脚類絡みの論文の登録がなければヨコエビ研究者と確定できないものてし、ノーカウントとしました。「名前を入れただけでは ORCHID を使っていると言えない」というのもありますし、仮に人名と大学名が一致しても同姓同名の可能性、またこちらが把握しているあるいはオーキッドのサイトに入力されている所属が最新でない可能性もあるので、そのへんは厳しめに推測して論文情報だけから判断しました。まあそのための ORCHID なのでこういう作業は完全に本末転倒です。

 結果、有:39人/無:32人で、毎年何本も記載を行っているようなバリバリの研究者でもヒットしない場合がありました(2022年9月現在)。前述の通り厳しくジャッジした結果のカウント漏れはあるかと思われ、そういうグレーなものを入れて多めに見積ると、ヨコエビの分類において最大7割程度の研究者が利用している気がします。


 分類学においてベテランにはあまり採用されていない印象があります。逆にものすごく取りやすいので取っただけになる場合もあるようです。創文のサイトでも言われていますが、内容を充実させることが重要と思います。せめて所属を入れるか文献を1本以上登録するなど、本来の用途として機能する最低限の情報の入力をデフォにするとか、そういったシステムになってると良いかなと思いました。


 ともあれ無事に番号がとれたので、共著に入った論文など入れてみました。何にせよ所属なしの馬の骨おじさんの身なので、コネのない研究機関にアプローチする時に身元を示すツールとして使えるかも。


 とりあえず、名刺にプリントして配布を開始しています。あまり目立った反応はありませんが、「自称ヨコエビ研究者」の「自称」部分を多少緩和する役割は果たしているような気がします。