2017年6月30日金曜日

ROAD TO DESCRIPTION II (6月度活動報告)


 パンピーふぜいがどこまで学問に貢献できるか。

 小型甲殻類・ヨコエビの分類を巡る闘いの記録です。


※過去の経緯→(第一弾


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 私は研究者ではありません。

 何をもって研究者とするかは人によるかもしれませんが、普通に考えて「飯のタネとしているかどうか」だと思いますので、私は研究者ではありません。飯のタネとしていない故に、専門家でもありません。



 一昨年のことですが、これまで大いに研究をサボっていた私も、そろそろ顕微鏡を買うくらいの金も貯まったし仕事の融通も利かせられるんじゃね?ということで、やり逃げした仕事(新種記載)を片づけようとしたわけです。



- とりあえず進捗報告 -


1.標本
2.引用文献

 ⇒OK

3.記載文
 ⇒鋭意製作中

4.図
 ⇒難題です。

 記載に必要な図は基本的には描画装置を使用したスケッチですが、顕微鏡も描画装置も持ってないためこれを入手するところから始めます。


5.投稿先ジャーナル
  ⇒ほぼ決まり。

 国内誌でフリーアクセスの雑誌がありました。


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 ここまで、標本,文献,道具の探索・手配を進めてきましたが、初記載論文の投稿にあたって足りないものはまだあります。

 例えば指導者です。



 大学などの研究機関に所属せず専門分野でもなかったという環境の中で、働きながらヨコエビの記載を手掛け、現在も次々に日本のヨコエビを記載されているA博士の場合も、最初の記載論文はやはりヨコエビ界の権威に見てもらったとのことです。


 1種の記載論文はいわば事務書類のようなもので、種を特徴付ける形質のコンビネーションを常識的に判断・記述していくだけと言えるでしょう。

 過去の近似種の論文をいくつか読んでいれば、世に問うに値するだけの判断基準やフォーマットというものが分かってくるもので、それを追いかければよいのです。

 6月初めの分類学会ではT博士にも、オリジナリティを出すのはもっと先でよいとのお言葉を頂き、平身低頭ありがたく頂戴したわけですが、しかしながら、ということで、私の中にある別の懸念というのが若干ではありますが上位分類階級の見直しを含むということで、ここはロジックを研究せねばなりません。

 ということで、文章を作るにあたって少しばかりややこしい問題をはらんでいるのが現状です。

 先例を参考にスマートに決めたいところですが、記憶にある上位分類の見直し(統合)の事例、Paragrandidierella属をGrandidierella属に含めようとした某論文は根拠も薄弱で何の参考にもならず、OdiidaeOchlesidaeに含めた論文もかなりあっさりしていて、しかもどちらも現在は否定され、分けるべきということになっています。

 これまで上位分類を分けた事例は数知れず、統合した事例というのは笑ってしまうほどありません。真っ向勝負をする場合、丸写しできるネタがないのです。

 私が取り組んでいる分類群では、過去に、私がやろうとしているのと全く同じ操作(統合)を試みた研究はあるものの、言い方がマイルドすぎたのか、その後の知見にはあまり反映されていません。今回はその論文を利用してさらりと流す方法を模索することにします。


 
 そんな中、私のような下級戦士にも光明が差してきました。ハード面とソフト面の問題を解決する機会が巡ってきたのです。





 
 つくばに移転した国立科学博物館の研究施設です。

 特別なお取り計らいにより、こちらの設備の一部を使わせて頂けることになりました。


 これまでヨコエビの研究に関して、断片的な情報のアドバイスや文献の無心はしたことがあるものの、本格的に誰かに師事したことがなかったのですが、今回は細かな指導までつけて頂けることになりました。

 いやはや・・・

 かたじけない・・・




 ハードの見通しがついたというところで、記載にあたって必要なものは、あとは本人の力量というところまできました。


 文章については、投稿する前にnativeのチェックを受けることが必須という注意を受けました。 重要なのはやはり人脈ということのようです。上位分類見直しのロジックについてはやはり参考にできる事例はあまり聞いたことがないものの、さらっとできる方法があればそれでよいということになりました。


 については、他の研究者のスケッチをよく見て表現を学ぶことが重要ということで、これまでと違った目線で論文を読み直したいと思います。

 必然的に、富川・森野2009に則った方法でのスケッチとなるわけですが、描画装置を用いてケント紙に下絵を描き、それに墨を入れるという流れです。

 スケッチをせずに記載をすることは不可能ではありませんが、代わりとなる写真の撮り方を研究しているうちに何種分ものスケッチができそうです。
 ヨコエビの絵はたくさん書いてきましたが、だいたい自分用の模式図ばかりを作ってきたため、その標本の図であるという本気のスケッチというものは初めてです。

 描画装置というものを初めて使ってみて、目視で見当をつけて絵を描くのとは全く違う作業であることに気が付きました。線をなぞっていく、一種の習字のような趣を感じます。

 自分用の図を書く時はフリーハンドでやってきて、不具合を感じたことはほとんどありませんでしたが、記載図となるとなかなか苦しいものを感じます。
 これまでのお絵描きでは、写真や線画をパワーポイントのオートシェイプでなぞって作った図も多いのですが、サンプルの写真を撮って同じ方法で記載図を作成するには難があるように感じます。写真で表現が難しい部分としては、焦点距離を調整しながら見えてくる関節の線であったり剛毛であったり、そういったディテールが挙げられます。これを正攻法でクリアするには深度合成処理を前提とした写真が必要で、その手間を考えるとやはりスケッチした方がマシです。


 ジャーナルについては、ほぼこれという雑誌に目星をつけることができました。人と会ったこと(学会に参加したこと)から候補が決まった部分があり、サイエンスはコミュニケーションでできていることを痛感しました。


 
 また進捗がありましたら更新します。




<参考文献>

-富川光・森野浩 2009. ヨコエビ類(節足動物門:甲殻亜門)の描画方法. 広島大学大学院教育学研究科紀要, 2(58): 27-3.



2017年6月2日金曜日

初・沖の大洲(5月度活動報告)


 船橋,市川,習志野,浦安に囲まれた東京湾最奥の浅海域・三番瀬。

 その三番瀬には、滅多に干出せず、しかし最良の環境をもった、幻の干潟が存在すると言われている。

 その名は「沖の大洲」・・・。




  噂には聞いていた沖の大洲、実は行ったことありませんでした。


 普段の散策会や調査では、歩いて行ける利点がある「ふなばし三番瀬海浜公園」の干潟が鉄板になりがちです。過去に行徳漁協旧潮干狩り場貝殻島周辺の干潟に船で上陸したこともありますが、沖の大洲はかなり西側(浦安側)に位置しており、三番瀬の中の各漁港からは船でもやや距離があります。


 三番瀬を拠点とするNPOでありながら調査や観察会イベントだけをやっていて、自分達の知見を増やす活動が疎かになっているのではと思うところがあり、今回は純粋な干潟遊び・散策をテーマとして、漁船をチャーターしてもらえるという幸運に恵まれ、干潟に向かいました。



 最干潮がお昼ということで、2時間前の到着を目指しましたが、 全 く 引 い て い ま せ ん 。


 


 陸からのアタックであれば汀線をうろうろして時間の潰しようがあるものの、ここは海の中。船上で待機かとドキドキしましたが、50cmくらいの場所があったのでとりあえず海中に下りてみました





 ちべたい!!!



 どこも引いていないので、 海中から何かを拾い上げていく感じの散策です。



 申し遅れましたがちなみに今回、あの「異色の干潟漫画」こと「ガタガール」の作者・小原ヨシツグ先生をお招きしております。

汐ちゃんと同じ道具がリュックから次々と出てきたので萌えました



 アオサや漂流アマモが目立つ中、シロボヤ礁が発見されたため引き揚げてみます。




 三番瀬の干潟、特に海浜公園においてカキ礁から外れたカキ殻などの硬質基質が混じることはあるものの、このようなホヤ礁はあまり見たことがありません。シロボヤそのものは干潟との相性が良いようで、カキ礁など付着するのに都合がよさそうな環境の発達度合いに関係なくそのへんで見かけますが、だいたい単体です。

 一般論として、付着生物の間にはかなりの密度でヨコエビが棲み込みを行います。




 ますはヒゲナガヨコエビ科Senticaudata亜目)。広義のモズミヨコエビAmpithoe validaと思われますが、成熟したオスは得られておらず、現場での種同定は見送りました。



 そしてドロクダムシ科Senticaudata亜目)。黒い模様が鮮明で、トンガリドロクダムシMonocorophium insidiosumに見えましたが、オスの第2触角の剛毛がほとんど発達しない個体がみられたため違うようです。アリアケドロクダムシM. acherusicumか、はたまた違う種かもしれません・・・


 そして、過去の三番瀬でほとんど見たことがないカマキリヨコエビ属JassaSenticaudata亜目)が豊作でした。




 
 東浜に打ち上げられたアマモ上にてフトヒゲカマキリヨコエビJassa slatteryiを採取したことがありますが、今回は別種と思われます。

 シロボヤの根元には砂泥が固まっていて、Jassaもホヤの根元にへばりつくようにしていました。メスや小型の個体も多く、ここは以前のようにメインの生息地から外れた場所ではなく、世代を繰り返していると考えられます



 そしてこちらは三番瀬初(自己)です。
 


 タテソコエビ科Amphilochidea亜目)です。

 東京湾の中では、例えばお台場の埠頭(硬質基質環境)で、ヒドロ虫の間なんかで見られますが、砂干潟とは縁の薄いヨコエビです。





 あちこちに、澪筋や漁業権を示すのに使われる竿が刺さっているので、その周りを確認してみます。
 



 ロープには大量のシロボヤ。どうやらシロボヤ礁の供給源はここのようです。

 しょっちゅう干出する干潟面の竿ではこれほどシロボヤが育つことはないのでしょう。沖側の竿まわりで発達したシロボヤが剥がれて干潟面で礁を形成しているようです。


シロボヤの塊をガサるとワレカラがいっぱい




 そうしているうちに、干潟が干出してきました。


 さっきまで海の真ん中だった場所に忽然と現れる地面!これはすごい!


 この写真では浦安の地先と近いように見えますが、実際はこの間に澪筋があり、とても歩いて行き来することはできません


リップルがなかなかいい感じ。三番瀬らしい景色です。


 周りにはツバサゴカイの棲管のペアがあちこちに見られます。
 そのほか、タマシキゴカイのモンブラン、キセワタ、トゲナガクモヒトデ科、そしてマテガイの子供。


 ツバサゴカイもマテガイも三番瀬を代表する干潟生物ですが、海浜公園の東浜では今やほとんど見られません。


キセワタがたくさん落ちている場所があった


トゲナガクモヒトデ科



 ヒガタチロリ,クモヒトデ,マテガイ,タマシキゴカイなどは干潟面に出てきており、だいぶ参っている様子でした。普段は海の底で涼んでいるということなのでしょう。

 
ジリジリと焦れったい風な感じの茹でタマシキ








 小魚が多いようです。


横たわっていた竹竿の裏にマハゼの子供

 ハゼのほか、ヨウジウオ亜目と思われる稚魚。
 あと、ヤガラっぽい頭の長いのがいるようでしたが、採取後に拡大した写真を拝見したところ、下顎が長く、サヨリの稚魚のようでした。


 フグっぽい影が横切るのも見えました。

杭の間を歩いていると手に当たってピチピチしていたイサザアミ

 
 小魚が多い要因の一つは恐らくこれです。
 バットで適当にすくっただけでこの密度。



 三番瀬全体的にアマモの流れ藻が散見されました。

 以前、台風の後に富津あたりから流されてきたと思われる大量漂着がありましたが、今回もそれと同じようなことなのか、もっと近くに未知の自生地があるのか、分かりません。

流れコアマモ
おそらく三番瀬の中に生えていたもの

 今回は移植アマモの経過観察も兼ねていましたが発見できず。
 良くは無いですがトライアンドエラーでまた移植の試みを続けます。

 人力で輸送できる程度のボリュームのアマモのパッチができたところで単年でアマモ場が復活するとは思っておらず、生息適地の探索や消失の要因などを探りたいと考えています。





小原先生「マメコブシは縁起が良いので・・・」


小原先生

 残念ながら、今回はマメコを見つけることができませんでした。



 マテの他にはアサリ,シオフキ,アカガイ(の仲間),ホンビノスなどの二枚貝が見られ、スゴカイイソメ,アラムシロ,エイなどの貝食者も多く見つかった中でマメコブシがいないのはなぜなのか、よく分かりません。

 潮干狩り場の方が二枚貝の密度が高く、マメコブシの密度も高いのかもしれません。



お わ か り い た だ け た だ ろ う か ? (ツバクロエイ)

 沖の大洲には巨大なビノスが落ちていたりして、深いところの影響はかなり大きいものと推測されました。マメコブシはもっと浅いところが好きなのかもしれません。



 ヨコエビ相の記述を充実させるにあたり、棲み込みとの関係の深さが改めて浮き彫りとなりました。今回は実施していませんが、例えばこのシロボヤを裂いてみたりして、新たなヨコエビの棲み込みが確認されたりするかもしれません。夢は広がります。


ドロオニスピオ(広義)の棲管

【ヨコエビ亜目消滅】端脚目6亜目体系について【そして伝説へ・・・】(5月度活動報告)

 
 2017年5月11日、甲殻類の常識を覆す大事件が起こりました。
 1802年から200年以上も続いてきたヨコエビ亜目が、忽然と姿を消したのであります。

 Lowry and Myers (2017)という論文、日本ではもちろんのこと、世界的にもあまり読みこなされていないような気がしますが、あまりにもヨコエビ界隈に与える影響が大きいため、概要の解説を試みることとします。


 要点は次の通りです。

・今まで端脚目の一部だったインゴルフィエラを昇格させ、独立した目とした。

・ヨコエビ亜目を廃止し3亜目に分割した。さらに、ヨコエビ類全体に「下目-小目-上科」の枠組みを適用し、科の新設・降格を行って体系を整理した。

Pseudoingolfiellidea亜目を新設し、6亜目をもって端脚目を形成することにした。 



 
 こうした見直しを経て生まれ変わった端脚目は以下のような感じです。



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6 suborders of Amphipoda 
sensu Lowry and Myers 2017

 分類体系はLowry & Myers (2013, 2017)およびSotka et al, (2016)に基づく。和名は日本海洋データセンターのサイトを参照し、上位分類に割り当てられていないものは下位から適用しカッコ内に示した。




(1)
Suborder Pseudingolfiellidea Lowry & Myers, 2012

 1下目1小目1上科1科で、Pseudingolfiellidae科のみを含みます。現在4種が知られています。
 汽水および淡水から得られています。インゴルフィエラによく似ていますが、インゴルフィエラが持つとされる痕跡的な眼柄はありません。また、Pseudingolfiellidaeはわずかながら腹節に腹側板のような形状が確認できますが、インゴルフィエラにはありません。
 過去にはヨコエビ科やカンゲキヨコエビ類に含められたこともありますが、しばらくIncertae Sedis(所属不明)とされていました。今回の新体系では、単独の亜目を構成するとの知見が示されました。ヨコエビ類に含めるかどうかは微妙なところですが、とりあえず本ブログでは別物として扱います。
pseudoingolfiellid;
2 species from brackish, other 2 in fresh
eyes absent, interstitial








(2)
Suborder Hyperiidea H. Milne Edwards, 1830 クラゲノミ亜目

 2下目2小目5上科35科からなり、旧分類体系から継続しているグループです。
 伝統的な分類体系において、ヨコエビ類とは顎脚鬚が無いことにより識別されます。第2,3尾節は癒合する傾向にあります。浮遊性,中層遊泳性,寄生性を示し、特にサルパやクラゲなどゼラチン質プランクトンへの寄生が有名です。
 オオタルマワシをはじめ、クラゲノミ類,ウミノミ類などが含まれます。ヨコエビ類とは区別されて扱われます。

クラゲノミ類 hyperid;
sea water
pelagic or parasitic (gelatinous plankton)





(3)
Suborder Colomastigidea Stebbing, 1899 (ツツヨコエビ亜目)

 1下目2小目2上科2科からなります。
 身体は筒状に近く、第2,3尾節は癒合しています。
 ツツヨコエビ科は海綿動物などに棲み込みを行う内在底生のヨコエビです。 
 
Infraorder Colomastigida Stebbing, 1899 (ツツヨコエビ下目)
Parvorder Colomastigidira Stebbing, 1899 (ツツヨコエビ小目)
Superfamily Colomastigoidea Stebbing, 1899 (ツツヨコエビ上科)
Family Colomastigidae Stebbing, 1899  ツツヨコエビ科
Parvorder Pagetinidira K.H. Barnard, 1931
Superfamily Pagetinoidea K.H. Barnard, 1931
Family Pagetinidae K.H. Barnard, 1931

ツツヨコエビ類 colomastigid;
shallow sea water, 
cylindrical body, dwelling in Porifera




(4)

Suborder Hyperiopsidea Bovallius, 1886

 1下目2小目2上科3科からなります。
 遊泳性のヨコエビで、主に深海から報告があります。クラゲノミ類に非常によく似ていますが、大顎髭があるためヨコエビの仲間とされています。 
 
Infraorder Hyperiopsida Bovallius, 1886
Parvorder Hyperiopsidira Bovallius, 1886
Superfamily Hyperiopsoidea Bovallius, 1886
Family Hyperiopsidae Bovallius, 1886
Family Vitjazianidae Birstein & M. Vinogradov, 1955
Parvorder Podosiridira Lowry & Myers, 2012
Superfamily Podosiroidea Lowry & Myers, 2012
Family Podosiridae Lowry & Myers, 2012

hyperiopsid;
 deep sea, pelagic
similar to hyperid but have palps of maxilliped




(5)
Suborder Senticaudata Lowry & Myers, 2013

  6下目8小目21上科94科からなり、端脚目の総種数の約半数を占めています。
 ヨコエビ科をはじめ、ハマトビムシ科やドロクダムシ科など、ヨコエビ類を代表するグループが集まっている亜目です。2013年に設立され、2017年の論文はその体系の延長となっています。2016年に下目をまたいだ分類の整理がありましたが、その他は今のところ特に変更はありません。「ヨコエビ類」を定義する際、Senticaudata亜目からワレカラ類,クジラジラミ類を除くことがあります。


Infraorder Carangoliopsida Bousfield, 1977
Parvorder Caramgoliopsidira Myers & Lowry, 2013
Superfamily Carangoliopsoidea Bousfield, 1977
Family Carangoliopsidae Bousfield, 1977
Family Kairosidae Myers & Lowry, 2013
carangoliopsida; 
sea water
benthic, vestigial eyes



Infraorder Talitrida Rafinesque, 1815(ハマトビムシ下目)
Parvorder Talitridira Rafinesque, 1815 (ハマトビムシ小目)
Superfamily Caspicoloidea Birstein, 1945
Family Caspicolidae Birstein, 1945
Superfamily Kurioidea Barnard, 1964
Family Kuriidae Barnard, 1964
Family Tulearidae Ledoyer, 1979
Superfamily Talitroidea Rafinesque, 1815 ハマトビムシ上科
Family Ceinidae J.L. Barnard, 1972
Family Chiltoniidae J.L. Barnard, 1972
Family Dogielinotidae Gurjanova, 1953 ナミノリソコエビ科
Family Eophliantidae Sheard, 1936 ネクイムシ科
Family Hyalellidae Bulycheva, 1957
Family Hyalidae Bulycheva, 1957 モクズヨコエビ科
Subfamily Hyacheliinae Bousfield & Hendrycks, 2002
Subfamily Hyalinae Bulycheva, 1957 モクズヨコエビ亜科
Family Najnidae J.L. Barnard, 1972  ヒョットコヨコエビ科
Family Phliantidae Stebbing, 1899  ミノガサヨコエビ科
Family Plioplateidae J.L. Barnard, 1978
Family Talitridae Rafinesque, 1815 ハマトビムシ科
Family Temnophliantidae Griffiths, 1975
ハマトビムシ類 talitrid;
sea water, fresh, terrestrial
epibenthic, parasitic (sea weed)
majority as grazer



Infraorder Corophiida Leach, 1814 (ドロクダムシ下目)
Parvorder Corophiidira Leach, 1814 (ドロクダムシ小目)
Superfamily Aoroidea Stebbing, 1899 ユンボソコエビ上科
Family Aoridae Stebbing, 1899 ユンボソコエビ科
Family Unciolidae Myers & Lowry, 2003
Subfamily Acuminodeutopinae Myers & Lowry, 2003
Subfamily Unciolinae Myers & Lowry, 2003
Superfamily Cheluroidea Allman, 1847 (キクイモドキ上科)
Family Cheluridae Allman, 1847 キクイモドキ科
Superfamily Chevalioidea Myers & Lowry, 2003
Family Chevaliidae Myers & Lowry, 2003
Superfamily Corophioidea Leach, 1814 ドロクダムシ上科
Family Ampithoidae Stebbing, 1899 ヒゲナガヨコエビ科
Subfamily Ampithoinae Stebbing, 1899 ヒゲナガヨコエビ亜科
Subfamily Exampithoinae Myers & Lowry, 2003
Family Corophiidae Leach, 1814 ドロクダムシ科
Subfamily Corophiinae Leach, 1814 ドロクダムシ亜科
Tribe Corophiini Leach, 1814 ドロクダムシ族
Tribe Haplocheirini Myers & Lowry, 2003
Tribe Paracorophiini Myers & Lowry, 2003
Subfamily Protomedeiinae Myers & Lowry, 2003
Parvorder Caprelidira Leach, 1814 (ワレカラ小目)
Superfamily Aetiopedesoidea Myers & Lowry, 2003
Family Aetiopedesidae Myers & Lowry, 2003
Family Paragammaropsidae Myers & Lowry, 2003
Superfamily Caprelloidea Leach, 1814  ワレカラ上科
Family Caprellidae Leach, 1814  ワレカラ科
Subfamily Caprellinae Leach, 1814 ワレカラ亜科
Subfamily Paracercopinae Vassilenko, 1972 ハラナガワレカラ亜科
Subfamily Phtisicinae Vassilenko, 1968 ムカシワレカラ亜科
Family Caprogammaridae Kudrjaschov & Vassilenko, 1966 ヨコエビワレカラ科
Family Cyamidae Rafinesque, 1815 クジラジラミ科
Family Dulichiidae Laubitz, 1983 シャクトリドロノミ科
Family Podoceridae Leach, 1814 ドロノミ科
Superfamily Isaeoidea Dana, 1852 イシクヨコエビ上科
Family Isaeidae Dana, 1852 イシクヨコエビ科
Superfamily Microprotopoidea Myers & Lowry, 2003
Family Microprotopidae Myers & Lowry, 2003
Superfamily Neomegamphoidea Myers, 1981
Family Neomegamphopidae Myers, 1981
Family Priscomilitariidae Hirayama, 1988 キシドウヨコエビ科
Superfamily Photoidea Boeck, 1871 クダオソコエビ上科
Family Ischyroceridae Stebbing, 1899 カマキリヨコエビ科
Subfamily Bonnierellinae Myers & Lowry, 2003
Subfamily Ischyrocerinae Stebbing, 1899 カマキリヨコエビ亜科
Tribe Ischyrocerini Stebbing, 1899 カマキリヨコエビ族
Tribe Siphonoecetini Just, 1983
Family Kamakidae Myers & Lowry, 2003 カマカヨコエビ科
Subfamily Aorchinae Myers & Lowry, 2003
Subfamily Kamakinae Myers & Lowry, 2003 カマカヨコエビ亜科
Family Photidae Boeck, 1871 クダオソコエビ科
Superfamily Rakirooidea Myers & Lowry, 2003
Family Rakiroidae Myers & Lowry, 2003
ドロクダムシ類 corophid;
sea water, rare in fresh
tube dweller or free living
filter feeder, grazer, predator


Infraorder Hadziida Karaman, 1943 (ハッジヨコエビ下目)
Parvorder Hadziidira Karaman, 1943 (ハッジヨコエビ小目)
Superfamily Hadzioidea Karaman, 1943 ハッジヨコエビ上科
Family Crangoweckeliidae Lowry & Myers, 2012
Family Eriopisidae Lowry & Myers, 2013
Family Gammaroporeiidae Bousfield, 1979
Family Hadziidae Karaman, 1943 ハッジヨコエビ科
Family Maeridae Krapp-Schickel, 2008 スンナリヨコエビ科
Family Melitidae Bousfield, 1973 メリタヨコエビ科
Family Metacrangonyctidae Boutin & Missouli, 1988
Family Nuuanuidae Lowry & Myers, 2013
Superfamily Calliopioidea Sars, 1893 (ウラシマヨコエビ上科)
Family Calliopiidae Sars, 1893 ウラシマヨコエビ科
Family Cheirocratidae d'Udekem d'Acoz, 2010
Family Hornelliidae d'Udekem d'Acoz, 2010
Family Megaluropidae Thomas & Barnard, 1986 ウチワヨコエビ科
Family Pontogeneiidae Stebbing, 1906 アゴナガヨコエビ科

ハッジヨコエビ類(ノコギリヨコエビ属) hadzioid;
deep or shallow sea water, brackish, fresh, hypogeous
epibenthic, interstitial, pelagic
herbivorous, omnivorous, filter feeder



Infraorder Bogidiellida Hertzog, 1936 (カンゲキヨコエビ下目)
Parvorder Bogidiellidira Hertzog, 1936 (カンゲキヨコエビ小目)
Superfamily Bogidielloidea Hertzog, 1936 (カンゲキヨコエビ上科)
Family Artesiidae Holsinger, 1980
Family Bogidiellidae Hertzog, 1936 カンゲキヨコエビ科
Family Salentinellidae Bousfield, 1977
bogidiellid; 
sea water
interstitial, vestigial eyes



Infraorder Gammarida Latreille, 1802 (ヨコエビ下目)
Parvorder Crangonyctidira Bousfield, 1973 (マミズヨコエビ小目)
Superfamily Allocrangonyctoidea Holsinger, 1989
Family Allocrangonyctidae Holsinger, 1989
Family Crymostygiidae Kristjánsson & Svavarsson, 2004
Family Dussartiellidae Lowry & Myers, 2012
Family Pseudoniphargidae Karaman, 1993
Family Kergueleniolidae Lowry & Myers, 2013
Superfamily Crangonyctoidea Bousfield, 1973 (マミズヨコエビ上科)
Family Austroniphargidae Iannilli, Krapp & Ruffo, 2011
Family Chillagoeidae Lowry & Myers, 2012
Family Crangonyctidae Bousfield, 1973 マミズヨコエビ科
Family Giniphargidae Lowry & Myers, 2012
Family Kotumsaridae Messouli, Holsinger & Reddy, 2007
Family Neoniphargidae Bousfield, 1977 シンヨコエビ科
Family Niphargidae Bousfield, 1977
Family Paracrangonyctidae Bousfield, 1983
Family Paramelitidae Bousfield, 1977
Family Perthiidae Williams & Barnard, 1988
Family Pseudocrangonyctidae Holsinger, 1989 メクラヨコエビ科
Family Sandroidae Lowry & Myers, 2012
Family Sternophysingidae Holsinger, 1992
Family Uronyctidae Lowry & Myers, 2012
Parvorder Gammaridira Latreille, 1802 (ヨコエビ小目)
Superfamily Gammaroidea Latreille, 1802 ヨコエビ上科
Family Acanthogammaridae Garjajeff, 1901 アカントガンマルス科
Family Anisogammaridae Bousfield, 1977 キタヨコエビ科
Family Baikalogammaridae Kamaltynov, 2002
Family Bathyporeiidae d'Udekem d'Acoz, 2011
Family Behningiellidae Kamaltynov, 2002
Family Falklandellidae Lowry & Myers, 2012
Family Gammaracanthidae Bousfield, 1989
Family Gammarellidae Bousfield, 1977
Family Gammaridae Latreille, 1802 ヨコエビ科
Family Iphigenellidae Kamaltynov, 2002
Family Luciobliviidae Tomikawa, 2007 コザヨコエビ科
Family Macrohectopidae Sowinsky, 1915
Family Mesogammaridae Bousfield, 1977 ナギサヨコエビ科
Family Micruropodidae Kamaltynov, 1999
Family Ommatogammaridae Kamaltynov, 2010
Family Pachyschesidae Kamaltynov, 1999
Family Pallaseidae Tachteew, 2001
Family Paraleptamphopidae Bousfield, 1983
Family Phreatogammaridae Bousfield, 1983
Family Pontogammaridae Bousfield, 1977
Family Sensonatoridae Lowry & Myers, 2012
Family Typhlogammaridae Bousfield, 1978
ヨコエビ類(ヨコエビ属) gammarid;
sea water, brackish, fresh, hypogeous
epibenthic, interstitial
omnivorous, detritus feeder, scavenger

Incertae Sedis 所属不明
Family Ichiidae Dana, 1849
Family Sanchoidae Lowry, 2006




(6)
Suborder Amphilochidea Boeck, 1871 (チビヨコエビ亜目)

  2下目7小目17上科88科からなり、Senticaudata亜目に次ぐ大きなグループです。
 第2触角柄部に剛毛束をもつことなどが特徴として挙げられています。
 Senticaudata亜目が設立された時、多くの科がGammarideaヨコエビ亜目に残されましたが、その大部分がこのチビヨコエビ亜目(仮称)に収められています。


Infraorder Amphilochida Boeck, 1871 (チビヨコエビ下目)
Parvorder Maxillipiidira Ledoyer, 1973
Superfamily Maxillipioidea Ledoyer, 1973
Family Maxillipiidae Ledoyer, 1973
Parvorder Oedicerotidira Ledoyer, 1973 (クチバシソコエビ小目)
Superfamily Oedicerotoidea Lilljeborg, 1865 (クチバシソコエビ上科)
Family Exoedicerotidae Barnard & Drummond, 1982
Family Oedicerotidae Lilljeborg, 1865 クチバシソコエビ科
Family Paracalliopiidae Barnard & Karaman, 1982 ゲンコツヨコエビ科
Parvorder Eusiridira Stebbing, 1888 (テンロウヨコエビ小目)
Superfamily Eusiroidea Bousfield, 1979 テンロウヨコエビ上科
Family Bateidae Stebbing, 1906
Family Eusiridae Stebbing, 1888 テンロウヨコエビ科
Family Miramarassidae Lowry, 2006
Family Thurstonellidae Lowry & Zeidler, 2008
Superfamily Liljeborgioidea Stebbing, 1899 トゲヨコエビ上科
Family Liljeborgiidae Stebbing, 1899 トゲヨコエビ科
Subfamily Idunellinae d’Udekem d’Acoz, 2010
Subfamily Liljeborgiinae Stebbing, 1899 トゲヨコエビ亜科
Family Pseudamphilochidae Schellenberg, 1931
Parvorder Amphilochidira Boeck, 1871 (チビヨコエビ小目)
Superfamily Amphilochoidea Boeck, 1871 (チビヨコエビ上科)
Family Amphilochidae Boeck, 1871 チビヨコエビ科
Family Bolttsiidae Barnard & Karaman, 1987
Family Cressidae Stebbing, 1899
Family Cyproideidae J.L. Barnard, 1974 ホテイヨコエビ科
Family Didymocheliidae Bellan-Santini & Ledoyer, 1987
Family Nihotungidae J.L. Barnard, 1972
Family Pleustidae Buchholz, 1874 テングヨコエビ科
Subfamily Atylopsinae Bousfield & Hendrycks, 1994
Subfamily Austropleustinae Bousfield & Hendrycks, 1994
Subfamily Dactylopleustinae Bousfield & Hendrycks, 1994
Subfamily Eosymtinae Bousfield & Hendrycks, 1994
Subfamily Mesopleustinae Bousfield & Hendrycks, 1994
Subfamily Neopleustinae Bousfield & Hendrycks, 1994
Subfamily Parapleustinae Bousfield & Hendrycks, 1994 (オタフクヨコエビ亜科)
Subfamily Pleusirinae Bousfield & Hendrycks, 1994
Subfamily Pleustinae Buchholz, 1874 (テングヨコエビ亜科)
Subfamily Pleustoidinae Bousfield & Hendrycks, 1994
Subfamily Pleusymtinae Bousfield & Hendrycks, 1994 (エゾテングヨコエビ亜科)
Subfamily Stenopleustinae Bousfield & Hendrycks, 1994
Family Sebidae Walker, 1908 セバヨコエビ科
Family Seborgiidae Holsinger, 1980
Family Stenothoidae Boeck, 1871 タテソコエビ科
Superfamily Leucothoidea Dana, 1852 (マルハサミヨコエビ科)
Family Leucothoidae Dana, 1852 マルハサミヨコエビ科
Superfamily Iphimedioidea Boeck, 1871 (カッチュウヨコエビ上科)
Family Acanthonotozomatidae Stebbing, 1906
Family Acanthonotozomellidae Coleman & Barnard, 1991
Family Amathillopsidae Pirlot, 1934
Subfamily Amathillopsinae Pirlot, 1934
Subfamily Cleonardopsinae Lowry, 2006
Subfamily Parepimeriinae Lowry, 2006
Family Dikwidae Coleman & Barnard, 1991
Family Epimeriidae Boeck, 1871 ヨロイヨコエビ科
Family Iphimediidae Boeck, 1871 カッチュウヨコエビ科
Family Lafystiidae Sars, 1893
Family Laphystiopsidae Stebbing, 1899
Family Ochlesidae Stebbing, 1910
Family Odiidae Coleman & Barnard, 1991 スベヨコエビ科
Family Sicafodiidae Just, 2004
Family Stilipedidae Holmes, 1908
Subfamily Astryinae Pirlot, 1934
Subfamily Alexandrellinae Holman & Watling, 1983
Subfamily Stilipedinae Holmes, 1908
Family Vicmusiidae Just, 1990

チビヨコエビ類 amphilochid;
deep or shallow sea water, 
epibenthic, sand dwelling
several groups indicates predator



Infraorder Lysianassida Dana, 1849 (フトヒゲソコエビ下目)

Parvorder Synopiidira Dana, 1852 (フクスケヨコエビ小目)
Superfamily Dexaminoidea Leach, 1814 エンマヨコエビ上科
Family Atylidae Lilljeborg, 1865 フタハナヨコエビ科
Subfamily Anatylinae Bulycheva, 1955
Subfamily Atylinae Lilljeborg, 1865 (フタハナヨコエビ亜科)
Subfamily Lepechinellinae Schellenberg, 1926 (ガイコツヨコエビ亜科)
Subfamily Nototropiinae Costa 1853
Family Dexaminidae Leach, 1814 エンマヨコエビ科
Subfamily Dexamininae Leach, 1814 (エンマヨコエビ亜科)
Subfamily Dexaminoculinae Bousfield & Kendall, 1994
Subfamily Polycheriinae Bousfield & Kendall, 1994 (ホヤノカンノン亜科)
Subfamily Prophliantinae Nicholls, 1939
Family Melphidippidae Stebbing, 1899 サカサヨコエビ科
Family Pardaliscidae Boeck, 1871
Superfamily Synopioidea Dana, 1852 (フクスケヨコエビ上科)
Family Ampeliscidae Krøyer, 1842 スガメヨコエビ科
Family Argissidae Walker, 1904 ヒヨリミヨコエビ科
Family Synopiidae Dana, 1853 フクスケヨコエビ科
Parvorder Haustoriidira Stebbing, 1906 (ツノヒゲソコエビ小目)
Superfamily Haustorioidea Stebbing, 1906 ツノヒゲソコエビ上科
Family Cheidae Thurston, 1982
Family Condukiidae Barnard & Drummond, 1982
Family Haustoriidae Stebbing, 1906 ツノヒゲソコエビ科
Family Ipanemidae Barnard & Thomas, 1988
Family Otagiidae Hughes & Lörz, 2013
Family Phoxocephalidae Sars, 1891 ヒサシソコエビ科
Subfamily Harpiniinae Barnard & Drummond, 1978
Subfamily Phoxocephalinae G.O. Sars, 1891 ヒサシソコエビ亜科
Family Phoxocephalopsidae Barnard & Drummond, 1982
Family Platyischnopidae Barnard & Drummond, 1979
Family Pontoporeiidae Dana, 1853 フタマタソコエビ科
Family Priscillinidae d'Udekem d'Acoz, 2006
Family Sinurothoidae Ren, 1999
Family Urohaustoriidae Barnard & Drummond, 1982
Family Urothoidae Bousfield, 1978 マルソコエビ科
Family Zobrachoidae Barnard & Drummond, 1982
Parvorder Lysianassidira Dana, 1849 (フトヒゲソコエビ小目)
Superfamily Alicelloidea Lowry & De Broyer, 2008 (ダイダラボッチ上科)
Family Alicellidae Lowry & De Broyer, 2008 (ダイダラボッチ科)
Family Parargissidae Lowry & Myers, 2017
Family Podoprionidae Lowry & Stoddart, 1996
Family Valettiidae Stebbing, 1888
Family Valettiopsidae Lowry & De Broyer, 2008
Family Vemanidae Lowry & Myers, 2017
Superfamily Stegocephaloidea Dana, 1852 フクレソコエビ上科
Family Stegocephalidae Dana, 1855 フクレソコエビ科
Subfamily Andaniexinae Berge & Vader, 2001
Subfamily Andaniopsinae Berge & Vader, 2001
Subfamily Bathystegocephalinae Berge & Vader, 2001
Subfamily Parandaniinae Berge & Vader, 2001
Subfamily Stegocephalinae Dana, 1852 フクレソコエビ亜科
Superfamily Lysianassoidea Dana, 1849 フトヒゲソコエビ上科
Family Adeliellidae Lowry & Myers, 2017
Family Amaryllididae Lowry & Stoddart, 2002
Subfamily Amaryllidinae Lowry & Stoddart, 2002
Subfamily Vijayiinae Lowry & Stoddart, 2002
Family Cebocaridae Lowry & Stoddart, 2011
Family Cyclocaridae Lowry & Stoddart, 2011
Family Cyphocarididae Lowry & Stoddart, 1997 ネコゼヨコエビ科
Family Eurytheneidae Stoddart & Lowry, 2004 
Family Hirondelleidae Lowry & Stoddart, 2010
Family Lysianassidae Dana, 1849 フトヒゲソコエビ科
Subfamily Lysianassinae Dana, 1849 フトヒゲソコエビ亜科
Subfamily Waldeckiinae Lowry & Kilgallen, 2014
Family Opisidae Lowry & Stoddart, 1995
Family Pachynidae Lowry & Stoddart, 2012
Family Scopelocheiridae Lowry & Stoddart, 1997
Subfamily Paracallisominae Kilgallen & Lowry, 2015 (ハミガキソコエビ亜科)
Subfamily Scopelocheirinae Lowry & Stoddart, 1997 (クツミガキソコエビ亜科)
Family Tryphosidae Lowry & Stoddart, 1997
Family Uristidae Hurley, 1963
Superfamily Aristioidea Lowry & Stoddart, 1997 (フカゾリソコエビ上科)
Family Acidostomatidae Stoddart & Lowry, 2012
Family Ambasiidae Lowry & Myers, 2017
Family Aristiidae Lowry & Stoddart, 1997 (フカゾリソコエビ科)
Family Conicostomatidae Lowry & Stoddart, 2012
Family Derjugianidae Lowry & Myers, 2017
Family Endevouridae Lowry & Stoddart, 1997 (チョッキリソコエビ科)
Family Izinkalidae Lowry & Stoddart, 2010
Family Kergueleniidae Lowry & Stoddart, 2010
Family Lepidepecreellidae Stoddart & Lowry, 2010
Family Pakynidae Lowry & Myers, 2017
Family Sophrosynidae Lowry & Stoddart, 2010
Family Thoriellidae Lowry & Stoddart, 2011
Family Trischizostomatidae Lilljeborg, 1865
Family Wandinidae Lowry & Stoddart, 1990
フトヒゲソコエビ類 lysianassid;
deep or shallow sea water
pelagic, epibenthic, sand dwelling
predator, scavenger, filter feeder



 長年採用されてきたヨコエビ亜目が解体されたことで、業界に混乱が広がることはまず間違いありません。一連の研究をいちはやく採り入れている論文がある一方、亜目レベルの不安定さを嫌って敢えて科と目の間の分類にタッチせず作成された論文もあり、研究者の間での対応が分かれている状況です。

 LowryとMyersが続けてきたこの仕事は、データベースに収録された数百もの形質の情報を元に、グループごとの類似性を解析したものです。こうした解析に裏打ちされ導き出された結論は、大量の科を含む端脚類の混沌に大ナタを振るう力強さをもっている一方で、上位分類を分ける決め手となる形質が、例えば肢の先っちょの剛毛があるか、腕節が前節より短いかどうか等、種を分ける時にも変異を考慮したくなるような微妙なものが多く、納得できない研究者がいるのもそういう部分への疑問があるものと思われます。剛毛の位置に関しては、確かにヨコエビ全般で種を特徴づける安定した形質として理解されていたりしますが、あくまで近縁種の識別に用いられてきたもので、「第1,2尾肢の先端に棘状剛毛があるかないか」で亜目レベルを分けるというのは、私から言わせれば、常識的にまず考えられないわけです。

 また、Lowry and Myers 2017は機械的に形質を処理して上位分類を決めたものではないという、ある意味で分類学者のセンスを活かす側面がある一方で、思ったようにはまらないグループに言い訳をつけるなど、気になる処理も見られます。

 この研究には分子解析の裏付けがないため、これほど大移動をして分類学的混乱を伴って知見を再構築しても、これから系統学的な整合性はどのように担保していくのか、不安要素でもあります。





<参考文献>

- Barnard,J.L. and Karaman,G.S. 1991. The Families and Genera of Marine Gammaridean Amphipoda (Except Marine Gammaroids), Records of Australian Museum supplment 13, part 1,2, 866p.
- Grosso, L.E., M.A. Peralta, S. Ruffo 2006. Description of Pseudoingolfiella morimotoi, sp. nov. (Crustacea, Amphipoda) from New Zealand and transantarctic distribution of the genus. Subterranean Biology, 4: 67-77.
- Lowry, J. K., A.A. Myers 2013. A Phylogeny and Classification of the Senticaudata subord. nov. (Crustacea: Amphipoda). Zootaxa, 3610(1): 1-80.
- Lowry, J.K. and A.A. Myers 2017. A Phylogeny and Classification of the Amphipoda with the establishment of the new order Ingolfiellida (Crustacea: Peracarida). Zootaxa, 4265 (1): 1–089.
- Sotka, E.E., T. Bell, L.E. Hughes, J.K. Lowry, A.G.B. Poore 2016. A molecular phylogeny of marine amphipods in the herbivorous family Ampithoidae. Zoologica Scripta, 46: 85–95.


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(補遺) 2 June 2017

- イラストに追記した英語解説の表記ゆれと誤字を訂正。