2017年4月1日土曜日

4月1日活動報告

 新年度となりました。
 ヨコエビギナーの皆様が活動を開始される頃かと存じます。

 ヨコエビといえばその名の通り、 横向きになっていることが特徴的で、英語圏でもside swimmerなどと呼ばれたりします。その横向きのビジュアルは、かなり古い時代から認知されていたことがわかっています。


 こちらは20世紀初頭にイギリスの探検家によって発見され、今は大英博物館に収蔵されているスカラベの裏に刻まれたヒエログリフです。紀元前1370年ごろにエジプトで作られたものとされています。見慣れたシルエットが2匹ほど見られます。


 古代エジプトでは、王(ファラオ)が即位すると、その権威を示すために大規模な狩りを行い、その結果をこうして記録し、領土にばら撒いたそうです。その証拠に、当時エジプトの支配下にあった都市や、交易のあった世界各地の港から、これと同じものが数百個もの単位で出土しているとのことです。
 このヒエログリフも、王が在位中に何匹を仕留めたか、そのような記載がみられます。

 その記録にヨコエビが登場するということは、一体何を示しているのでしょうか。



 この「ヨコエビ」を示すヒエログリフの音などは後世に伝わっておらず、表意文字としてのみ理解されています。



 ライオン狩りなどはその勇猛さを示すためのものと伝えられています。

 一説には、ヨコエビ狩りはヨード分が慢性的に不足している内陸民が海藻を採取する過程で生まれた文化ではないかとのことです(参考ページ)。

 ナイル川の流域に栄えたエジプト文明は、氾濫によってもたらされる栄養分により豊かな農業生産が可能となりました。ナイルの氾濫がもたらす養分には多種多様な無機塩類が含まれ、塩分などもまかなえたようです。ということで、海藻を採取する動機としては、日本のような塩づくりではなく、海藻そのものを摂取する生理的需要があったものと考えられます。

 海藻は数えにくく、また動きもないため、ファラオが即位した際に行う狩りとしてはかなり地味なものとなるでしょう。そこで、少しでも動きがあり、国民が海藻を扱うことに目を向けられるように、そこに多く付着するヨコエビが注目されたのではないでしょうか。



 





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 以上、エイプリルフールでした。

 お付き合いいただきありがとうございましたm(_ _)m


※Gardiner Sign ListのL区分(無脊椎および小型動物)に加えて、JSeshのSign libraryを参照し、端脚類のヒエログリフが存在しないことを確認しておりますが、もしかしたら・・・

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