今月も何とかブログのネタがありました。
私が今回参加したのも、また合同調査です。
ヨコエビに夢中になって集団の和を乱したり乱さなかったり・・
気付いているくせにやめれない・・
当ブログで、少し前に夜間調査の話をしましたが、そのプロジェクトの一環でのベントス調査に行ってきました。
調査場所は三番瀬。大学の頃は週2回くらいのペースで通ってました。
写真は船橋側です。
潮干狩りに来た親子連れが多い!見ろ!人がスズガモのようだ!
(※肖像権に配慮して、潮干狩り客の写真は載せません)
杭についているロープを調べてみると、ヨコエビキタ━(゚∀゚)━! !!!
オスの2nd Gnathopodの形状が気になったので持ち帰って他の特徴を検討したところ、どうやらニッポンモバヨコエビAmpithoe lacertosaのようです。この種は、三番瀬では初めて獲りました。盤洲でも確認していますが、もっと岸から離れた場所で獲れたような気が・・
この後、海藻をいろいろと見てまわりましたが、獲れたAmpithoeは全てlacertosaでした。validaどこいった?
色々と杭を見てまわると、泥の塊を発見。もう、お決まりの・・
アリアケドロクダムシMonocorophium acherusicumです。
この写真はピントがやや合ってませんが、かなりの数の個体が写っています。
泥の塊の右上端に、オスの大きな第二触角が見えますね。 見えませんかね。
この泥の塊を調べてみると、
竹の杭が打ちこまれる
→フジツボが付く
→イガイが付く
→足糸の間に泥が溜まる
→ドロクダが管を作って棲みつく
→筆者が誘引される
という流れだったようです。
「住み込み」の最たるものかと。
Ampithoeは論文を読めば普通種ならだいたいの場合は種までいけると思っているのですが、北米での記載が多く、そのまま同定して良いか迷う人も多いようです。
また、触角に毛の多いような種(A.zachsiやA.koreanaなど)は、まだまだ日本で名前のついてないものもいるような気がします。
そもそもAmpithoeには、オスの2nd gnathopodが、propodasにトゲをもつような派手なsubchalateになるものと、A.validaのようにpropodasが細長くシンプルなrectipalmateになるものがいて、多系統なんじゃないの~と言いたくなることもあります。
形質がある程度多様なのは、仕方ないとして、広域分布なのも、当面は目をつぶって、とにかく一定の根拠を示してヨコエビに名前を付けていかなければ、何の足がかりもない状態が続いていくことになるかと思って、私はこうして名前を付け続けています。
ヨコエビのようにマイナーな分類群では、ネット掲示板とかで素人さんに素人さんが絵合わせだけで同定をサポートして、その結果が伝言ゲームで色々なサイトに拡散されて、いつしかマジョリティーになったりすると思うので、後追いができることは大切だと考えています。
ちなみに、今回はとりあえず「東京湾のヨコエビガイドブック」(笑)で形質を確認しました。
Chapman(2007)を参照すれば、より多くの種を確認できます。
さて、今後の活動はどうしよう。
外付HDぶっ飛んで、論文のバックアップをいちいちDVDにとりにいかなきゃいけなくなって、作業効率が大幅に落ち込んだしな・・
GWに新しいPCを開梱して設定する予定なので、今後の推し事はそっちでやります。たぶん。
先月に引き続きChapman Chapterを引用。John推しです!
<参考資料>
- Chapman, J.W. (2007) Gammaridea. In; Carlton, J.T.(ed.) 『The Light and Smith manual intertidal invertebrates from central California to Oregon, fourth edition』 Completely Revised and Expanded. University California Press, pp. 545-618.
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